持続可能な社会に向け若者たちが学び、考える「アジア学生交流環境フォーラム(ASEP)」(イオン環境財団主催)が8月2日(水)、早稲田大学大隈講堂で開幕し、宮城・千葉でのフィールドワークを経て6日(日)に閉講しました。今年で6回目を迎えるASEPは、早稲田大学が昨年に引き続きホスト校を務めました。
今年度のASEPは「生物多様性と再生」をテーマに、中国・清華大、韓国・高麗大、ベトナム国家大ハノイ校、マレーシア・マラヤ大、カンボジア・王 立プノンペン大、インドネシア大、タイ・チュラーロンコーン大、早稲田大計64人の学生が参加しました。
開講式では、岡田元也イオン環境財団評議員・イオン株式会社 取締役兼執行役社長 グループCEOが「1つしかない地球の環境を守り、世界が直面している環境問題を解決するにはどうしたらよいかを自らに問いかけ、国境を越えた友人たちと真剣に議論してほしい」と呼びかけました。
また、鎌田薫早稲田大学総長から「震災を経た地で実際の現状を目の当たりにし、被災された方々の生の声に耳を傾けることになる。異なる背景を持つ者同士が話し合い、最後に成果発表を行うことで、日本ならではの環境問題に気づき、自分の国との状況を対比し、その解決策を考えるめったにない良い機会ではないか」との開会の挨拶がありました。
フィールドワークは、主に宮城県の東日本大震災の被災地で行われ、東北大学災害科学国際研究所を訪れ、海岸防災林再生を実施している亘理町で実際に植樹活動に携わりました。被災地が抱える環境や生態系の問題を理解し、その地に住む人々が取り組む地域再生の方法、生物の多様性と人間生活との関係等を学ぶ機会となりました。東北だけでなく、熊本で被災した高校生との意見交換の場も設けられ、辛い経験をしながらもそのことを伝える活動に積極的な生徒の姿を見て、各国の学生からも改めてエールが送られました。
異なるバックグラウンドを持つ学生が8つのチームを組み、最終日の成果発表では「生物多様性と再生」について独自の提言を行いました。自然環境や地域が抱える問題は国によって様々ですが、国独自の対策だけでなく、各国が手を取り協力しなければ一つの地球を守ることができないこと、また、環境保全や災害対策は、科学や歴史学、漁協や農協、自治体や政府と、多方面から切り込むべき問題であることを、再認識する場となりました。
今回の活動は、毎日新聞でも以下の通り紹介されています。
アジア学生交流環境フォーラム 開幕(2017年8月3日朝刊)