早大法学部では、憲法、民法、刑法等の法律の基本専門科目から、発展的な応用力へとつなげる「法律主専攻」と、政治、経済、経営、文化等、法律以外の幅広い分野への見識を深める「副専攻」の履修モデルを設定。両専攻の履修モデルをベースに、学生一人ひとりが、自らの関心や希望進路に合わせ、自由に履修計画を立てることができます。
各学年の科目登録段階での履修指導により、学生の将来の進路や興味などに合わせた履修モデルを提示して、卒業までに関連科目を体系的に学習していくことができます。
春学期と秋学期の2セメスターによる科目配置により、学習効果を高めることができます。さらに、海外の協定校への交換プログラム(留学)への参加も容易となります。
成績が特に優秀な学生に対して3年終了時での卒業を認めます。2年終了時に申請を行い、取得単位・成績により3年次での卒業判定を行います。
1年次に導入教育として、法の基礎理論の学習、法律文献の検索・引用方法、小論文・レポートの書き方、ディベートの方法等を訓練します。また、裁判傍聴などを通じて、法を学ぶための基本的な事柄をマスターすることを目標とします。くわえて、各種法律科目の学習相談が気軽にできるよう「法律科目学習相談室」を設置しています。そこでは、主に法学研究科博士課程に在籍する大学院生がティーチング・アシスタントとなり法律の学び方、資料検索方法等授業や自学での疑問を解消して基礎理解を深められることを目的としています。
1年次の導入演習(法学入門)をスタートとして、2年法学演習、主専攻法学演習(ゼミ)、教養演習(副専攻ゼミ)と常に少人数に依る対面教育を重視しています。
法学部がめざす国際的な感覚を持つ学生を育てていくために、外国語科目と一般教育科目・法律科目とを有機的に関連付け、学生が目的に応じて、外国語を系統的・段階的に学習できるようにします。また、英語を外国語B(10単位)に選択した場合(及びそれ以外の選択でも希望する場合)、学生4人に対してチューターが一人つく、Tutorial Englishを受講します。
外国語をさらに学びたい場合は、18単位を超えて上級クラスを学習できます。希望者には新たに3つ目の外国語の学習も可能です。
法曹志望者は、早稲田大学法務研究科(法科大学院)と連携した体系的・効果的な一貫教育である「法曹コース」プログラムが履修可能です。「法曹コース」を修了し一定の条件を満たすことで法曹コース修了者限定の特別入試が受験可能であり、3年次卒業制度を組み合わせれば、大学入学から最短約4.5年で司法試験を受験することも可能です。
科学技術の発展に伴う社会の変化のなかで、いま、法が果たすべき役割が改めて問われています。「先端科学技術と法コース」では、先進的な科学技術に関する理解を深めるだけでなく、科学技術の発展が人間や環境に与える影響を踏まえて、科学技術に関わる多様な法を体系的に学び、人と自然界の共生のあり方を倫理的な視点から考察します。新設コースでは、先端科学技術が提起する現代の課題に取り組み、社会を導くことができるリーダーを育成することを目指します。
春学期 | 秋学期 | |
1年 | 第1セメスター | 第2セメスター |
法律基礎、外国語、教養の学習 | ||
導入講義(法学入門) 導入演習(必修) |
導入演習(選択) Tutorial English |
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2年 | 第3セメスター | 第4セメスター |
法律基礎、外国語、教養の学習 / 主専攻ゼミの開始 | ||
法学演習(主専攻ゼミ)、教養演習(副専攻ゼミ) | ||
3年 | 第5セメスター | 第6セメスター |
専門分野、副専攻の選択、学習 | ||
法学演習(主専攻ゼミ)、教養演習(副専攻ゼミ) | ||
4年 | 第7セメスター | 第8セメスター |
専門分野、副専攻の発展的学習 | ||
法学演習(主専攻ゼミ)、教養演習(副専攻ゼミ) | ||
春学期 | 秋学期 |
区分 | 内訳 | ||
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導入教育科目 4単位 |
導入講義(法学入門)・導入演習(必修) | ||
外国語科目 18単位 |
外国語A 8単位、外国語B 10単位 (英語、ドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語、ロシア語、朝鮮語から2か国語を選択。) |
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一般教育科目 14単位 |
教養演習科目、人文科学関係科目 | ||
法律必修科目 34単位(★) |
憲法I・II 4単位、民法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ14単位、刑法Ⅰ・Ⅱ 8単位、商法I 4単位、民事訴訟法I または刑事訴訟法 4単位 | ||
基礎法科目 4単位(★) |
基礎法理論科目、外国法総論科目、法制史関連科目 | ||
法律選択科目 40単位(★) |
国際関連科目、行政(公共政策)関連科目、刑事関連科目、民事関連科目、商事関連科目、社会関連科目、法学演習科目、基礎法関連科目、外国書購読、法曹コース推奨科目、先端科学技術と法 | ||
法律選択必修科目 4単位(★) |
以下の専門科目より4単位以上を履修するものとする。 (1)民法Ⅴ(担保)(2単位) (2)民法Ⅵ(家族法)Ⅰ・Ⅱ(各2単位) (3)商法総則・商行為(4単位) (4)行政法Ⅰ・Ⅱ(各2単位) (5)国際法Ⅰ・Ⅱ(各2単位) (6)雇用関係法Ⅰ・Ⅱ(各2単位) (7)民事訴訟法Ⅰ(4単位) (8)刑事訴訟法(4単位) ※(7)、(8)は法律必修科目としていずれか1科目を履修すれば良いが、 両科目を履修した場合は、4単位を法律選択必修科目として参入。 |
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法律科目(★) 小計82単位 | |||
共通選択科目 18単位 |
導入演習(選択)、ラテン語Ⅰ・Ⅱ、他箇所他大学科目、上記区分の超過分 | ||
合計136単位 |
2022年度以降のオンライン授業科目の取り扱いについて
(更新日:2023.2.27更新)
法律主専攻履修モデルは、法律専門科目を中心として、学生の興味や将来の進路に 向けた主体的で体系的な履修を可能とするプログラムとなっています。新カリキュラ ムでは下の三つのモデルを用意しています。
①司法・法律専門職 |
【特色】 |
法曹(裁判官、検察官、弁護士)やその他の法律専門職を目指す学生のための履修モデルです。 |
②企業・渉外法務 |
【特色】 |
企業に入って法律の知識を活かし、国内外で活躍したいと考える学生のための履修モデルです。 |
③国際・公共政策 |
【特色】 |
外交官、国際公務員、国家公務員、地方公務員、ジャーナリスト等を志す学生のための履修モデルです。 |
※科目名等は毎年若干の変更がある場合があります。
法学部では成績が特に優秀な学生に対し3年終了時での卒業を認めます。2年終了時に申請を行い、修得単位・成績により3年次での卒業判定を行います。
副専攻履修モデルは、法律専門科目との関連性を意識しながら、より高度な言語運用能力を身に付け、該当する言語文化圏についてさまざまな角度から総合的に学習できるプログラムと、法律学に隣接する社会科学系の学問領域を学ぶプログラムから構成されています。指定された科目の単位の履修者には「副専攻修了」が認定されます。
おもに人文科学のアプローチから英語圏について研究するプログラムです。具体的には、英語圏の国と地域における「社会と文化の諸相」について学びます。さらに教養演習では、地域研究にとどまらず様々な分野にも応用できるアカデミックな「方法論」を身につけます。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
文学、言語学、西洋史、地域文化、演劇論、English Advanced、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) イギリス演劇とパフォーマンスとその歴史、イギリス演劇とパフォーマンスとその実際 先住民研究・入門、先住民研究・応用、ロマン派文学、ヴィクトリア朝文学 |
ドイツ語圏の法、社会、文化、歴史、言語を有機的に結びつける学習プログラムによって、日本語や英語の情報に加え、ドイツ語という第三の窓から広く社会を捉えようとする法学部生をサポートしていこうと思います。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「ドイツ語圏を知る」、西洋史、文学、地域文化、哲学、倫理学、外国書講読、外国法総論、外国法特論、独語上級科目、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) 20世紀スイス史を振り返る、ドイツの近代文学、ドイツの短編小説を読む、ドイツの言語と社会、ドイツの文化と社会、ドイツのメルヒェンを読む、ドイツ語で歴史を読む |
フランスおよびフランス語圏を対象にして、異文化を深く学ぶためのレッスンを試みます。総合講座「フランス語圏を知る」を皮切りに、フランス語圏やヨーロッパ関連の一般教育科目、さらに3、4年で履修してもらう演習によって、みなさんがすでに身近に感じていることがら、たとえばワインなどにもフランス文化の底流を探るとともに、観光客の目にはなかなか映らない隠された風景に、そしてときには困難でつらい現実にも目を向けて、広くかつ深く、フランスのことを考えてみたいのです。ちょっとディープでシリアスなフランスへの旅に出かけてみませんか。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「フランス語圏を知る」、芸術論、哲学・思想、地域文化、映像論、外国書講読、外国法特論、外国法総論、仏語上級、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) フランス語圏文学を味わう、民主主義を考える-フランス現代思想からのまなざし、芸術と文学における空間:境界線をめぐって、フレンチ・ポップスの系譜、フランスの音楽劇・オペラ、他者を知る:多民族社会について考える |
中国を体系的に理解するための手がかりが得られるよう、文学・美術・歴史等々の様々な分野から中国を知る講座が設けられています。皆さんの中国に対するピュアな好奇心をぶつけてみてください。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「中国語圏を知る」、東洋史、芸術論、文学、地域文化、中国法史、外国書講読、外国法総論、その他指定されたオープン教育センター設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) 近代の文体とコトバ-華文と和文の言文一致、宋代の芸術と文人社会、唐代文学における文人とその作品、中国思想―古代東アジアの問題意識 |
「サッカー戦争」をご存知でしょうか。ワールドカップ予選が発端で中米のホンジュラスとエル・サルバドルが起こしたこの戦争は、“愚かな戦争”などと言われることがありますが、実は19世紀以来の植民地体制の遺制や寡頭支配、農業移民、さらには米国による産業支配といった多くの近現代の問題が重なりあっています。スペイン語圏について知見を深めることは、必然的に21世紀の人類が抱える歴史、文化、思想の諸問題系の多くに触れることに繋がるのです。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「スペイン語圏を知る」、宗教学、哲学、ジェンダー論、西洋史、地域文化、外国法特論、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) キューバの文化と思想、ラテンアメリカの文化と思想、ヘイト/差別の歴史から見るラテンアメリカ、ラテンアメリカと抵抗の文化 |
私たちは何を知り、何を思考すべきか。知の今日的条件とはいったいどのようなものなのか――副専攻「歴史・思想研究」は、この問いを引き受けようとするすべての人々にむけて開かれています。一方に、過去へのまなざしを研ぎ澄まそうとする講義があります。法的思考を培おうとする主体にとって不可欠な現代的教養と、同時代を生き抜くための柔軟で勁い思考力を身につけること――その意欲を持つ、あなたの参加を期待しています。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「歴史・思想研究入門」、西洋史、東洋史、日本史、現代史、科学史、芸術論、哲学、哲学・思想、倫理学、政治学、ジェンダー論、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) 「文化」の歴史学ー自他論の現場から、日本国憲法を哲学する、歴史とジェンダー、現代社会の諸課題を『現代思想』誌から考える、デリダと法の哲学―暴力・主権・日本国憲法、戦後ドイツの歴史認識 |
言語情報研究は、法学部の学生諸君が、人間にとって『情報』とは何であり、『言語』とはどのようなものであるのか、『言語情報』は情報通信システムでどのように扱われるのか、複数の異なる『言語』を使用する人間が共生する現代社会の課題は何か、といった『言語と情報』にかかわるさまざまな課題について、多様な視点から複眼的に学ぶことができるように設置しました。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「ことばと法・社会」、言語学、その他指定されたオープン教育センター設置科目、メディアネットワークセンター設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) 言語の解釈のしくみを考える、言語とヒトの認知、ことばと文化、ことばとコミュニケーション |
「表象文化」とは、ごく要約していえば、現実を「別の何か」で表象する操作(representation)をつうじて創造される文化を意味します。この「何か」は美術や音楽、写真や映像から身体まで、さまざまなかたちをとって表現され、記号やメディアによって伝えられます。「見慣れたものを見知らぬものにする」(荒川修作)体験に出かけよう!
主な設置科目 (一般教育科目等) |
総合講座「表象文化研究入門」「歴史・思想研究」「フランス語圏を知る」「ドイツ語圏を知る」「中国語圏を知る」「スペイン語圏を知る」、文学、芸術論、映像論、演劇論、地域文化、ジェンダー論、その他指定されたオープン教育センター設置科目、他学部設置科目など |
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教養演習科目 | (これまでの科目テーマ例) 芸術と科学の相互関係を考える、記憶と表象―戦争記念碑のかたち―、演劇学入門(古典から現代まで)、演劇学入門(戯曲から上演まで)、映像論、映像文化論、都市空間論ー地形・建築・歴史・文化、現代音楽論 |
この副専攻では、政治経済学部と連携し、政治学の高度な理論的水準と国際性の豊かな専任スタッフによる体系的な政治学教育のカリキュラムにもとづき、政治現象を専門的かつ主体的に考えることのできるようにすることが教育目標です。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
政治学 | 領域:理論分析、比較・歴史、国際関係、公共政策(政治経済学部、法学部共同設置科目を履修) |
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この副専攻は、政治経済学部との連携でできたプログラムです。皆さんが現代の経済学の知的水準を体系的に習得できるように、この副専攻に挑戦してみてください。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
経済学、基礎会計学 | 分類:経済から見た日本・経済から見た世界を学ぶ、経済から見た歴史・歴史から見た経済を学ぶ(政治経済学部、法学部共同設置科目を履修) |
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この副専攻は商学部と連携して、経営や経済・産業のソフト面に重きを置き円滑な社会運営のための重要な一翼を担う学問分野を体系的に学習するためのプログラムとして用意されました。
主な設置科目 (一般教育科目等) |
経営学、マーケティング論、金融入門、基礎会計学 | コース:経営、会計、商業・貿易・金融、その他(商学部、法学部共同設置科目を履修) |
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※設置科目等は毎年若干の変更がある場合があります。
法学部では、1年次から演習(ゼミナール)を受講できます。1年次では、導入教育科目演習を選択し、2年次以降専門分野の法学演習を選択して受講します。
ゼミナール | 専門分野 |
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主専攻法学演習 | 憲法、教育法、行政法、法政策論、租税法、地方自治法、民法、民法・環境法、商法、海商法、保険法、経済法、独占禁止法、知的財産権法、民事訴訟法、国際民事訴訟法、倒産法、刑事法、労働法、国際法、国際機構法、国際関係論、国際私法、国際取引法、国際経済法、社会保障法、法社会学、法哲学、法思想史、日本法史、ローマ法、現代中国法、西洋法史、英米法、フランス法、ロシア・東中欧法 など |
教養演習 | 英語圏、ドイツ語圏、フランス語圏、中国語圏、スペイン語圏、スラヴ語圏、表象文化、言語情報、歴史・思想 |