12月15日、早稲田大学第11代総長・清水司先生(2017年10月21日逝去、享年92歳)のお別れの会が、大隈記念講堂にてしめやかに執り行われました。
ご遺族の方々、多くの来賓・参列者とともに清水先生を偲び、黙祷が捧げられたのち、早稲田大学を代表して鎌田薫総長が、次のとおり「追悼の辞」を述べました。
鎌田薫総長「追悼の辞」(一部掲載)
私たちが敬愛して止まない清水司先生は、本年一〇月二一日、ご家族の見守る中で安らかに九二歳の生涯を閉じられました。
清水司先生は、一九七八年に、五三歳の若さで、早稲田大学第一一代総長に就任されました。清水先生は、総長就任にあたって、「早稲田大学は二十一世紀に向けて新しい世界のリーダーとなるべき日本を作り上げるため、学術と文化における先達としての役割を果たさなければならない」という使命を果たすべく、「いまという時をこのうえもなく大切にし、内なる自分を正し、心身のすべてを捧げ己の任務を果たします」と、強い決意を示され、決然たる覚悟をもって早稲田大学創立百周年記念事業を成し遂げられました。
今や、幽明境を異にし、先生の謦咳に接することはかなわなくなってしまいましたが、残された私たちは、早稲田大学を、さらにはわが国の高等教育全体を、新しい時代を牽引し、世界の平和と人類の繁栄を実現しうるものにするために、先生が身を賭して実践されてきた改革の歩みをしっかりと受け継ぎ、さらに発展させて参る所存です。
奇しくも先生のご命日は本学の創立記念日でもあります。私たちは、創立記念日がめぐってくる度に、清水先生の優しい笑顔、高邁な理念、卓越した実行力等を、そして、「内なる自分を正し、心身のすべてを捧げて、己の任務を果たしたい」との先生のご覚悟を思い起こして、さらなる発展を目指す決意を新たにして、前進し続けいくことをお約束申し上げて、お別れの挨拶とさせていただきます。
続けて、清水先生が第11代総長を務めていたときの理事、常任理事であり、早稲田大学第12代総長の西原春夫先生が追悼の辞を述べました。
清水先生とともに、日本の私学における教育研究の発展にご尽力された、日本私立学校振興・共済事業団河田悌一理事長より追悼のお言葉を頂きました。
続けて、清水先生の研究室出身であり、加藤勇早稲田大学名誉教授が追悼の辞を述べました。
追悼の辞に続き、清水先生が1963年からおよそ20年間、部長を務めた早稲田大学コール・フリューゲルおよび早稲田大学グリークラブにより「早稲田の栄光」を献奏しました。
続けて、参列者全員にて「早稲田大学校歌」を斉唱したのち、献花が行われ、閉会となりました。

清水司・第11代総長
略歴
清水先生は、早稲田大学第11代総長として、就任後、早稲田大学創立100周年記念事業の推進、とりわけ総合学術情報センターや所沢キャンパスにおける人間科学部の創設などの実現に向けて尽力し、現在の早稲田大学の礎を築きました。
- 1948年 早稲田大学理工学部電気通信学科 卒業
- 1965年 早稲田大学教授
- 1970年 早稲田大学常任理事
- 1978年 早稲田大学第11代総長
- 1984年 日本私学振興財団理事長
- 1989年 中央教育審議会会長
- 1993年 早稲田大学名誉教授、名誉顧問
- 1993年 東京家政大学学長・東京家政大学短期大学部学長
- 1997年 文化功労者
- 1999年 学校法人渡辺学園理事長
- 2000年 勲一等瑞宝章
- 2016年 学校法人渡辺学園名誉理事長
- 2017年 従三位