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図書館に集う学生たち(1)
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Wed 07 May 25
特集:図書館での学び、叡智との出会い
Wed 07 May 25
豊富な人文書で視野を広げ 専門領域の学びを深める
書架に囲まれた閲覧席で読書やレポート作成に集中
文学部3年 瀧下穂崇さん

撮影=戸山キャンパス 戸山図書館 学習図書フロア
文学部の演劇映像コースで、映画学を専攻しています。学んでいる内容は主に二つ。映画という芸術の性質を探究する映画理論と、映画誕生から現代のハリウッド映画に至る映画史です。映画を分析する上では、映画関連の資料だけでなく、哲学や社会学、精神分析学などほかの領域の知見も生かせるため、さまざまな文献に当たります。
研究で頻繁に利用するのが戸山図書館です。各階にある閲覧席は電源が設置され、パソコン作業も可能。周囲の書架から資料もすぐに手に取れるため、レポート作成がはかどります。一人で集中する際は静かな4階の閲覧席、友人と一緒に学習する際はグループ閲覧室と、ニーズに応じて最適な場所を選びます。勉強する学生が集まる環境は、モチベーションが高まり、レポート提出前などは閉館時間まで作業することも多いです。
戸山図書館は人文科学系の資料が多く、国内外の主要な映画理論の文献もそろいます。また映画雑誌を探す際は坪内博士記念演劇博物館、映像資料の鑑賞は中央図書館のAVルームを活用することもあります。専攻を映画学に決めたきっかけは、映画業界で活躍するプロをゲストスピーカーに迎える「マスターズ・オブ・シネマ 映画のすべて」という授業でした。学内で十分な映画研究ができる早稲田大学のキャンパスは、私にとって魅力的です。
映画表現の手法は奥深く、作品と文献を往復することで、多くの気づきを得られます。4年生になるとゼミが始まり、本格的に卒業論文に着手する予定です。台湾の映画監督、エドワード・ヤンの作品をテーマにしたいと考えています。
さまざまな学問の文献を読むことで、視野が広がるのを感じています。また、情報や思考の整理に役立つアプリケーションを用いて文献の要点を記録し、最後に文章にまとめていくなど、研究の手法も工夫しています。文献を探り、図書館で作業に没頭するのが好きなので、将来も自分の関心を追究できる道に進みたいです。

戸山図書館閲覧席
文学部、文化構想学部のある戸山キャンパスの戸山図書館は、主に1〜4階に学習図書、地下1階に研究図書や雑誌バックナンバーが配架される。蔵書数は約49万冊。各フロアには閲覧席があり、パソコンでの作業が可能。可動式机やホワイトボードが備わる「グループ閲覧室」も設置される。