憲法と行政法からなる公法の分野では、日本という国のかたちやあり方を法的視点から学びます。憲法では基本的人権を中心に、その保障の基盤となる平和主義や民主主義を実効的なものとする政治・統治の機構・組織に関する基本的な仕組みを学びます。行政法は、憲法の理念を具体的に実現するための様々な政策や制度を法律などを通じて定め、国や地方公共団体の行政機関の活動を根拠付けたり規制したりする法です。行政法では、行政機関の活動によって私たちの権利・自由が侵害された場合の救済制度についても学びます。公法は世界各国にも存在しますから、諸外国の公法とその理論・制度の歴史と現状との比較検討などを通じて、日本という国のよりよいあり方を考えていきます。
パンを買う、電車に乗る、お金を借りる、家を建てるといったことから、親子関係や遺産の相続まで、私たちの日常生活の基本的なルールを定めているのが「民法」です。その意味では、民法は“社会の設計図”ともいうべきものです。民法を学ぶことは社会の本質を知ることであり、その設計図たる民法を学ぶことで、社会で生じる問題を解決することも、問題から身を守ることもできます。さらには、設計図を改善すれば“改良品”が生まれるように、よりよい“民法のあり方”を考えることで、よりよい“社会のあり方”を描くこともできるのです。
私たちの日常では、企業と関わりを持つことが少なくありませんが、企業にも様々な形態があり、その中心となるのは、会社とりわけ株式会社です。これを規律するのが会社法であり、ここでは企業組織の規律や関係者との利害調整のための様々なルールが盛り込まれています。また、企業間での基本的な取引や決済に関するルールを置く商取引法や手形法、小切手法、さらには保険法、海商法といった分野もあり、商法は非常に広範な法分野といえます。企業の組織や活動について、関係者の利害調整という観点からルールを置くのが商法ですが、経済法、とりわけその中核をなす独占禁止法は、公正かつ自由な競争の維持・促進を目的とし、それが経済全体にとって、ひいては私たちの生活にとって望ましいという観点から、企業活動のルールを定めています。商法や経済法を学ぶことで、社会に対して、これまでとは違う見方ができるようになると思います。
大学生になって、アルバイトや一人暮らしをすると、トラブルに巻き込まれるかもしれません。トラブルが話し合いで解決しないと、最終的には裁判で決着を付けることになりますが、裁判所におけるプロセス(手続)に関するルールを定めたものが民事手続法です。民事手続法には、「トラブルをどのようなプロセスで解決すべきか」についてのエッセンスが詰まっています。これを学ぶことで、裁判手続を理解できるだけでなく、「プロセス」という、現代社会に生起する複雑なトラブル・問題を解決するために不可欠な視点を得ることができるでしょう。
犯罪から個人の権利・社会・国家を守らなければなりません。そのために、「刑事法」は、犯罪と刑罰についてのルールを定めています。どのような行為が犯罪となるのか、どのような刑罰が犯罪にふさわしいのか定めている「刑法」、犯罪の捜査や刑事裁判、刑の執行について定めている「刑事訴訟法」、そもそも犯罪に対して公権力がどのような対策・対処活動を行うべきなのか検討する「刑事政策」という3つの分野に分かれています。犯罪から人々を守るための強力な手段であるとともに、加害者に死刑などの重大な影響を与える「刑事法」は、“最強の法”であり、同時に、“取り扱い注意”の危険な法でもあります。だからこそ、「刑事法」を学んでこれを適切に運用できる力を身につけることが大事なのです。
労働・社会法は、労働法と社会保障法という分野から成り立っています。労働法は、他人に雇われて働くことに関わる法分野であり、社会保障法は、年金や医療、福祉など人生で遭遇する生活上の困難に対処するための制度に関わる法分野です。この二つの分野は、普通の人々の日々の営みを支える法制度と纏めることができるでしょう。「生きろ。」、そして「生きねば。」の意味を噛み締める学問です。
国際社会においては、国家間、又は国際組織に関連する関係を規律したり、国際共同体全体の共通の利益を守ったりするための「国際公法」、及び企業の国際的な取引や投資、個人の国際結婚、国際的な民商事紛争解決に関する法律問題を扱う「国際私法」が機能しています。国際公法と国際私法は、多様化し、複雑化する国際社会の法的基盤となっています。これらの法分野を学ぶ際は、それぞれの国家が歴史、社会、文化等を背景に制定している国内法を尊重しつつ、より安定的な国際関係の規律を実現するために必要な国際関係法の規則とは何かを考えてほしいと思います。
「基礎法学」は、法学の基礎や入門という意味ではありません。現在の日本に通用している法は果たして本当に正しいのだろうか、真にあるべき、あるいはより良い法は何だろうかと、相異なる様々な角度から相対化して考え直す学問です。その意味では法学の基礎を支えるいとなみですが、それは同時に現代の最先端の問題を考えることにも通じます。こうして「基礎法学」では、哲学、社会学、歴史学、外国法との比較といった多様な視点から法にまつわる根本的原理的な問題と対峙し、日々探求や思索を重ねています。
インターネット、電気自動車・・・人類の叡智は様々な発明・発見を通じ生活を便利にしてきました。空飛ぶ自動車、認知症の治療薬、メタバース(仮想空間)の実現ももうすぐです。その一方で、人類の発展は、自然破壊や気候変動など地球を痛めつけています。
皆さんが生きる未来を安心で安全、豊かなものにするためには、新しい知見を駆使して社会課題を解決し、豊かであるとともに地球と共生することが必要です。
そうした社会を作れるか、今、その分岐点にあります。
地球と共生する社会の枠組みを作り、そこに人類の叡智を集積して実現していくことが必要です。
地球と共生する社会をどう作るか、これを学ぶのが「環境法」です。そして、人類の叡智の集積を支えるフレームワークが「知財法」です。
「環境法」と「知財法」を学ぶことを通じて、SDGs―17の世界の課題-の解決に向けて、新しい社会の未来をデザインすることができるのです。
Academic English focuses not so much on learning English as a language per se. Instead, it shows you how to learn from the world beyond what is accessible in your first language and reflect upon your view of the world; to form your own thoughts in a logical and coherent manner; and to communicate your ideas effectively. These are skills that will benefit you throughout your life. Bridge and Gate prepare students for the transition from high school English to academic English. Theme is a content class designed for you to put into practice what you learn in Bridge/Gate. Those who wish to hone their English skills for further studies or their careers can opt to take Advanced English. And in the submajor seminars and general education classes, students get a chance to use their academic English skills to research and explore in greater depth the historical, cultural, and linguistic background of the English-speaking world.
日本の法律学はドイツ法の影響を受けながら発展してきました。その歴史を踏まえてドイツ語を学ぶ人たちが法学部にはたくさんいます。哲学や歴史学、文学など、学問や文化の面でも世界をリードしてきたドイツは、難民受け入れや環境政策、エネルギー政策などの分野でも推進的な役割を担っています。法学部のドイツ語授業では、ドイツ語圏の社会や文化に触れながらドイツ語の総合的な運用能力を育み、それをもとに、ドイツ語圏教養演習で、ドイツ語の資料を読んで議論しドイツ語圏に関する知識を深め、広く社会を批判的に捉える視点を養います。法律科目の中にもドイツ法関連科目やドイツ語の文献を読む授業が設置されており、ドイツ語を学ぶことは法律学の学びにもつながります。
フランスは、ドイツとともに欧州連合の中核を担うなど、国際社会のなかで存在感を示してきました。また、フランス語は、国連などの国際機関で重視され、北米大陸、カリブ海、そしてアフリカにも広がる29か国で公用語となっています。当然、外交や通商などにおいてフランス語の重要さは今後さらにましていくでしょう。
そうしたフランスやフランス語圏は、豊かな文化活動を生み出してきた地域でもあります。文学・美術・音楽・映画などの芸術分野、さらには料理やファッションといった領域でも世界をリードしてきたのです。
最後に、法学部にとってもフランス語は大事な言語であることを強調しておきましょう。近代法を基礎づける諸概念はルソーやモンテスキューやヴォルテールに由来し、その伝統がフランス現代思想にまで続いていますし、フランスは何よりも人権宣言をいち早く発布した国でもあるのです。フランス語という鍵を手に、ぜひグローバル世界の扉を開いてください。
「エスパニョール(español)」はスペイン語でスペイン語のことです。なんとこのカタカナをそのまま読んで、エスパニョールとしてほぼ通じます!エスパニョールというレングア(言語)の母音はハポネス(日本語)とほぼ対応、つづりと音が一致しているため、「読み」と「発音」はハポネスを母語とする人にはファシル(簡単)です。だから入り口はムイ(とても)身近、その先の道はムイ短いとは言えませんが、歩み続ければ、広大な世界が待っています。エスパニョールが話されている土地はほとんどが、様々なレングアが混在する社会で、ほかのレングアとのメスクラ(ミックス)もエスパニョールの面白さの一つです。そしてエスパニョールそのものが、様々なローカル性を持つ、ムイ豊かなレングアです。そんな広大なエスパニョールの世界を歩み続けるコツは、とにかくムーチョ(たくさん)声に出すこと、ムーチョ言ってみることです。そして、エスパニョールはそれがムイ・ファシルなレングアなのです!
外国語なのに外国語のようではない中国語。外国語に見えなくても、勉強するためにはなかなか難しい中国語。中国語は、日本語とルーツをともにするコトバであるのに、歴史や文化を共有してきた言語であるのに、どうしてこうも日本語と異なるのでしょう。そもそも日本語とは何なのでしょうか?民族が異なるからなのでしょうか?政治が違うからなのでしょうか?その答えは、実はコトバのなかから見出せます。中国語を学習しながら、日本語とは何か、外国語とは何か、考えてみませんか。