ミックススクラップの展伸材へのリサイクル活用に向けた、前処理技術と高度選別技術の研究開発を開始
NEDO採択により産官学連携でアルミニウム循環型社会実現へ共同推進
株式会社UACJ(本社:東京都港区、代表取締役:田中信二)、サイクラーズ株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役:福田隆)、株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:勝川四志彦)、神鋼商事株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:髙下拡展)、三協立山株式会社(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:平能正三)、学校法人早稲田大学(所在地:東京都新宿区、理事長:田中愛治)、アサヒセイレン株式会社(本社:大阪府八尾市、代表取締役社長:谷山佳史)、一般社団法人日本アルミニウム協会(所在地:東京都中央区、会長:岡本一郎)はこのほど、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:斎藤保、以下「NEDO」)が公募した「アルミニウム再生地金製造技術開発事業」に採択され、ミックススクラップの展伸材へのリサイクル活用に向けた前処理技術と高度選別技術の研究開発を開始しました。
本事業は、回収された家電や廃車などのミックススクラップや、樹脂付きサッシを、再び・自動車ボディパネル材、建材、サッシ材、電機・電子機器材、一般材といった展伸材としてリサイクルできる高度選別・前処理プロセスの確立を目指すものです。ミックススクラップに含まれる展伸材の回収率を2028年度までに80%以上に引き上げることを目標としています。アルミニウムリサイクルサプライチェーンの静脈を担うリサイクラー、動脈を担う圧延メーカー・押出メーカー、大学、NEDOが連携し、全体プロセスの最適化を目指し、アルミニウム循環型社会の構築に貢献します。
(1)本事業の背景
アルミニウムは、リサイクルすることで原料から製造する際と比較してCO2排出量を約97%削減できることから、脱炭素社会の実現に向け重要な役割を担っています。しかし、市中で発生するスクラップは、さまざまな合金のアルミニウムや樹脂などの異材質が混在するため、水平リサイクルへは課題がありました。本事業では、産官学の連携により、課題解決への研究開発を推進していきます。
(2)本事業の概要
事業名: アルミニウム再生地金製造技術開発事業
事業期間: 2026年度~2028年度
Webサイト: https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100317.html
主な研究内容: ①樹脂との分離:パルス電流分離技術の開発
②鋳物材との分離:AIによる高度選別の開発
③合金種の分離:フィードバック制御による高度選別機の精度向上
(3)各社の役割

(4)今後の予定と期待される効果
本事業は2026年度から要素技術の確立や装置の導入を開始し、2028年度までにプロセスの完成を目指します。本技術が確立し、アルミニウムスクラップの国内循環量が拡大すれば、2040年度には年間約250万トンのCO2排出量の削減につながる見込みです。
■UACJについて
株式会社UACJ(ユーエーシージェー)は、グローバルに事業を展開するアルミニウム総合メーカーです。「アルミでかなえる、軽やかな世界」をスローガンに掲げ、素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。
飲料缶、自動車、IT機器、空調、航空宇宙・防衛などの幅広い分野に、アルミニウムの板、箔、押出、鋳鍛、加工製品を提供しています。アルミ圧延を開始してから125年以上にわたり受け継いできた技術を生かし、人びとの暮らしや産業を支えています。また、アルミニウムの循環型社会構築に向け、さまざまな領域でリサイクルを推進しています。
2026年3月期の連結売上高は1兆1,817億円、グループ従業員は約10,200人です。
■サイクラーズについて
資源リサイクル事業、環境機器事業に取り組む総合リサイクル企業です。
「サーキュラーエコノミーを追求して、すべてのものに再循環をもたらし、持続可能で豊かな社会を作ります」をPurposeに掲げ、リユース、リメイク、リファービッシュ、リサイクルを通じて、資源や製品の残存価値を最大限に活かす「マルチバリュー循環」の実現に取り組んでいます。グループには、鉄・非鉄金属リサイクルや廃棄物の選別・中間処理を担う東港金属、欧州で開発された環境関連機械の輸入販売を行うサナースがあります。
資源循環と環境ソリューションの両領域で事業を展開し、循環型社会の実現に貢献しています。
■神戸製鋼所について
KOBELCOグループは、素材系、機械系、電力という3つの事業領域を柱とし、多様な技術・製品・サービスを提供しています。120年の歴史の中で培ってきた世の中のために努力を惜しまない精神のもと、多様な事業や技術のかけ算により、社会課題の解決に挑みつづけています。当社グループは今後もステークホルダーの皆様にとって「魅力ある企業」へと変革を進め、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界。」の実現を目指します。
■神鋼商事について
神鋼商事株式会社は、KOBELCOグループの中核商社として、鉄鋼・非鉄金属・原料・機械・溶接材料など幅広い分野でグルーバルに事業を展開しています。「素材と商社機能」を強みに、ユニット体制をさらに高度化し、環境配慮型のサプライチェーン全体の最適化を進めております。脱炭素・資源循環を軸とした環境対応ビジネスの拡大、デジタル技術を活用した需給・在庫管理の高度化、ならびにグローバルネットワークを活かした安定供給体制の強化を推進、また、パートナー企業との連携を深化させ、高付加価値領域へのシフトを図ることで収益基盤を強化。これにより、社会的課題の解決に貢献しつつ、持続的な利益創出を実現し、企業価値の向上・強化に挑戦しています。
■三協立山について
三協立山株式会社は、1960年の創立から“アルミニウム”を主たる材料として日用品や建築用サッシなど、アルミ製品の製造・販売に注力してきたものづくりの企業です。
長期的に目指す方向として『サステナビリティビジョン2050 Life with Green Technology~「環境技術でひらく、持続可能で豊かな暮らし」を実現する企業グループへ~』を策定しており、その中で「カーボンニュートラルへの挑戦」と「資源の循環」を掲げ、環境配慮商品の開発、温室効果ガスの排出削減などの地球温暖化対策や、循環アルミの使用促進による循環経済への取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。
■早稲田大学について
早稲田大学は、1882年「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」を建学の理念として設立された、10の学術院のもとに学部・大学研究科・専門職大学院を有する総合大学です。
来る2032年に創立150周年を迎える早稲田大学は、原点である建学の精神に立ち返り、研究・教育・貢献の3つの柱のさらな強化に取り組んでいます。さらには、2050年のあるべき姿として、「一身一家一国の為のみならず、進んで世界に貢献する抱負がなければならぬ」の理念のもと、「世界人類に貢献する大学」への進化を目指しています。
■アサヒセイレンについて
アサヒセイレン株式会社は創業以来90年以上にわたり「再生」を事業の根幹と位置づけ、アルミニウム総合リサイクルメーカーとして、限りある資源の有効利用を図ってきました。
アルミニウム二次合金の製造、溶解時に発生するドロスを活用した鉄鋼用副原料、スクラップの高度選別など、幅広いリサイクル技術を有します。
「再生を通じて資源を守る心をつなげたい」という理念のもと、官民学・社会とつながる取組を推進してまいります。
■日本アルミニウム協会について
一般社団法人日本アルミニウム協会は、日本のアルミニウム産業の健全な発展を支えることを目的として、アルミニウムに関する調査・研究、技術開発の推進、需要開拓、リサイクルの推進やカーボンニュートラルへの対応といった環境対策等の事業を行う業界団体です。アルミニウム素材の持つ多様な可能性を通じて、持続可能な社会の実現とわが国経済・国民生活の向上に貢献しています。