- 研究番号:16P03
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2016年04月〜2019年03月
代表研究者

尾形 哲也 教授
OGATA Tetsuya Professor
基幹理工学部 表現工学科
Department of Intermedia Art and Science
研究概要
本研究では,深層学習に代表される神経回路モデルを軸として,人間と長期に共存,コミュニケーションが可能な自律ロボットを実現するための基礎技術を開発し,実応用へ展開していくことを目的とする.従来のロボットの知能系は,その内部で認識・行動計画・運動制御など,いくつかのモジュールに分かれて設計されている.従ってこれらのモジュール間での情報表現・伝達などの設計が必要となり,あらかじめ定められた文脈の中でしか行動することができない.従って人間の暮らす日常環境に適応することが難しく,感覚運動情報からコミュニケーションに用いられる「言語」のような記号的な情報を扱うことが難しかった.
このような中,近年,深層学習の手法は,画像認識、音声認識や機械翻訳の分野で従来の手法を大きく上回る性能を示している.深層学習では,これまで人手で設計していた内部情報表現(特徴量)を,学習過程において自己組織化させる.現状では,主にその適用範囲がパターン認識であるが,本研究では,我々がこれまでに成果をあげてきた深層学習によるロボット行動学習と言語学習を融合させることにより,環境認知や言語処理といったコミュニケーションに必要となる高次認知能力を自律的に獲得することを目的とする.最終的には実ロボットを用いて,人間との協働を必要とするような実作業で評価を行う.