近年、若者の政治離れが問題視されているが、もっと国民と官僚が互いに歩み寄る必要があるのではないだろうか。
現在の霞ヶ関官庁街は明治19年の官庁集中計画をもとに計画された。明治維新後に一気に政治体制を整え、発展を遂げた日本。当時はリーダーが国を引いたが、今は既に政治の基盤は整い、国民の力で軌道修正していかなければいけない。
ゆえに霞ヶ関も時代に即し、未来を創り出すため、官民が歩み寄る新たなパブリック空間への変革を提案する。官庁街に人影は殆どないが、一本道を挟んだ日比谷公園には平日一時間当たり1000人もの人が訪れる。この人流を、官庁街を横断し国会前庭まで延ばそうと考えた。
外務省を建てる時に平地にされてしまった土地を、建物を建てながら元の地形に戻し、国会前庭から日比谷公園までを緩やかな坂と既存の池で繋ぎ、一体感を生み出す。そして、省庁の延長線上と市民の流れが交わったところに各省庁に関連する官民連携施設を設計。市民の流れと地形を利用し、ここで官僚と民間、市民が、互いに学び、理解できる新たなパブリック空間が生まれる。私はこの設計が誰かの目に留まり、より国民が政治に官僚が民間に興味を持ち、活気ある日本へと近づけることを期待する。