日本文化学のグローバル化を目指しUCLAと連携 「柳井正イニシアティブ」を発足します

早稲田大学は、政治経済学部卒(1971年)の本学校友である柳井正氏(株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)の個人のご寄付により、日本文化学のグローバル化に取り組むプロジェクト「柳井正イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト(The Tadashi Yanai Initiative for Globalizing Japanese Humanities)」を発足いたします。

このプロジェクトは、これまで日本とアメリカそれぞれで進められてきた日本文化学研究を一つのネットワークにジョイントして、日本のすぐれた研究者の独特の知識と経験をグローバルに伝播させるとともに英語圏の日本文化学研究に触れる機会を設けて、日米の研究者や学生が互いに切磋琢磨するなかで、未来の日本文化学を創造することを目指します。具体的には、アメリカ西海岸の日本学研究の拠点、UCLAと連携し、日本文化学分野の教授・批評家・小説家や大学院生をUCLAに派遣するとともにUCLAからも教員と大学院生を受け入れるほか、シンポジウムやワークショップを両校で開催します。特長的なのは、派遣する研究者や学生を早稲田大学に限定せず広く求めること。両校教員で構成する運営委員会が本事業のテーマに沿って研究者や著名人を推薦し学生を選考します。

早稲田大学で本事業を担当する文学学術院の李成市前学術院長は、「国際的にも人文学の危機が叫ばれている中、日本文化学を真にグローバルな叡智に鍛え上げる研究・交流の拠点が切望されていました。時宜をえた柳井氏のご支援に感謝しつつ、このプロジェクトを日本文化学の発展に結実させたいと願っています。」と述べています。

また、本事業の発起人であるマイケル・エメリックUCLA上級准教授は、「このたびの柳井氏のご寄付は、グローバル化が進む世界で人文学がいかに重要な役割を担うことになるかを再認識させてくれるものです。柳井イニシアティブと、その中心にある早稲田大学との連携は、日本文化研究における世界的なハブとしてのUCLAの位置を確固たるものにしてくれることでしょう。UCLAでは、学生の日本への関心が年々高まってきております。このプロジェクトによって彼らに開かれてゆく可能性を想像するだけでゾクゾクします。」と述べています。

グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト

左からエメリックUCLA准教授、柳井正氏、鎌田薫総長

早稲田大学は、本学中長期計画であるWaseda Vision 150に基づく『スーパーグローバル大学創生支援事業』において、「Waseda Ocean 構想 ~開放性、多様性、流動性を持つ教育研究ネットワークの構築~」を構想し、国際競争力のある6つのモデル拠点を海外の卓越した大学との連携によってさらに高度化して世界トップレベルの教育研究を展開していきます。そのモデル拠点のひとつである日本文化学モデル拠点は、ドナルド・キーン名誉教授(本学 名誉博士 兼 芸術功労者)で知られるアメリカ東海岸のコロンビア大学、そしてUCLAと早稲田大学の3校をハブ拠点とする国際日本学研究網を構築していく計画であり、今回のUCLAとの連携事業はその中核を担っていくものです。

柳井氏からは、「早稲田大学およびUCLAの日本学研究における高い学問的業績に、深く敬意を表します。今回のプロジェクトによって、日本の文化や文学がグローバルに伝播され、海外での関心と研究への熱意が高まることを願っております。今後の海外での日本学の発展に、少しでも寄与できれば幸甚に存じます。」とのお言葉をいただいています。

マイケル・エメリック/カリフォルニア大学ロサンゼルス校アジア言語文化学部上級准教授
Michael Emmerich, Associate Professor, Asian Languages and Cultures, University of California, Los Angeles

1975年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学で博士号を取得後、プリンストン大学のSociety of fellowsを経て、2013年から現職。『源氏物語』から現代文学まで、幅広い研究活動を行う日本文学研究者であり、翻訳家としても活躍。主な著書はThe Tale of Genji: Translation, Canonization, World Literature(Columbia University Press, 2013)、New Penguin Parallel Texts: Short Stories in Japanese(Penguin, 2011)、Read Real Japanese Fiction(Kodansha International, 2008)。また川端康成、井上靖、高橋源一郎、松浦理英子、よしもとばなな、川上弘美、古川日出男などの英訳を手がける。

リンク

柳井正イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト 事業計画書

Waseda Vision 150

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