Notice大切なお知らせ

マイクロソフト・ビル・ゲイツ会長 講演内容要約

早稲田大学からの名誉博士号を授与されましたことを大変光栄に思います。早稲田大学の名声はかなり以前から伺っていますので、名誉博士号を授与され、とてもうれしく思います。ご存知のように日本における最初のパートナーである(ASCII創業者の)西和彦さんは早稲田大学で学生時代を過ごしました。西さんとの共通点は、私の場合はマイクロソフトを起業することを急がざるを得なかったために残念ながらハーバード大学を卒業できなかったことです。ありがたいことにハーバード大学はいつでも復学できるよう休学扱いにしてくれています。もし学生時代に時間があれば大学を卒業できればと思っていましたので、みなさんには大学を是非卒業してほしいと思います。

私の学生時代はコンピューターの小型化と個人使用という考え方は私とマイクロソフトをともに創業したポール・アレンの夢にまだすぎませんでした。まだ他の多数の人はそのように考えていなかったので、我々がこの夢を現実にすることができると考え、私が19歳になったばかりの頃に創業しました。2人とも若かったこともあり、最初は大会社を相手にした売り込みに苦労しましたが、専門知識があることを一旦理解してもらえると、時にはそれ以上に期待をかけられることもあり、チャンスが多くありました。マイクロソフトを創業してから数年したところで日本から来た西さんと出会い、私がパーソナル・コンピューターに対して抱いていた同じ夢を、西さんも抱いていたことを知りました。当時のコンピューターは制約され、主なキットはNECのTK80でしたが西さんはそのソフトウェアの作成を目指していました。最初の先進的なPCであったNECのPC8000に私と西さんは個人的に取り組みました。当時、大変やりがいを感じたのは自らソフトウェアの作成に取り組んだことです。日本の数名のエンジニアとスケジュールに追いつくために睡眠時間を削ってはソフトウェアの作成に励んだことです。これが大きな成功を収めたことで会社も軌道に乗り、PCソフトウェア業界も立ち上がり、NECに限らず多くの日本企業とのコラボレーション(協業)につながりました。その市場はコンピューターの草創期に最も革新的な市場でした。現在でもPCの可能性はまだ十分に開拓されてはいません。

マイクロソフトは創業期にPCを仕事場と家庭に普及させることを目指してきましたが、やるべきことはまだまだあると思います。それらにはコンピューターの使いやすさ、つまり音声認識、視覚(動画像への対応)、ユーザーの関心事項の記憶機能等と現在よりも強化された情報の検索と分析機能があります。マイクロソフトを創業してから30年以上経った現在、ソフトウェアの可能性はこれまでになく大きいと思います。今後10年の進歩はこれまで30年の進歩に匹敵すると考えます。他方、大変難しい課題もあり、多くのコラボレーションを必要とします。マイクロソフトは業界最大規模の研究開発予算を投じていますが、それだけでは十分ではなく、課題に対応するためには協力が必要です。今日、日本の先進大学である早稲田大学を含む大学との拡大プログラムに取り組むことを通して課題に対応するという発表をしました。

究極的に目指すのは、PCだけでなく、すべてのインテリジェントなデバイスが、ユーザーのあらゆる創作意欲と探究心を表現できるようすることです。マイクロソフトではYOUR POTENTIAL, OUR PASSIONというスローガンでユーザーがあらゆる可能性を実現することに努力しています。これは早稲田大学が教育を通して学生の可能性を開拓することと多くの共通点があります。私たちは、ソフトウェアをより教育現場に取り入れ、教材が作成できるかに取り組んでいます。また学生が教科書ではなく、携帯電話と連動するタブレットと呼ばれる超薄型のデバイスを携帯することにも取り組んでいます。これまで以上のスピードで大小の会社がこの分野の重要で革新的な取り組みをしています。会社が大きくなるとともにマイクロソフトにとっては、今まで以上に中小規模企業の起業家と大企業とコラボレーションすることが重要になっています。私自身も若い頃からIBMやDIGITAL EQUIPMENTと仕事をする機会があり、多くを学びましたが、大会社のビジョンが我々のビジョンと同じではなかったためにマイクロソフトには多くのチャンスが生まれました。今年7月に横浜で開催する「The Imagine Cup」を含め、マイクロソフトは世界中の優れたソフトウェア作品のコンテストを開催しています。「The Imagine Cup」には日本からも優れた作品があり、世界の勝者を発表できることを楽しみにしています。

私は若い頃にコンピューターを使う機会に恵まれた数少ない一人でした。当時はコンピューターの使用は大変高かったため、コンピューターを使わせてもらうには、夜間にこっそり忍び込んで利用するか、コンピューターが利用されていない時間をこっそり活用させてもらう以外にありませんでした。今日ではとてもPCが安く普及したために、状況は様変わりしました。今の学生は私の学生時代に比べてプログラミングやロボティックスとの連動、ある程度の知能さえも備ったフロンティアに取り組めることをうらやましく思います。今の学生たちが世の中をよりよくするために何ができるかに期待をかけています。

この名誉博士号の授与に際してはマイクロソフトに日本における功績を認めて頂けたこととともに西さんをはじめとする偉大なパートナーにお世話になりましたことを改めて思い起こし、日本に今後ともお役に立てますよう、大きな夢を実現するためにコラボレーションをひきつづき邁進して参ります。また家庭においても、2つの大学卒業資格をもつ妻の優位に対して、仕事に忙しい私にとっては望める最高の学位である名誉博士号を授与され、対等とはいかないまでも、おかげさまで追いつければと思います。これからに大変期待とチャンスがすべての学生にある中で、本日は多くの学生諸君にお集まり下さいましてありがとうございました。

学生との対話

Q1:夢と目標を教えて下さい。(理工学部生)

A1:ソフトウェアはツールとして情報のアクセスや病気の克服に役立つことで、より平等な社会をより多くの国々で実現でき、人々が自分の可能性をより開拓できること。

Q2:今の学生にしかできないと期待していることを教えて下さい。
(国際教養学部生)

A2:若く、いいアイディアのある人には起業して大きなキャリアを追求できますが、より年配者にもその可能性はあると思います。

Q3:大きく成長した会社を経営する上で一番大事なことを教えて下さい。
(理工学部生)

A3:優れた技術とユーザーへ新しい使い方(グラフィクス)に気づかせること、会社が一定の規模になるまで才能のある人間を集めること、仕事に打ち込むことです。

Q4:自分の成功を実感したのはいつですか。(国際教養学部生)

A4:ソフトウェアの改良は一生涯取り組んでも終わりのない仕事と考えています。

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