公共経営大学院1年
斉藤清一
2012年8月7日から12日までの6日間、宮崎県小林市へのフィールドスタディに参加しました。
中央集権から地方分権への流れの中、全国の市町村は地域の独自性を活かしたまちづくりを模索し取り組みを進めていますが、小林市においては、2012年4月から早稲田大学マニフェスト研究所との連携協定を締結し、その一環として今回のフィールドスタディ受け入れとなったものです。
小林市は、”協働により「九州一安心安全なまち小林市」”を目指しており、私たちのミッションは、これを実現するための政策提言を行うことです。
連日、各種の市民団体や職員グループの会議等に参加・傍聴、その後インタビューする形で情報収集を行い、不足する情報については、市議会議員や専門担当職員にも面談し、小林市の現状と課題を探りました。この結果を基に骨子をまとめ、再度のインタビューで確認しながら私たちの政策提言をまとめました。この他にも、市職員を対象とした災害時招集訓練や自主防災組織による防災訓練の見学、農家民泊なども体験することができました。
小林市は、”協働により「九州一安心安全なまち小林市」”を実現するため、まずは「防災」をテーマとした事業展開により「成功体験」を実感し、さらに他分野にこれを広めようと、まさに『一点突破・全面展開』を実践しています。このため、地域担当職員や地域推進員、行政推進会議など「協働」のための組織体制が整えられ、行政と住民が『本気』で取り組んでいます。
ゆえに、単なる授業の一環で気楽に参加できるものではありません。参加する以上、各自が十分な事前準備を行い、これまでの経験や本学において習得したすべての『知』を全力で発揮しなければ、政策提言などできません。まさに小林市との「真剣勝負」です。当然、参加者には真摯な対応が要求されます。
その代わり、実際の自治体経営に直接的に関わることができるので、得られるものも非常に大きく、計り知れません。
今回の調査研究に当たり、私たちの事前学習や面談の希望などはすべて小林市の皆さんに対応していただきました。常に2人の担当者が同行され、発表前日には一睡もせずにご助言・ご支援をいただきました。このことからも、本学のフィールドスタディに対しての期待の大きさを感じました。
このような貴重な体験は、他では絶対に経験できないと思います。本学における授業もすばらしいものと感じてはいましたが、これを実践の場でどのように使うか、「知」を「力」に変える場がフィールドスタディだと思います。
多くの皆さんに参加していただき、このような「気づき」を実感していただくことを期待しています。
(2012年10月16日掲載)