材料科学連続セミナー 電子材料第1シリーズ「第一原理計算とX線分光法による交替磁性体材料の探索」を開催いたしました。
講師は、大阪公立大学 准教授の播木敦先生が務めました
セミナーでは、近年注目されている交替磁性体が、従来の強磁性体および反強磁性体とどのように異なるかについて、結晶構造、バンド構造のスピン分裂、対称性の三つの観点から整理されました。その後、交替磁性体に特徴的な対称的なスピン分裂がどのように生じるのかについて、単純なモデルを用いて説明がなされました。さらに、スピン群を用いたコリニア磁性体の分類法に関する最近の研究例が紹介され、MnTeやRuO2などの交替磁性体候補のエネルギーバンドにおける対称性の解釈が示されました。現在、交替磁性体を同定する実験手法の確立が期待されており、その中でも異常ホール効果とX線磁気円二色性(XMCD)が有用であることが紹介されました。後半では、XMCDを利用することで交替磁性体のドメインやネールベクトルの方向を実験的に決定できる可能性が指摘され、今後の実験の提案もなされました。
大学・企業・研究機関等から多くの研究者および学生の方々にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。ご参加いただきましたみなさまに感謝申し上げます。
「第一原理計算とX線分光法による交替磁性体材料の探索」
播木 敦(大阪公立大学 准教授)
日時:2025年1月30日(木)10:00~18:00
開催方法:オンライン(Zoomミーティング利用)
参加人数:45名
〔内訳〕学内6、学外35(大学21、企業等9、研究機関5)、講師他4