顕彰状 ビル・ゲイツ氏

ウィリアム ヘンリー ゲイツ 三世(ビル・ゲイツ)氏は、1955年10月28日、ワシントン州シアトルで生まれた。十代初期からコンピュータプログラミングに強い関心を持ち始め、1973年にハーバード大学に入学し、その在学中、プログラミング言語Basicを初代マイクロコンピュータであるアルテア向けに開発した。1975年(大学3年次)には、幼友達のポール・アレン氏と共にマイクロソフトコーポレーションを創立し、パーソナルコンピュータはいずれ全ての家庭において有益な道具になるという信念の基に、パーソナルコンピュータ向けのソフトウェア開発に全力を注ぐために大学を中退した。

ゲイツ氏はパーソナルコンピュータ向けソフトウェアの専門家であり、これらの領域において系統的で創造的な業績をあげ、ソフトウェア業界の急速な発展に多大な貢献をなしたことは周知の事実であり、現在、コンピュータ向けソフトウェアベンダーとして世界をリードするマイクロソフトコーポレーションの会長兼チーフソフトウェアアーキテクトである。ゲイツ氏の著書であるThe Road Ahead(1995年出版)は、ニューヨークタイムズ紙のベストセラーリストで7週もの間第1位の座を確保した。また、1999年にコリンズ ヘミングウェー氏との共著として出版されたBusiness @ the Speed of Thought(邦題『思考スピードの経営―デジタル経営教本』)は、いかにデジタルプロセスがビジネスにおける問題を新しい方法により根本的に解決するかを説明したものであり、ニューヨークタイムズ、USA Today、ウォール ストリート ジャーナル、そしてAmazon.comのベストセラーリストにリストアップされた。同書は25の言語及び60カ国以上で出版されている。

ゲイツ氏は両方の著書の売上を、テクノロジーを利用した教育やスキル向上を支援するNPO(非営利組織)に寄付している。また、氏は、コンピュータへの情熱に加えて、メリンダ・ゲイツ夫人とともに、世界規模での健康と学習の分野の開発といった、博愛的な動機を持った財団に240億ドルもの寄付を行っている。このことは、21世紀にはこれらの重要分野での発展が世界中の全ての人を救うようにという希望が込められている。現在この寄付はBill & Melinda Gates Foundationとして世界中のより良い健康を目指す団体や、教育や技術へのアクセスを提供することにより人々の生活を改善していく団体、また、パシフィックノースウェスト地域(太平洋北西部)においては、コミュニティプロジェクトの支援を行っている。

このようにゲイツ氏は、コンピュータソフトウェア産業全体に対する多大な貢献のみならず、世界規模での様々な活動に貢献している。

ゲイツ氏が会長を務めるマイクロソフトコーポレーションは、昨年度よりコンピュータセキュリティ分野における人材育成を目的として本学と提携し、技術者養成のための寄附講座や無料セミナーを実施するなど、本学の発展に寄与するところ大である。

ここに早稲田大学総長・理事・監事・評議員ならびに全学の教職員は一致して

ビル・ゲイツ氏に

名誉博士(Doctor of Science)の学位を贈ることを決議した。

学問の府に栄えあれ!

大学が栄誉を与えんとする者を讃えよ!

(Vivat universitas scientiarum! Laudate quem universitas honorabit!)

 

2005年6月28日
早稲田大学

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/top/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる