専攻分野を問わず特定のテーマを追求できる副専攻制度 学部でも独自の副専攻を実施

早稲田大学グローバルエデュケーションセンターは、「Waseda Vision 150」で掲げる人間力・洞察力を備えたグローバルリーダーを育成するために設置された教育機関で、専攻分野を問わず、学生が、それぞれの「学習動機」や「キャリアプラン」に基づいて、学びを追求する環境を整えています。中でも、全学共通副専攻制度は、すべての学部学生が主専攻に関わらず特定のテーマを追求できる制度として活用されています。

全学共通副専攻は、在学中に一定数を履修し修了希望申請を行った後、卒業までに所定単位数を履修することにより、卒業時に修了証が発行される制度で、2007年度に13副専攻でスタートし、2014年度は29副専攻が設置されています。各副専攻は、テーマに沿った「コア科目」と「選択科目」により構成されますが、指定科目はすべての学部学生に開かれた「全学オープン科目」として開講しているため、学習過程で異分野を専門とする学生が新たに出会う刺激や学び合いにより、学生たちの視野や人脈が自然に広がっていくことも大きな特徴です。学生が、自分自身の興味・関心のあるテーマの副専攻を主体的に選び、チャレンジすることができることから活用方法はさまざまで、主専攻に関連する分野を履修して専攻分野を補強・応用する学生もいれば、主専攻とは全く異なる新たな分野に挑戦して第二の強みを育む学生、さらには、卒業までに複数の副専攻を修了する学生もおり、2007年度に17名であった修了者も2013年度は208名と増加しています。また、体系的に学んだ証として修了証明書も発行されますので、公的書類として留学先や就職先に提出することも可能です。詳細は全学共通副専攻制度のページをご覧ください。

また、いくつかの学部においては学部独自の副専攻制度を実施しています。以下に法学部での事例を紹介します。

法学部副専攻とは


 

早稲田大学法学部では、専門科目としての法律科目(主専攻)の他に、法律専門科目との関連性の深い、言語文化圏や社会科学系の学問領域を学ぶことができるのが特徴です。

副専攻制度は以下の地域研究系の5つの分野、人文科学系の1つの分野、社会科学系の3つの分野から成り立っています。

地域研究系
  • ①英語圏地域研究
  • ②ドイツ語圏地域研究
  • ③フランス語圏地域研究
  • ④中国語圏地域研究
  • ⑤スペイン語圏地域研究
人文科学系
  • ⑥思想・言語・表象研究
社会科学系
  • ⑦政治学研究
  • ⑧経済学研究
  • ⑨商学研究

 

履修者の声


 

谷先生と教養演習の履修学生
谷先生と教養演習の履修学生

早稲田大学法学部の谷昌親教授は、1月30日、31日の2日間担当している「教養演習(表象文化)F」の授業の一環で展覧会を行いました。

谷先生は、「この授業では写真や映画の撮り方を勉強しているわけではありません。写真や映画についての理論を学びつつ、作品の分析や研究を通して、カメラというメディアを用いることで世界がどのように見えてくるのか、といったことを考えてきました。その延長として、作品を見るだけではなく、自分たちでもシャッターを切ってみることで、授業における議論を補完してみようとしているのです」と語っています。

履修した法学部生は、「写真や映像、映画など、人が意図的に切り取った視覚的表現を、物語や主張と絡めて、より深く考察する術を学びました」「映画や写真などの作品から、作家ひとりひとりの思いを汲むことで、だんだんと作品の見方が変わっていきました」などの感想を述べています。

 

今回ご紹介した教養演習の授業は副専攻の科目の一つとなります。指定された科目を履修することで卒業時「副専攻修了」の認定を受けることもできます。

修了者の声

喜友名菜織さん(修了した副専攻:ドイツ語圏地域研究)

 

1.なぜ、副専攻を履修しようと思ったのですか?

主専攻である民法を学びながらも、法学に留まらない多角的な視野を身に付けたいと思い履修しました。単位取得の工夫がなされているため、一般教育科目で何を学びたいかということにある程度の目途がつき、また、その延長線上にある教養演習の受講によって、大学2年生までに学習した外国語(ドイツ語)の習得にも力を入れられると思い、履修しました。

2.副専攻を履修してよかったと思うことはどんなことですか?

ドイツ語の新聞や論文の読解、他の受講生との意見交換を通して、法学とは全く異なるアプローチで、その言語を用いている地域の思想・歴史・文化について理解を深められることにあると考えます。さらに、その地域(ドイツ)の現状について知るだけでなく、これまでの自己の認識や日本社会の形態を客観的に見つめ直す機会にも繋がり、体系的な学習によってより柔軟に物事を考察できるようになったと考えます。

3.副専攻が卒業後のキャリア(就職、進学等)のキャリア選びにどのように影響しましたか?

法学研究科に進学し、民事法学を専攻することを決心した背景には、教養演習を通した進路の異なる他の受講生との対話や交流がきっかけにありました。副専攻で扱ってきたドイツについて直接的に研究するわけではないものの、他国の政策や法律との比較をする際、あるいは、日本の将来について考察する際には、副専攻で幅広く、かつ、深く掘り下げて学習してきた知識や教養は必ず活かされていくと思います。

 

髙安 愛生子さん(修了した副専攻:フランス語圏地域研究、思想・言語・表象研究)

 

1.なぜ、副専攻を履修しようと思ったのですか?

一年生前期の履修登録時、おもしろそうだと思った科目を一般教養科目として手当たり次第に登録しました。その後に、そのほとんどが「表象文化研究」と「フランス語圏研究」の該当科目だと知り、この二つの分野に自分は興味があるんだと気づきました。どうせ授業をとるなら、闇雲にやるのではなく、学んだことを形にしたいと思ったので副専攻を履修することにしました。

2.副専攻を履修してよかったと思うことはどんなことですか?

法律一辺倒にならず、きちんと教養を身につけられた点だと思います。法学部は必修も多いし、取らなければいけない法学の単位も多いです。私は表象文化研究とフランス語圏研究を履修したのですが、本来両方とも文学部や文化構想学部で研究される内容です。法学に加え興味があった分野を体系的に学べ、ゼミで教授と意見交換をし、副専攻として形にできたことに満足しています。修了する時には学部に三つ通った気分でした。

3.副専攻が卒業後のキャリア(就職、進学等)のキャリア選びにどのように影響しましたか?

「表象文化研究」のゼミでは映画という表現物から、作者の思想を推察しました。「フランス語圏研究」のゼミではフランスの移民問題について検討しました。

法律科目は条文や判例、学説という準拠すべき筋道がありますが、副専攻で学んだことはほとんどゼロから自説を組み立てなければなりません。副専攻を履修することで、分析力や多角的な視点を得られたと思います。

就職活動中も、主体的に履修選択する姿勢を評価して頂けたと思います。

リンク

グローバルエデュケーションセンター

全学共通副専攻制度

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