“住まいの寿命を延ばす”1970年代の工業化住宅をリデザイン 「エネマネハウス2017」早稲田大学・芝浦工業大学コンソーシアムによる提案

2017年8月29日(火)、学生が考える実現可能なゼロエネルギーハウスコンペティション「エネマネハウス2017」の中間報告会が紀尾井町カンファレンスホールにて実施され、早稲田大学・芝浦工業大学コンソーシアムが提案内容の発表を行いました。
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今回のテーマは「“LIFE DESIGN INNOVATION”~住まい・コミュニティに多様な新しい価値を創造する~」です。

はじめに

1970年代に郊外に多く庭付き戸建て住宅が建設されました。ところが現在、住み手のいなくなった郊外の住宅は空き家となる例が多くあります。その理由として、既存住宅が多様化する若い世代のニーズに応えきれず、郊外に新たな世代が流入しないことがあげられます。さらに、当時の最先端の工業化住宅も現代の環境基準は満たさないだけでなく、環境性能が低いため、快適な住環境とは言えません。そこで本チームは郊外の空き家・空き家予備軍の延命を実現するリデザインを行います。

提案内容

本チームが示す“LIFE DESIGN INNOVATION”

  1. 郊外の既存住宅に若い世代が住み継ぎ、いろいろな世代が共に暮らしている少し未来のヴィジョン
  2. 今はハイテクな設備機器も、みんなが当たり前に、ひと工夫しながら使いこなす少し未来のヴィジョン

この提案「わたしの家」では、「祖母が建て遺してくれた住宅をリデザインし、孫である“わたし”が住み継ぐ」というストーリーを描きます。

当時最先端であった空き家予備軍を住宅ストックに転換し、次世代にとって郊外が居住地の選択肢となることを目的としています。

コミュニティというものはゼロから生まれるものではなく、たとえ弱っていたとしてもそれを活性化するしかないと考えたからこそ、コミュニティ再起を期待し既存住宅のリデザインを選びました。新しい生活を始める際に、郊外に住むことが選択肢の1つとなるようにすることで、多様な世代が住むにぎやかなコミュニティを存続させたいと考えます。

建築計画ではリデザインにより「古い既存住宅の断熱性能を利用し、自由で新しい住空間をつくる」ことを狙います。既存壁はエネルギーハーベスティングに有効であると捉え、あえて既存壁に新設壁を縫うように配置し、2種類の壁に挟まれた空間「ロッジア」を生み出します。「ロッジア」は住み手の主体的な温熱環境の調節ができる環境的な工夫へと繋がります。

また、人々の暮らしの様々な要素が自動化する時代の到来が予想されますが、利用者が技術や仕組みをよく理解し、ハイテクな機械でも1人1人自由に使いこなせるライフスタイルを目指して、建築と共にデザインすることが重要だと考え、様々な設備の使い方の工夫を提案しています。

現在232万戸あるといわれている空き家予備軍となる住宅を有効活用し、新たな住まい方を創造するきっかけにしたいと考えています。

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10月より提案したモデルハウスの施工がはじまり、12月には大阪において一般展示が開催されます。

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