11月7日、文部科学省平成29(2017)年度「私立大学研究ブランディング事業」の支援対象校が発表され、早稲田大学の提案「多様な全世代が参画する社会へのデザイン—医理工社連携による新知と実践—」が採択されました。
資源、エネルギー、人の寿命など全てに限りが有るなかで、あらゆる人が生きる幸せを実感できる社会の新しい価値を創造するために、本学の強みである理工学と社会科学の知を集積して、個人の健康・医療へ貢献するばかりでなく多様な全世代が参画して発展する社会の新しいデザインを提示します。これにより、中長期計画「Waseda Vision 150」に掲げた「より良き世界の構築へ貢献する早稲田」をグローバルブランドとします。
本提案のタイトル「多様な全世代が参画する社会へのデザイン」は喫緊の高齢化とその後に予測される社会構造の変化を見据えて設定しています。平成28年度統計で高齢者割合は27.3%となり、平成27年度の医療費は国内総生産の10%を超え、40兆円に迫ろうとしています。また、これらの平均化した数値ではなくその内訳をみると、すでに日本の多くの地域では超高齢化に加えて、価値観、生活様式、就労状況などの違いによる世代間格差の問題が顕在化しており、社会技術開発センター(RISTEX)においても世代間の問題を意識した研究テーマを設定しています。
本提案はこれらの問題に対して、生命医科学、理工学、社会科学、レギュラトリーサイエンスという異なった分野の研究を結集することにより、総合大学ならではの文理融合型の解を見出し、実証し、社会の仕組みの新しいモデルを提示することを目的としています。
すなわち、政府の推進する「地域包括ケアシステム」(医療、介護、予防、生活支援サービスを切れ目なく提供し、高齢者の地域生活を支援)、さらに「地域共生社会」(高齢者・障害者・子どもなど全ての人々が、1人ひとりの暮らしと生きがいを、ともに創り、高め合う社会)の構築のために、社会科学の研究グループが生命科学、医療工学の研究グループと協働しこれらの提供する要素技術を社会実装し、まちづくりのあり方、地域包括ケアシステムモデル、そして全世代が参画する社会の仕組み造りを提案し、あらゆる人が生きる幸せを実感できる社会の新しい価値を創造します。
事業名
多様な全世代が参画する社会へのデザイン−医理工社連携による新知と実践—
申請タイプ
タイプB(世界展開型)
65校が申請し、うち27校が選定されました。
参画組織
理工学術院、人間科学学術院、スポーツ科学学術院、法学学術院、ほか
支援期間
平成29(2017)年度~5年間