学歴・学位
- 早稲田大学大学院 法学研究科 公法学専攻 修了 博士(法学)
経歴・資格
- 日本公法学会理事、日本学術会議連携会員
研究テーマ
近代立憲主義の起源と展開を憲法思想・憲法理論・比較憲法の三つの観点を総合して研究するという問題意識の下、John Locke等の古典的思想家の研究や現代イギリスの「政治的憲法論」の研究をしている。
研究内容・現在の専門分野を目指した理由やきっかけ
私は1989年に大学院に進学しました。昭和天皇の重体・逝去に伴う「自粛」が日本を覆った時期です。日本国憲法の制定から40年以上たっても、日本にLiberal Democracyが根付かないのはなぜかと疑問に感じていた私にとって、導きの糸となったのが、樋口陽一先生の『比較のなかの日本国憲法』(岩波新書)でした。イギリスにおける憲法政治の発展や現代イギリスの憲法状況、憲法学説の動向等を比較の対象としつつ、日本の憲法政治の「個性 peculiarity」を明らかにしたいと考えています。私たちの社会をもう少し自由で寛容な社会に変えていくために何か役立つはずだと信じて研究をしています。
目指す教育
私たちは自由で平等な個人から成る社会に住んでいます。自由で平等な個人の間には利害・価値観について対立があるのが自然です。利害・価値観の異なる諸個人の共生を可能にするため、公正な紛争解決のための技術として法律学や、そのような解決を可能にする政治制度の構築が必要になります。立憲主義の考え方を取り入れた憲法はまさにそのような政治制度の設計図です。私が目指す教育は、個人間の利害・価値観の対立を歓迎すべき事態と受け止めつつ、その公正な解決のために誠実に議論と行動のできる人材の育成です。専制君主が好き放題にできる国では、このような人材は不要かもしれません。けれども、私たちの社会には必要不可欠です。
現在担当している科目一覧