早稲田大学と慶應義塾大学の図書館連携をさらに強化!
「早慶ライブラリーブックシェア」・「早慶ライブラリーパスポート」を開始
発表のポイント
早慶両大学の図書館は協定に基づき数々のプロジェクトを進行させており、この度新たに2つの利用者サービスの提供を開始。
「早慶ライブラリーブックシェア」
早慶双方の大学院生・教職員が、自校の図書検索システムから相手校の資料をリクエストして自校で借りることが出来るサービス。事前の申請など不要ですぐに利用が可能。
「早慶ライブラリーパスポート」
早慶双方の学部生・大学院生・教職員が自校の学生証・教職員証で相手校の図書館に入館できるサービス。まるで自校の図書館に入るかのように相手校の図書館へも入ることが可能。
早稲田大学(東京都新宿区、総長:田中愛治)および慶應義塾大学(東京都港区、塾長:伊藤公平)の図書館(早稲田大学図書館および慶應義塾大学メディアセンター)は、2024年11月より、同年4月に双方の教職員・名誉教授を対象として開始した早慶間の相互資料取寄せ貸出サービス「早慶ライブラリーブックシェア」の対象を、双方の大学院生にも拡大します。同年4月には互いの図書館に自身の大学の身分証(学生証・教職員証)で入館できる「早慶ライブラリーパスポート」も既に開始しており、今回の大学院生へのサービス拡大を1つの大きな節目としつつ今後も更なる連携強化を目指します。
(1) これまでの経緯
図書館システム共同運用
早稲田大学と慶應義塾大学は、1986年4月より「早稲田大学および慶應義塾の図書館相互利用に関する協定書」を締結し、常に助け合いながら図書館サービスの拡充に取り組んできました。2019年9月には、日本初となる図書館システム共同運用を開始し、目録情報の標準化を実現するための「早慶目録ユニット」を立ち上げました。この2つの大きな変革は業務の効率化/低コスト化を大きく前進させることができた一方、サービス面においては更なる革新が求められていました。
早稲田大学図書館・慶應義塾大学メディアセンター 日本初となる図書館システム共同運用を開始 (2019年9月)
早慶和書電子化推進コンソーシアム
その後、コロナ禍におけるオンライン授業実施に伴い電子資料(電子ブック)の需要が高まる一方で、特に日本語のコンテンツが十分に供給されていない状況が課題として浮き彫りになりました。そこで「早慶和書電子化推進コンソーシアム」を発足し、国内出版社と協力しながら図書の電子化を推進し、一定の成果を上げつつあります。
大学図書館向けのコンテンツ拡充と電子書籍の新たなビジネスモデル構築を目指す「早慶和書電子化推進コンソーシアム」発足(2022年10月)
早慶ライブラリーブックシェア・早慶ライブラリーパスポート
「早慶和書電子化推進コンソーシアム」により拡充を図った電子資料に加え、物理(紙)資料の利用促進策についての検討を重ね、2024年4月、「早慶ライブラリーパスポート」を双方の学生・教職員に開始すると同時に「早慶ライブラリーブックシェア」を教職員・名誉教授を対象として開始しました。同年11月からは双方の大学院生にも対象を拡大することで、両大学図書館における更なるサービス拡充を図ります。
(2) 今回導入したサービス
「早慶ライブラリーブックシェア」
このサービスは相手校の資料を自校の図書検索システムからリクエストし、自校の図書館へ取寄せて借りられるというものです。これは2019年に共同運用を開始し、海外の名門大学図書館で多く採用されているAlma/Pirmo VEというパッケージシステムの標準的な機能を利用して実現したものです。事前の申請や手続きなどは一切不要で、両校合わせて1,100万冊を超える資料をあたかも自校の資料であるかのように相手校の資料を取寄せて借りる事ができ、利便性向上が期待できます。
「早慶ライブラリーパスポート」
このサービスは、相手校の図書館にも、まるで自校の図書館に入るかのようにスムーズに入館できる、というものです。このサービス開始以前は相手校の図書館の入口で自校の身分証を提示し手続きすることで入館が可能となっておりましたが、当サービスの導入によりスムーズに入館できるようになり、利用者の利便性が向上するだけでなく、スタッフの労力も削減することができました。
(3) 今後の課題と展望
今回導入・対象拡大した、「早慶ライブラリーブックシェア」・「早慶ライブラリーパスポート」は、いずれも連携強化による利便性向上を目的としたものです。
今後も、引き続き利便性の更なる向上のため、早慶ライブラリーブックシェアの対象者を更に拡大することや、資料保存スペース狭隘化問題への対応検討、資料の共同保存管理、電子資料の共同調達など、一大学のみでは解決できない諸課題への取組みを進める予定です。
(4) 早慶図書館について(基本情報と特徴)
早稲田大学図書館
所在地:〒169-8050東京都新宿区西早稲田1-6-1
設立年:1882(明治15)年
蔵書数:約605万冊
特徴:早稲田大学図書館は中央図書館と4つのキャンパス図書館で構成され、学生読書室、教員図書室などの15を超える図書室とともに各学術院の教育・研究を支えています。2005年から「古典籍総合データベース」事業を継続し、豊富な和漢古典籍の書誌と画像を無償で公開することで国内外の研究に寄与しています。リポジトリによる研究成果の公開や文化資源データベースでの高精細画像の公開も進めています。
慶應義塾大学メディアセンター
所在地:〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
設立年:1858(安政4)年
蔵書数:約505万冊
特徴:慶應義塾大学メディアセンターは6つのキャンパスの独自性にあわせた各メディアセンターと、その集中処理機構となるメディアセンター本部から構成されます。アジアで唯一所蔵しているグーテンベルク聖書の電子化、Google Books Library Projectへの参加、HathiTrustへのデジタル化資料の登載、電子学術書利用実験プロジェクトの実施など、資料のデジタル化と公開に積極的に取り組んでいます。