早稲田大学材料技術研究所 材料科学連続セミナー(ソフトマター第1シリーズ)2025年1月~3月 オンライン開催
主催:早稲田大学 各務記念材料技術研究所/環境整合材料基盤技術共同研究拠点
材料技術研究所では材料研究における計算材料科学の重要性の高まりを受け、2021年度から2023年度までオンラインによる計算材料科学連続セミナーを開催しました。この経験を活かし、2024年度からはより幅広い材料分野を対象とし、第一線の研究者の知見や技術を共有して材料研究のボトムアップを目的とした、オンラインの「材料科学連続セミナー」を開催します。
このセミナーは文部科学省 共同利用・共同研究拠点事業の一環として実施しています。
フライヤーはこちらからダウンロードできます Web用(約1MB)プリント用(約2MB)
テーマ「液晶の物理学」
本セミナーではソフトマターの代表例のひとつである液晶の物理学について連続体理論を中心に解説をします。分子論に対して連続体理論は液晶のマクロな物性を議論するものですが、平衡状態のみならず非平衡状態における実際の現象を驚くほど良く説明します。液晶は通常細長い分子から構成されますが、その特徴は分子の配向に異方性があることです。分子の配向状態はフランクの弾性論で記述されます。さらに、液晶はその名前が示すように結晶の異方性だけでなく、液体の流動性をも併せ持つためより複雑な現象を呈します。このため、配向だけでなく流動も考慮した連続体理論が必要となります。セミナーでは、実験やシミュレーションの例も交えながら、連続体理論が現象の理解や予測にどのように役立つかを示していきます。
1.セミナー内容の詳細
材料科学連続セミナー(ソフトマター第1シリーズ)は4回に分けて開催いたします。
各回の開催日時、講演タイトル・内容は以下の通りです。
講演タイトル・日時 | 講演内容 |
第1回 「液晶の弾性論とその応用」 1/29(水)13:00-18:00 |
液晶の配向状態を記述する秩序パラメータとダイレクタを定義し、これらを支配する方程式について説明します。その応用例として、液晶のトポロジカル欠陥(ディスクリネーション)の張力と相互作用、外場印加によるフレデリクス転移等を紹介します。 |
第2回 「液晶の流体力学とその応用(前編)」 2/12(水)13:00-18:00 |
等方性液体の流体力学から始めて、ダイレクタと流速が従う基礎方程式を扱う液晶の流体力学(エリクセン-レスリー(EL)理論)を説明します。その応用として、液晶に特有な強い光散乱の起源となるダイレクタの熱的配向ゆらぎを考察します。 |
第3回 「液晶の流体力学とその応用(後編)」 2/26(水)13:00-18:00 |
EL理論は配向と流動がどのように相互作用するかを明らかにします。この相互作用の例として、せん断流下で液晶に電場を印加した際に見かけの粘度が可逆的に変化する現象(電気粘性効果)等について実験結果を示し、理論をもとに考察します。 |
第4回 「液晶のシミュレーション」 3/12(水)13:00-18:00 |
連続体理論に基づくシミュレーションの結果、例えば電場を印加したときに現れるパターン等を紹介します。また、最近ソフトマターの分野で使われるようになった変分原理についても簡単に解説し、それを用いたシミュレーションの例を紹介します。 |
2.講師(敬称略)
折原 宏(北海道大学電子科学研究所 客員研究員/北海道大学名誉教授)
1985年 名古屋大学大学院工学研究科博士課程修了(工学博士) |
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3.開催方法
オンライン(Zoomミーティング利用)
4.対象
一般(大学学部レベルの理系知識を持っていることを想定した内容です)
※学内外の学生・研究者、企業の方、研究機関の研究員など幅広いフィールドからのご参加をお待ちしております。
5.受講修了証の発行
以下の要件を満たした方には「受講修了証」を発行いたします。
・第1回から第4回まですべての回を受講すること。
・第4回受講終了後、所定のアンケートに回答すること。
6.申込手続き
参加費:無料
申込フォーム:こちらのページから ※申込受付はすべて終了いたしました
4回全部に参加しても、個別の回に参加しても、どちらでも結構です。
受付期間は各回の日程の1週間前の17:00までです。
※第1回は1/27(月)12:00まで受け付けいたします。
7.お問い合わせ
早稲田大学 各務記念材料技術研究所 [email protected]
早稲田大学各務記念材料技術研究所
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-8-26
TEL 03-3203-5166 FAX 03-5286-3771