【早稲田演劇の今】早稲田小劇場どらま館レビューVol. 1 SEIREN Musical Project

2015年4月30日、早稲田キャンパス近くの南門通り商店街にグランドオープンした早稲田演劇の拠点「早稲田小劇場どらま館」。開館から約1年、多くの団体がその舞台を彩ってきました。毎日一番近くでステージを見ている劇場スタッフが、公演模様をレビューとしてお届けします。

Vol. 1
2016年2月26日(金)~28日(日) 公演

公認サークル「SEIREN Musical Project」 10期卒業公演
『10期ぅ・てんきゅー…てっててーん!!』

まず、演者の皆さん自身が公演を楽しんでいたことをお伝えしなければならなりません。このように書くと、演者が、独り善がりな演技をしていると思われてしまうかもしれませんが、決してそれだけではありません。演者自身が楽しみつつ、そしてそれが観客に伝わり、観客も一緒になって楽しくなってほしいという気持ちが、とても伝わってくるステージでした

今回の公演は卒業公演ということもあり、パンフレットを見ると演者が、ともに過ごした4年間の公演を巡りながらストーリーが展開するという内容でした。

共に過ごした4年間の公演を巡りながらストーリーが展開

共に過ごした4年間の公演を巡りながらストーリーが展開

「てっててーん!!」のセリフとともに、目まぐるしく転換していくシーンの一つ一つの中からも、演者からの楽しませたいと気持ちが伝わってきて、この団体の公演を初めて見る者でも十分に楽しめるような内容でした。今までの彼らの公演を見てきていたら、きっともっと楽しむことができたでしょう。

演劇・ミュージカルを問わず、より良いステージにしたいという気持ちは、多かれ少なかれあるものです。このステージでは、その根底にある気持ちを題材にしながら、一人一人の思いの強さが異なることを示し、そのすれ違いを描きながら、最後には「一人」ではなく、「みんな」でより良いステージを作ることの大切さを伝えたかったのでしょう。

「みんな」で作ることによって、演者自身が楽しみ、そして観客も巻き込んだ、より大きな「みんな」で楽しむことができたのだと実感しました。

メインキャストを中心に話が進み、それを支える脇役陣という配役は、演劇では一般的な構図です。しかしこの公演は、あえてメインキャストを「話を追いかけるための進行役的な位置付け」としていました。一般的な形式では、どうしてもシーンが細切れになりがちなってしまうのに対して、本公演は一本芯を通すと同時に、シーンごとに中心となるキャストを交代させ、さまざまな演者のメインキャストとしての演技が見られる、という効果を生み出しています。卒業公演であるがゆえ、一人だけをメインキャストとすることが難しい中で、それを逆手に取った優れた演出となっています。

卒業後の彼らの活躍、そしてSEIREN Musical Projectの活躍を期待しています。

(早稲田小劇場どらま館スタッフ)

関連リンク

早稲田小劇場どらま館Webサイト

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