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アクセシビリティ支援センターの障がい学生支援方針

特集:アクセシビリティ支援の現在地

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Tue 30 Jul 24

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Tue 30 Jul 24

2023年に名称変更によって生まれたアクセシビリティ支援センター(ARC)。ARCを管轄するスチューデントダイバーシティセンターの秋葉丈志センター長(国際学術院 准教授)が、障がい学生への支援方針について説明します。

蓄積された知見を生かし、高まる合理的配慮のニーズへ対応する

早稲田大学は2006年に「障がい学生支援室」を設置し、専門スタッフが常駐する体制で障がい学生の支援にあたってきました。その後、「スチューデントダイバーシティセンター障がい学生支援室」への組織改編を経て、2023年12月に組織名を「アクセシビリティ支援センター」へと改称。また「早稲田大学障がい学生支援に関する基本方針」を改正し、合理的配慮の提供義務を明記しました。長年にわたり蓄積された障がい学生支援のノウハウを強みと捉え、高まる合理的配慮のニーズに対応していきたいと考えています。

「アクセシビリティ」は、教育機会へのアクセスの 保 障 を意味します。英語名称は「AccessibilityResource Center」ですが、「Resource(リソース)」が指すのは情報、知識、技術、手段などです。これらのリソースを障がい学生が主体的に利用できる環境を整備し、教育機会の均等を目指していきます。 ARCへの名称変更と同時に、人員増強も行いました。支援を要する学生の数は、2006年と比べても飛躍的に増加しており、現在ARCを利用している学生数は150人以上にのぼります。今後も十分な支援を提供できるよう、体制の強化を図っていく方針です。

障がい学生、支援学生、教職員が一体でアクセシビリティを推進

たくさんの障がい学生に支援を届けるためには、支援学生の力も必要です。早稲田大学では現場における多くの支援を学生が担っており、担当を交代するシフト制度を整えることで、多様なニーズに対応してきました。授業時における教員や受講生の発言を、2人で交互にパソコンに入力する「パソコン通訳」など、高度な技術を身に付ける支援学生も在籍します。障がい学生とのコミュニケーションを通じ、同じ目線で考えられるようになることは、支援学生にとっても成長の機会になるでしょう。

ARCでは障がい学生に対し、定期的に面談を行っています。学生から上がる声は、所属学部・研究科や学内の関連部署にフィードバックするなど、制度や設備が随時アップデートされる仕組みを構築しています

また、教員に対する情報共有も重要です。学生から合理的配慮の申請を受けた際には、ARCが学生と面談し、適宜所属学部・研究科や担当教員とも意思疎通を図りながら合理的配慮案を作成しています。

また、今後は授業のユニバーサルデザイン化にも力を入れたいと思っています。そうすることで学生が個別に依頼をしたり教員が都度調整したりすることが減り、さらに障がいのない学生にも参加しやすい授業につながると考えています。

局所的な支援だけでなく、自己理解を通じた成長を提供する

ARCのスローガンは、「学びを支え、共に歩む Learn Together, Live Together」です。支援を受ける学生と職員が一緒に考案した言葉ですが、二つの思いが込められています。

一つは、「共に」です。支援を“する側”“される側”という一方通行の関係ではなく、互いに理解を深めながら、共に歩んでいく姿勢を指します。早稲田キャンパスにあるARCの事務所には、学生たちが安心して立ち寄ることができる雰囲気があり、こうしたコミュニケーションは信頼関係の構築だけでなく、潜在する課題の発見にもつながっています。

もう一つが、「歩む」です。個々の支援を提供するだけではなく、障がいのある学生が自己理解を通じて自助ができるようになるよう、成長を促すことを意味します。ARCを最初に訪れる障がい学生は、「助けてほしい」と漠然とした感覚から始まる場合も多いです。しかし対話を重ねることで、「どのような支援があれば、どのようなことができるか」を理解し、必要な支援・不要な支援を自ら伝えられるようになります。こうした自律した姿勢は、大学を卒業した後、実社会で活躍する上でも必要です。自己理解の力を養えるように、長期的な視点で学生と接することが、教育機関としての大学の使命だと考えています。

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