学生公認サークル「早稲田大学交響楽団」に関するマスコミ報道について

早稲田大学交響楽団(以下、交響楽団)に関する外部からの通報を受けて、2016年9月本学に調査委員会を設置し、調査を実施しました。サークル活動は、学生の自主的な活動です。交響楽団永久名誉顧問(当時)である田中雅彦氏(以下「田中氏」という)との契約についても、交響楽団がその責任と判断で締結したものであり、本学と田中氏の間には何らの契約関係もありません。本来サークル活動に関するトラブルは学生自らが解決するのが基本ですが、本件は学生の自主的活動に委ねるレベルを超えていると判断し、弁護士を委員に入れ、田中氏および複数の交響楽団員(OB・OGを含む)から、事情聴取し、調査を行い、同年12月に終了しました。

調査の結果、田中氏の人脈や運営ノウハウがなければ交響楽団の海外演奏旅行(以下「ツアー」という)実施が困難である等交響楽団の運営が田中氏に依存したものとなっていること、結果として、田中氏が代表を務める㈱ノア・コーポレーション(以下「㈱ノア」という)への業務委託費について、法外とは言えないものの、価格決定権が田中氏にあり、交響楽団に交渉の余地が少ないこと、交響楽団の会計管理に関する意識が低いことなど交響楽団が抱えている具体的なリスクを認識し、本学として必要な指導をすべきであるという判断に至りました。そこで、学生公認サークルを管理する学生部が担当箇所となり、2017年1月に交響楽団に対して、以下の項目について指導勧告を行いました。

①2015年ツアーの会計書類および証憑を大学に提出すること。
②2018年ツアーの資金使途および金額の妥当性を改めて検討し、説明会における保護者への説明および質問に真摯に対応して理解を得るよう努めること。
③少なくとも2017年度まで(2018年ツアーの会計年度が終わるまで)は、大学に対して交響楽団の会計報告(全体及び会計別)を決算期ごとに提出し、大学による監査を受けること。
④2017年度のサークル新勧活動にあたっては、ヨーロッパ公演ツアーは2018年が最後になる可能性がある旨を説明すること。
⑤田中氏が業務を履行できない事態の発生を想定し、交響楽団としての対応方針(2018年ツアーを実施するか否か、誰から指導を受けるか、2018年ツアーが実施できない場合に生じる損失についての団員および保護者への事前の説明方法など)を決めておくこと。
⑥田中氏が代表を務める㈱ノアへの支払について、現金での手渡しをやめること。
⑦㈱ノアとの業務委託契約は2018年ツアーをもって終了し、2018年4月以降は田中氏から指導を受けることをやめて田中氏(㈱ノアを含む)への金銭支払をしないこと。
⑧上記のほか、大学からの指示に対して誠実に対応すること。

ただし、⑦については、2018年4月の交響楽団会長および学生幹事交代後の新体制発足後、学生自らの意思で、後任者への円滑な引き継ぎがなされることを考慮して、2018年度末まで1年間の延長を決定いたしました。学生部としては、その決定を尊重し、推移を見守ることとしました。

また、田中氏に対しては、2017年2月に学生部より書面により、①適切な税務処理を行うこと、②団員への責任追及・不利益な取り扱いをしないこと、③団員の指導に注意すること、④団員に対するハラスメント行為が確認された場合は大学として必要な措置を講じる等の注意喚起を行いました。

学生部としては、以上のように必要な措置を講じて適切な対応をしたと考えておりますが、今般、交響楽団は、2018年7月27日に交響楽団Webページにて発表したとおり、田中氏の永久名誉顧問辞任を受けて体制を一新し、信用回復に努めるべく新たな決意を表明しております。

学生部としても交響楽団のこうした方針を支持し、引き続き改革を支援してまいりたいと考えます。そして、学生が自律的なサークル活動を通じて、さらに人間力を高められるよう、本学の学生を全力で応援していきます。

2018年7月30日

早稲田大学学生部長

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる