4年間で3000名育成へ、AI・IoT分野でイノベーション人材創出 社会人学び直し事業「スマートエスイー」

13大学21組織、会員5000企業超と産学連携ネットワークを実現

人生100年時代に向けた社会人の学び直しに

2017年度よりAI・IoT・ビッグデータの技術を組み合わせたスマートシステム&サービスに基づくイノベーション人材育成のための全国的な社会人学び直し事業「スマートエスイー」をWASEDA NEO(東京都中央区・コレド日本橋)を拠点にて開始します。この活動は平成29年度文部科学省enPiT-Proに早稲田大学が代表校として申請し採択されたものです。

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人生100年時代に向けた社会人の学び直しについて、早稲田大学は大学内の人的知的資源に限定せず、広く社会と連携し、他大学や研究機関、企業等とともに協働しつつすすめており、そのプラットフォームとなるWASEDA NEOを本年7月より立ち上げています。

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その一環で、理工学術院総合研究所 最先端ICT基盤研究所・教授 鷲崎弘宜(わしざき・ひろのり)を中心としたグループが、超スマート時代を国際的にリードするイノベーティブ人材を育成するいわばAI・IoTの分野のビジネススクールとして新たな社会人学び直しプログラムの構想を取りまとめ、WASEDA NEOにIoTルーム等を整備し、2018年度より提供いたします。

13大学、21組織(会員企業5000社超)との大規模な産学連携ネットワークにより、事業費(文部科学省補助金および事業収益)4億円を投じ、超スマート社会の実現に必要なAI・IoT・ビッグデータ分野の体系的な学び、徹底的なケーススタディを通じた実践力と領域を超えた組み合わせ、および、仮説検証やデザイン思考を通じた技術とビジネスの接続によりイノベーションを国際的にリードできる人材を4年間で3000名育成します。

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enPit-Proとは

enPiT-Proとは、文部科学省による「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(Education Network for Practical Information Technologies: enPiT)」の取り組みの一環として、情報科学技術分野を中心とする体系的かつ高度で短期の実践教育ネットワークを、産業界・複数大学の協働により開発・実施し、成果を広く全国へ普及させることで、国内における同分野全体の社会人学び直し機能の強化への貢献を目指す支援事業です。

早稲田大学はIoT・AI分野に豊富な研究教育実績を有する理工学術院総合研究所 最先端ICT基盤研究所、基幹理工学研究科 情報理工・情報通信専攻が中心となり、情報生産システム研究科および社会人教育事業室ほかと連携しながら構想を取りまとめ、7月よりスタートしたコレド日本橋5階のWASEDA NEOのプラットフォームを活用しつつ、情報・システム研究機構 国立情報学研究所などの全国13の大学および研究所や20を超える企業等との連携をもとに推進する計画を申請し、9月に採択されています。

事業内容

事業概要

  • 事業名:スマートシステム&サービス技術の産学連携イノベーティブ人材育成
  • 教育プログラム名称:スマートエスイー(Smart SE: Smart Systems and Services innovative professional Education program)
  • 事業責任者:理工学術院総合研究所 最先端ICT基盤研究所・教授 鷲崎弘宜
  • enPiT-Pro補助事業期間:2017年度より最大5年間(2021年度まで)

事業目標

本事業では、超スマート社会Society 5.0を推進するための社会人教育について、

  1. 技術領域を超えた総合的アプローチ
  2. ビジネス・価値との繋がり
  3. 多様性を理解し認める環境
  4. 目標や状況に対応可能な体系と学びやすさ

の4点を備えた教育プログラム「スマートエスイー」を構築し、教育活動の全国展開に努める。

受講者のイメージ

  • 受講資格: 情報技術の実務経験を有し、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)IoTシステム技術資格検定試験 中級相当をベースに本プログラムが扱う領域全体(AI・IoT・ビッグデータ・クラウドほか)の基礎知識を問う入学試験の合格者(到達見込者は入門科目受講を必須として入学許可)
  • 修了時: スマートシステム&サービス提供を通じた価値創造をリードする人材=フルスタック+専門性、人材像①:組込み・IoTプロフェッショナル、人材像②:システムオブシステムズ・品質アーキテクト、人材像③:クラウド・ビジネスイノベーター

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具体的な取り組み

  • 分野(知識・技術・技能):センサ・IoT、クラウド、人工知能、ビッグデータ、システム&サービスセキュリティ、ビジネスイノベーション
  • フルスタックの体系的教育: ビジネス、アプリケーション、情報処理、通信・物理の4専門領域+総合実践をカバーする全16科目(予定)を、i Competency Dictionary(iコンピテンシディクショナリ)やReference Architecture Model Industrie(RAMI)4.0等を参照モデルとして整理体系化
  • 専門性: 入門をあつかう「エントリ」、情報系大学院レベルの「スタンダード」、実問題への応用力を養う「アドバンスト」の3段階、豊富なIoTデバイスや実ビッグデータを用いたPBLなど実践的な教育
  • 実践性: 企業の実課題を教員とのマンツーマン指導で解決する「修了制作」設置、16科目中10科目120時間で正規修了証を発行、3つの履修モデルコースのいずれか履修でコース修了証を発行、職業実践力育成プログラム(BP)認定の申請予定
  • プログラム期間: 2018年度開講予定(標準で4か月から6ヶ月で修了)、将来的には年2回提供予定

社会人が受講しやすい工夫

  • 社会変革ニーズに応える社会人教育の拠点WASEDA NEOにて平日夜と土曜に開講
  • 受講者の環境や目標に応じ、最適な履修モデルを提示、各科目12時間に抑えて豊富な16科目を提供予定(変更可能性あり):
    • スマートIoTシステム開発実習
    • グローバル開発実習
    • 修了制作
    • スマートIoTシステム ・ビジネス入門
    • IoT版ビジネスモデル仮説検証プログラム
    • システム&デザイン思考・サービスイノベーション
    • アーキテクチャ・品質エンジニアリング
    • セキュリティ・プライバシ・法令
    • 組込み・リアルタイムシステム
    • クラウドサービス・分散システム
    • ビッグデータマイニング・アナリティクス
    • 推論・知識処理・自然言語処理
    • 機械学習・深層学習
    • インターネット・仮想化基盤
    • 無線通信・IoT通信・センサーネットワーク
    • センサ回路・制御
  • 全国の大学ネットワークを活用し多様な修了制作テーマ希望に合わせて指導マッチング
  • JMOOC等による一部オンライン提供および各地域拠点を通じた教材の全国展開

連携機関

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13共同申請校

茨城大学、群馬大学、東京学芸大学、東京工業大学、大阪大学、九州大学、北陸先端科学技術大学院大学、奈良先端科学技術大学院大学、工学院大学、東京工科大学、東洋大学、鶴見大学、情報・システム研究機構(国立情報学研究所)

21連携企業・組織(会員企業5000社超)

一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)、一般社団法人日本IT団体連盟(IT連盟)、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)、一般社団法人次世代センサ協議会(JASST)、一般社団法人新経済連盟(JANE)、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)、株式会社いい生活、株式会社システム情報、株式会社情報医療、株式会社デンソー、株式会社東芝、株式会社ハレックス、株式会社日立製作所、先端IT活用推進コンソーシアム(AITC)、特定非営利活動法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBAI)、日本電気株式会社、富士通株式会社、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)、ヤフー株式会社

コメント

早稲田大学 総長 鎌田薫

早稲田大学では、1886年の校外教育開始から今日に至るまで、全国各地の多数の社会人のニーズに応えるべく、様々な社会人教育の取り組みをおこなってきました。2017年度は、中長期計画 “Waseda Vision 150”の一環として、社会人を主な対象とした未来志向の学びの場 WASEDA NEOも開始しています。
このたび、早稲田大学のみならず全国の多数の大学および研究機関が連携し、大規模に社会人向けの事業を展開することは、早稲田大学にとりましても、大変意義深いと考えております。大学の社会的使命として、あらゆる国内外の大学・団体と連携し、多数の実務家や専門家と共創しながら新しい時代にふさわしい人材を育成いたします。

早稲田大学理工学術院総合研究所 最先端ICT基盤研究所・教授 鷲崎弘宜

日本の企業は、要素技術に優れています。しかし領域や利害関係者を超えて全体を俯瞰して組み合わせ、ビジネスへと結びつけることに後れを取っています。本格的なスマート社会を切り拓くにあたり、いまこそ産学連携による実践的な学び直しにより国際競争力を強化するときです。スマートエスイーは、世界に類を見ない大規模な産学連携によるいわばIoT&AIビジネススクールをめざします。体系的カリキュラムにより広く領域を抑え、徹底的なケーススタディにより超領域の組み合わせ、技術とビジネスの接続を実践します。これにより理論と技術に裏打ちされイノベーションを起こせる人材を育成し、その能力を保証します。

国立情報学研究所 副所長・教授 本位田真一

国立情報学研究所では、平成17年度から「トップエスイー」と呼ぶ社会人向け教育プログラムでトップレベルのソフトウェア技術者の育成に取り組んでおり、これまでに約400名を育成した実績を有しています。10年以上にわたって情報社会を支えるスーパーアーキテクトを育成してきた経験と知見を本事業にも活かし、優秀な人材輩出に貢献します。

大阪大学 大学院情報科学研究科・教授 井上克郎

enPiT-Proでは、いままで行われてきたenPiTのノウハウを積極的に取り入れ、より実践的な知識や技術を学習するとともに、受講生の間の交流を積極的に促し、自他とも認めるトップエンジニアを育成することを目指しています。

北陸先端科学技術大学院大学 知識科学系・教授 内平直志

北陸先端科学技術大学院大学では、平成15年度より技術・サービス経営を特徴とする社会人コースを開設し、多くの教育・研究実績があります。IoT時代は、情報技術×サービス経営が不可欠であり、ビジネス・経営の視点で貢献します。

一般社団法人IT検証産業協会 会長 藤井洋一

つながる世界においては自分の製品の品質だけを考慮するだけでなく、接続先の品質も考慮しないと、利用者に対して品質を担保することができなくなってきました。「セキュリティを含む多面的な品質評価」ができる人材育成に賛同し応援しております。

一般社団法人組込みシステム技術協会 会長 竹内嘉一

組込みシステム技術者がイノベーティブ人材として活躍することが重要であり、その育成に業界として大いに期待します。

一般社団法人コンピュータソフトウェア協 会長 荻原紀男

AI、IoT分野のイノベーション人材は、これからの日本のIT産業にとって必要不可欠な人材です。その人材育成の産学連携ネットワークを実現し、体系的に学べる取り組みを構築できたことは、とても嬉しく思います。日本の未来のために実現に向け、われわれも支援するとともに、大いに期待しております。

一般社団法人日本IT団体連盟 田中久也

IT活用による産業発展のため社会人教育の新たな取り組みに期待します。

一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC) 理事長 白井克彦

IТ技術は多様な応用と関連して、まったく新しい展開の様相を見せつつあります。AIやIоТに代表される技術だけでなく、幅広くまたその基礎となる理論を学び直すことは、現役の先端技術者にとっても、これから従事する若い人材にも不可欠です。JMOOCでは、早稲田大学をはじめとして各大学で行われる講座を全体で共有して、有効活用できるようにe―ラーニング教材の整備などで協力したいと考えています。

一般社団法人次世代センサ協議会 会長 小林彬

センサシステムを設計できるIoT技術者の育成に協力します。

一般社団法人新経済連盟 教育改革PTリーダー 船津康次

このプロジェクトは、激動する社会にあって、テクノロジーを基礎としながら新たな価値を生み出すことのできる先進人材の育成に向けた画期的な試みであると思います。イノベーション・アントレプレナーシップ・グローバリゼーションを理念として掲げる当連盟としても、でき得る限りの協力をさせていただきます。

一般社団法人 電子情報技術産業協会 IT人材育成WG主査 前川隆昭

IoTやAIなどの技術領域とデザイン思考やビジネスイノベーションなどのビジネスセンスを融合して体系的に学べる場の提供を期待します。

株式会社いい生活 執行役員 CIO  鈴木隆喜

ITの世界は非常に変化が激しい一方、現場のエンジニアが新しい知識を体系的に学ぶ機会を得ることが難しいというジレンマを抱えています。実際的な課題をよく理解したエンジニアがこの機会を得、更に社外の方々と交流・議論する機会を得ることで、より効果的な解決方法を見いだすのみならずイノベーションを産み出すきっかけになるのではと期待しています。

株式会社システム情報 取締役 ソリューション本部長 増田航太

急激な技術革新の環境下で求められるのは、「ビジネスをデザインする」発想力。人工知能・ビックデータ等の最新のテクノロジーの知識は勿論のこと、それらの技術を活用し、これまでに無いビジネスモデルを創出するための「発想人間」の創出に期待しております。

株式会社情報医療 代表取締役 原聖吾

ビジネスと技術の重なる領域で新たな人材育成を目指す画期的な取り組みと思います。弊社の医療分野における知見や機械・深層学習技術を活用して、この取り組みがさらに有意義なものになるよう貢献していければと考えています。

株式会社デンソー 電子基盤技術統括部 福田淳一

基礎理論を体系的に理解した上で、最新技術の利活用を推進できる人材の育成を期待します。

株式会社東芝 執行役専務 西田直人

情報技術に関する国内有数の教育機関、企業、及び業界団体が協力し、IoTやAIを活用した新たなソリューション人財の育成が進展することに期待しています。

株式会社ハレックス 代表取締役社長 越智正昭

近い将来間違いなく到来するであろうデータドリブン(Data Driven)社会においては、世の中に存在する膨大なディジタルデータを分析し、活用できる新たなタイプの人材の育成が不可欠です。大いに期待いたしております。

株式会社日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ センタ長 池田尚司

AIやIoT等の先端技術を体系的に修得できる本プログラムが、産業界のシステムイノベーションの原動力になるであろうと期待しています。

先端IT活用推進コンソーシアム 副会長 田原春美

「志をもった社会人が切磋琢磨しながら学ぶ」 この場から、きっと今日を担い、明日を拓く素晴らしい人材が輩出されることでしょう。期待が膨らみます。

特定非営利活動法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ 代表 山川宏

私達のNPO法人では、脳全体のアーキテクチャに学んで人間のような汎用人工知能をオープンに開発することを促進しています。そこで脳における知性について学びながら、脳のようにクラウドとセンサ・IoTを組合せたアーキテクチャを利用したスマートシステムを構築できる人材の育成に協力してゆきたいと思います。

日本電気株式会社 ソフトウェアエンジニアリング本部長 岩崎新一

IoT、AI、クラウド技術を中心としてDXが急激に進展している中、開発形態もSoE型(アジャイル、DevOps)にシフトしてきており、これらを担う人財育成が急務です。時代のニーズにジャストフィットした施策としてenPiT-Proに期待します。

富士通株式会社 AI基盤事業本部プリンシパルエンジニア 吉田裕之

IoT/AI技術が企業競争力の主役となり、技術人材育成が喫緊課題となる中で、理論と技術を併せ持ったエンジニアを短期集中で輩出しようという本プログラムには、大いに期待しております。

モバイルコンピューティング推進コンソーシアム 会長 安田靖彦

5G、BD、IoT、AIの先進技術が注目されています。これら技術を活用したIoTシステムづくりには構成要素とAI、BD等の統計、分析、活用技術とシステムの運用、監視などの実践的知識を習得した技術者の育成が不可欠です。【スマートエスイー講座】は体系化された技術知識を総合的に学べる最適な人材育成機関です。

ヤフー株式会社 CTO 藤門千明

社会の課題解決のためには、人工知能を積極活用できる高度な技術を持つ人材育成が必要です。情報技術の力で日本の課題解決に挑戦し続けるYahoo! JAPANは、この人材育成の取り組みを支援します。

内容に関するお問い合わせ先

理工学術院総合研究所 最先端ICT基盤研究所・教授 鷲崎弘宜
電話:03-5286-3272 メール: [email protected]

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