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2015年度 学部入学式 総長式辞

2015年度 学部入学式 総長式辞

 

皆さん、ご入学おめでとうございます。

2015年度4月学部入学式にあたり、早稲田大学を代表して、新入生の皆様ならびにご列席のご家族・ご関係者の皆様に対し、心よりのお祝いと歓迎のご挨拶を申し上げます。

本日、めでたく早稲田大学に入学された学部生は、政治経済学部892名、法学部834名、文学部724名、教育学部983名、人間科学部679名、国際教養学部467名、文化構想学部945名、商学部1,011名、社会科学部698名、基幹理工学部643名、創造理工学部628名、先進理工学部588名、スポーツ科学部437名、13学部合わせて総計9,529名に上ります。

なお、本学では、毎年4月と9月に入学式を行っており、昨年9月には349名の学部生が入学していますので、本日現在の学部1年生の総数は9,878名になります。このうち、海外からの留学生は486名で、数多くの優れた若者が、世界各地から早稲田の森に集ってくださったことを、たいへん嬉しく思います。

新入生の皆さんの中には、希望通りの学部・学科に入学した達成感に浸っている人もいれば、必ずしも希望が叶わず悔しい思いをしている人もいると思いますが、今日を境に、それらの思いに区切りをつけて、新しい目標と新たな学習意欲をもって自己研鑽に努めるようにしてください。

新入生の皆さんも、2013年10月の教育再生実行会議第4次提言や2014年12月の中央教育審議会答申などを契機として、大学入試改革をめぐる議論が盛んになっていることをご存じのことと思います。

入学試験はもう終わったので自分には関係ないと思われるかもしれませんが、実は皆さんとも無関係ではありません。

具体的な入学者選抜制度としてどのような方式を採用することが望ましいかについては意見の分かれるところですが、中教審答申の指摘する次のような現状認識については、かなり幅広く共有されているように思われます。すなわち、現在の高等学校教育ではもっぱら難関大学の入学試験に合格することが自己目的化されており、大学入試に必要な知識・技能やそれらを与えられた課題に当てはめて活用する力は向上させられたとしても、自ら課題を発見し解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力や、主体性を持って他者を説得し、多様な人々と協働して新しいことをゼロから立ち上げることのできるイノベーションの力を身につけることはできていないので、高等学校教育・大学入学者選抜・大学教育を一体として改革する必要があるというのです。

新入生の皆さんは、これまでは、すべての問題に唯一無二の正解があるという前提で勉強してきたかもしれませんが、皆さんが大学を卒業した後に生きていく時代について、ニューヨーク市立大学のキャシー・デビッドソンは、「2011 年にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く」と予測していますし、ケンブリッジ大学のフレイとオズボーンは、「今後10~20 年程度で、米国の47%の仕事が自動化される可能性が高い」としています。

この予測が当たるかどうか定かではありませんが、現在とは全く様相を異にするであろう未来社会を支えていくこととなる新入生の皆さまには、事前に模範解答の用意されていない諸問題に果敢に取り組み、新たな世界を切り拓いていく力を身につけることが求められているのは間違いないでしょう。

本学は、中教審答申などに先立つ2012年11月に策定した新たな将来計画 ”Waseda Vision 150”において、教育面では、「洞察力・人間力を備えたグローバルリーダーの育成」を目指すことを宣言し、これに基づいて、学生が、問題の本質を見抜き、自ら必要な調査・分析を尽くして、あるべき解決策を構想し、議論や実験による検証を経て、成案を得た上で、それを実行していく力を涵養するための教育体制の整備を進めています。

たとえば、グローバル・エデュケーション・センターを設置して、すべての学生が、学部の壁を越えて、実践的外国語能力・学術的文章作成力・数学的論理的思考力などの基本的スキルと、幅広い教養を身につけることができるようにしています。また、各学部の授業においても、大教室での講義中心から少人数での対話型・問題解決型授業への転換を加速させ、インターンシップやボランティアなどの体験型授業の拡大などに努めています。

さらに、早稲田大学は、サークル活動その他の学生の自主的活動を通じて多様な才能を開花させるとともに、個性豊かな学生相互の切磋琢磨によって人間力を涵養してきたという良き伝統があり、大学での専攻とは全く異なる分野で大成した校友が多数存在していることは皆さまもよくご存じのことともいます。

また、グローバル化対応については、本学は名実ともに日本で最も進んだ大学となっています。

世界の主要9都市の海外拠点、700を超える海外の有力な大学・研究機関との交流協定やダブルディグリープログラム、セメスター(半期)制の完全実施とクォーター(4学期)制の部分的導入を基礎として、6学部11研究科で英語の授業のみによって学位を取得できる体制を整備していることなどを通じて、約5,000名の外国人学生を受け入れ、日々の授業やサークル活動で、さらには国際学生寮での共同生活等を通じて、文化的背景や価値観の異なる学生たちと外国語で議論をし、相互理解を深めることができるようになっていますし、学生のさまざまなニーズに応じた多彩な留学プログラムの提供、外国大学で取得した単位の本学の要卒単位への算入等により、毎年3,000名を超える本学在学生を海外に送り出しています。

新入生の皆さまにおかれましては、是非とも、本学の優れた環境を活用して、大学入試のために蓄積した豊富な知識を知恵に転換させ、異文化対応能力を向上させるよう努めてください。

もっとも、これらを十分に活用するか否かは、基本的に学生の自主的な選択に任されています。自分から積極的に探してみれば、早稲田大学には、長い伝統の中で形成されてきた学問的・文化的な資産が驚くほど大量に蓄積されていますし、主体的・能動的な学びの意欲に十分に応えることのできる環境が整っています。他方で、漫然と大学が手をさしのべるのを待っているだけですと、4年後には大学は何もしてくれなかったという不満をもって大学を卒業していくことになりかねません。

ところで、早稲田大学は、私立大学でありますが、私立大学は、それぞれ建学の精神に従った独自性のある教育・研究を行っているところに特色を有しています。

早稲田大学の建学の精神を謳った「早稲田大学教旨」は、「学問の独立」(自由で独創的な研究を通じて世界の学問に裨益すること)、「学問の活用」(学理を学理として究めつつ、その応用の道を講ずることによって社会の発展に寄与すること)、「模範国民の造就」(個性を尊重し、心身を発達せしめて、学問の成果を私利私欲にではなく社会全体の利益のために用い、広く世界で活動する人格を養成すべきこと)を説いており、大隈重信は、この利他的な人格の涵養こそが本学の教育の根本をなすべきであると強調しています。

この利他的人格の理念を体現した早稲田人の一人に、第二次世界大戦中に、本国からの命令に背いて、「命のビザ」を発給し続け、ナチス・ドイツの迫害から逃れてきたユダヤ人難民6千名以上の命を救った杉原千畝さんがいます。本学では、杉原さんの没後25年にあたる2011年に、杉原さんが学んだ教育学部が使用している14号館の前に顕彰碑を設置しました。そこには「外交官としてではなく人間として当然の正しい決断をした」という杉原さんの言葉が刻まれています。

本日は、第2回入学式において、この「命のビザ」で日本に渡り、後に米国で金融先物商品や電子取引システムの世界を創設し、「金融先物市場の父」と称されるに至ったレオ・メラメド シカゴ・マーカンタイル取引所グループ名誉会長に名誉博士学位を贈呈し、ご自身の体験を踏まえた感動的なお話をしていただきました。戦後70年にあたる本年にこのような貴重な機会を持てたことは、極めて有意義であったと思います。

新しい時代を作り上げていくという崇高な使命を担う新入生の皆さまには、この建学の理念をかみしめて、是非とも真摯に学問に取り組み、学問の成果を人類の幸福のために活かしていってくださることを、切に期待しています。

多くの新入生の皆さまにとっては、これから始まる学部生としての4年間は、人生において、最も自由に学問や芸術・スポーツなどに取り組み、一生の宝となる貴重な人間関係を構築することのできる最後の機会となります。

この貴重な4年間が皆さんにとって実り多いものとなることを祈念して、私からのお祝いと歓迎の挨拶とさせていただきます。

皆さん、ご入学、おめでとうございます。

早稲田大学 総長 鎌田 薫

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