最先端の研究を発表 「次代の中核研究者2017」

2018年4月12日、大隈会館にて、7人の中核研究者から2017年度の研究成果報告がおこなわれました。
はじめに、鎌田薫総長から「このプログラムの報告会も今年で三回目ですが、昨年よりもより多くの人に来ていただきました。最先端の研究を知るこのような場は非常に重要で、実はもっともっと大勢の人に参加してもらいたいと思っています。本学の将来計画にむけた研究の事業化、すなわち自立的に研究を展開していこうという取り組みは、着実に大きな成果をあげています。ここにいらっしゃる研究者の方々にもさらなる成果を期待し、この報告会がここに参加された全ての皆さんにとっての大きな契機となることを望みます」と開会の挨拶がありました。

続いて、来賓挨拶として、科学技術振興機構(JST)理事の後藤吉正氏より、若手の研究者、次の世代を担っていくような研究者の力が落ちているのではないかという問題意識や、「CREST」「さきがけ」「未来社会創造事業」「A-STEP(産学共同研究支援)」「START(大学発ベンチャー育成)」「SCORE(アントレプレナー)」といった事業についての説明がありました。

その後、石山敦士研究推進担当理事が司会を担当し、開催にあたり「WasedaVision150」と「早稲田大学 次代の中核研究者育成プログラム(※後述)」について説明しました。

写真:開会の挨拶を述べる鎌田薫総長

写真:科学技術振興機構(JST)理事の後藤吉正氏

写真:司会をつとめた石山敦士研究推進担当理事

今回発表した研究者は以下の通りです。(発表順)

戸川望教授(理工学術院)2016年度採択者

「IoT集積システムプロジェクト」と題して、「IoT設計」「IoTセキュリティ」「IoT応用」の3つを説明しました。戸川教授は、Cyber Physical Systemによる現実世界とサイバー空間の融合が謳われ、全ての「もの」がネットワーク化する高度・高信頼 IoT(Internet of Things)世界の課題として、ハードウェアトロイという新たな脅威が出現していること、設計工程のハードウェアトロイの検出ー教師なし・あり学習等の研究についてわかりやすく述べました。

ファーラー・グラシア教授(国際学術院)2016年度採択者

「国際労働移動プロジェクト」と題して、英語で発表を行いました。中国というルーツをもつことから、日本における中国人移民の研究をするに至るまでのキャリアや、自身の経験やアイデンティティに端を発するアジアにフォーカスした移民の研究テーマ、さらに「なぜ人は移動するのか」「どのように?」「どの国からどの国へ?」等のリサーチテーマについて熱く語りました。さらに参加した他の中核研究者と時にユーモアを交えて二か国語による質疑応答で会場を盛り上げました。

入山章栄准教授(商学学術院)2015年度採択者

経営学、すなわち経営理論には、教科書がないという持論を展開しました。経営学の分析は、経済学と社会学と心理学のいずれかに基盤をおいて理論構築を行っているが、この3つの分野を横断し、体系的に理論整理をおこなった研究者はいないので自身で挑戦していると述べました。そして、その具体例として、ハーバード・ビジネス・レビューでの連載記事について言及し、その誌の中で世界の主要な経営理論をほぼ完全に体系的に網羅する世界初の連載を行っていることを説明しました。

岩田浩康教授(理工学術院)2015年度採択者

「心身覚醒RTプロジェクト」と題して、ヒトに適応するしなやかなロボット技術の追求、ライフ・サポート・ロボティクスの応用分野、日常の問題意識や課題からみえるリサーチテーマの創造について発表をしました。その中で、ERATO研究への参加や、2017年夏の英国 ボリス・ジョンソン外務大臣来訪、欧州研究機関との国際共同研究に向けた取組みなどを説明しました。また、若手との共創・成果発表を精力的に行っていることにも言及し、若手研究者同士のネットワークの推進についても触れました。

片岡淳教授(理工学術院)2015年度採択者

「3Dカラー放射線イメージングへの挑戦 ― スペクトラルCT技術を中心に ―」と題し、3D画像処理の進展、X線イメージング、X線CT、スペクトラル CTの威力、3D-カラー CT、ガンマ線イメージング (PET)などについて、多くの図を用いてわかりやすく説明を行いました。また医療への応用として、大阪大学医学部で臨床実験がスタートすることや、多くのアウトリーチ活動を行っていることにも触れ、研究者として社会への貢献について意識し、成果を出し続けていることについて会場からは惜しみない拍手が送られました。

川上泰雄教授(スポーツ科学学術院)2014年度採択者

「川上筋腱特性開拓プロジェクト」を推進する川上教授は、「人間の筋腱特性とその可塑性に関する包括的研究:身体運動能力との関連性からみた効果的なトレーニング方策の確立に向けて」と題し、3年間における中核研究者としての総論を述べました。①「骨格筋の機能的・形態的・材質的特性の徹底解析」、②「筋腱複合体の損傷・治癒の機序解明」、③「人間の運動能力の向上・サポート」、④「高齢者を元気にするプロジェクト」の4つの研究テーマを踏まえ、様々な研究成果を発表するとともに、次代の中核研究者育成プログラムによる支援への謝辞と今後の抱負を語りました。

戸堂康之教授(政治経済学術院)2014年度採択者

「経済成長・発展における社会・経済ネットワークの役割」と題し、ネットワークが経済にどのような影響を及ぼすかという研究について発表しました。戸堂教授は、先進国、新興国、開発途上国における様々なデータを利用して自身の仮説を検証しており、どのような条件で多様なネットワークが構築されるかを分析していると述べました。また、今年度の計画として「人間はなぜ閉鎖的になるのか」をテーマに、理系的な手法を取り入れたビッグデータ分析、心理学的な実験を取り入れた分析の双方を用いた学際的研究への展望を語りました。

また、2017年度採択者である有村俊秀教授(政治経済学術院)が紹介され、環境経済学の研究や中核研究者としての抱負を語りました。

最後に、橋本周司副総長が「発表は、ただただ楽しかった、こういった会が学内で常に発表されているというのが理想だと思う。どの発表も積極的で素晴らしいものだった。まだまだ早稲田大学やれるぞという実感が出た。ここにいる研究者、先生方の新しいアイデアが出るということをますます期待しているし、さらに努力して頑張ってほしいと思います」と閉会の辞を笑顔で述べました。

写真:抱負を述べる有村俊秀教授

写真:閉会の挨拶を述べる橋本周司副総長

写真:左から橋本副総長、鎌田総長、石山研究推進担当理事

写真:ファーラー教授と質疑応答をする入山准教授

  • 次代の中核研究者育成プログラム:Waseda Vision 150 核心戦略7「独創的研究の推進と国際発信力強化」のもと、ベテランと若手研究者が連携したチーム型研究の推進と若手研究者への組織的なサポートにより、国際研究大学としての地位確立の担い手となる若手研究者を育成するための制度。次代の本学の中核となる研究者に対し集中的な研究支援・環境整備を行う。
  • 欠席者は以下のようです。
    十重田裕一教授(文学学術院)2014年度採択者
    関根泰教授(理工学術院)2016年度採択者
    胡桃坂仁志教授(※2017年度まで在籍、2018年より東京大学定量生命科学研究所)2014年度採択者
  • 過去の「次代の中核研究者育成プログラム報告会」はこちら。2016年2017年
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