材料科学連続セミナー 電子材料第1シリーズ「交替磁性体の電子状態と交差相関」を開催いたしました。
講師は、東京電機大学 准教授の中惇先生が務めました。
「序論」、「交替磁性とは?」、「交替磁性の電子状態・応答」の3部構成で、序論では主に強相関電子系の内部自由度と物性について、特に交替磁性候補物質の一つである有機導体を例として議論されました。次に、交替磁性と従来磁性(強磁性・反強磁性)の違いや交替磁性の初期提案の経緯に関する説明があり、その後で典型的な有機・無機強相関物質系を対象とした交替磁性の具体的なモデル計算について解説がありました。ここでは、交替磁性相の特徴であるスピン分裂の起源が、強相関系の軌道自由度による異方的電子遷移と反強磁性秩序との協力効果にあることが議論されました。さらに、それぞれの物質系において期待される特徴的な交差相関応答(スピン流生成、異常ホール効果、ピエゾ磁気効果)について、非相対論効果と相対論効果の観点から、メカニズムの詳細な解説がなされました。
大学・企業・研究機関等から多くの研究者および学生の方々にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました。ご参加いただきましたみなさまに感謝申し上げます。
「交替磁性体の電子状態と交差相関」
中 惇(東京電機大学 准教授)
日時:2025年1月21日(火)10:00~18:00
開催方法:オンライン(Zoomミーティング利用)
参加人数:66名
〔内訳〕学内5、学外57(大学38、企業等10、研究機関9)、講師他4