演劇博物館 第八代館長に岡室美奈子教授(文学学術院)「広い視野を持って新しい試みを行っていきたい」

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館の第八代館長として、岡室美奈子 文学学術院教授(文化構想学部)が4月1日付で就任いたしました。演劇博物館は、坪内逍遙博士が古稀(70歳)を迎え、その半生を傾注した「シェークスピヤ全集」全40巻の翻訳が完成したのを記念して、各界有志の寄附により1928年10月に設立され、日本国内はもとより世界各地の演劇・映像の貴重な資料を揃えています。

岡室美奈子教授

岡室美奈子教授

フランスの劇作家、サミュエル・ベケット研究者として国際的に活躍する岡室館長は「演劇博物館は2つの顔を持っている。一つは演劇・映像の博物資料を保管・展示する博物館としての顔、もう一つは様々な演劇研究者が集まる国際的な演劇・映像の研究拠点としての顔。新しい館長としてこの2つの顔を引き継ぎ、演博を愛してきて下さったファンを大事に、専門性を重視しながら、広い視野を持って新しい試みを行っていきたい」などと、抱負を述べました。

文学学術院ではNHKの朝の連続ドラマを対象とした「テレビ文化論」など数々の人気授業を持ち、「学生の興味の持ち方が多様化している」と感じているという岡室館長。「伝統的な分野を学ぶなかで、演劇を一つのメディアととらえて、面白いものを見出していくことに長けている学生もたくさんいる。演劇博物館を、学生の感性・思考を刺激していけるような場にしたい」とし、「名品だけではなく、おもしろいもの、変なものも展示するなど、演劇に興味が薄いような若者でも訪れるきっかけとなる展示をしたい。文化・芸術が生まれてくるエネルギーを感じてもらうことを心がけ、これまでとは違う一面も見せていきたい」と、さらなる発展を誓いました。

 

岡室美奈子(おかむろ・みなこ)館長略歴

 

1958年生まれ。早稲田大学文学学術院教授(文化構想学部表象・メディア論系所属)。アイルランド国立大学ダブリン校(ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)にて博士号取得。専門は、サミュエル・ベケット研究を中心とする現代演劇論と宮藤官九郎研究を中心とするテレビドラマ論。編著書に『知の劇場、演劇の知』(2005年)、共編著書に『ベケット大全』(1999年)、Borderless Beckett/ Beckett sans frontières. Samuel Beckett Today/Aujourd’hui 19 (2008年)、『サミュエル・ベケット!――これからの批評』(2012年)、『六〇年代演劇再考』(2012年)、『ベケットを見る八つの方法――批評のボーダレス』(2013年)などがある。

 

演劇博物館歴代館長

 

  • 初代 金子馬治 1929年(昭和4年)4月2日~
  • 二代 河竹繁俊 1934年(昭和9年)10月2日~
  • 三代 飯島小平 1960年(昭和35年)4月1日~
  • 四代 倉橋健 1970年(昭和45年)11月15日~
  • 五代 鳥越文蔵 1988年(昭和63年)11月15日~
  • 六代 伊藤洋 1999年(平成11年)4月1日~
  • 七代 竹本幹夫 2004年(平成16年)4月1日~

 

 

坪内博士記念演劇博物館

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