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山城教授から皆さんへー法曹志望の人も、みんな頑張っていますよ。

法曹志望の人も、みんな頑張っていますよ。

法学部教授 山城 一真

私は、法学部で「民法」という科目を教えています。

法は、長い歴史をもち、また、私たちの生活のあらゆる場面に関わるものですから、これを理解することは、社会、国家、ひいては人間を理解することでもあります。民法は、そのなかでも、その歴史と扱われる範囲の広さにおいて、特に重要性の大きなものです。

……と、そういう話は入学後に取っておきましょう。

大学は、学生が自ら目標を立てて、社会へと出ていくための準備を整える場です。私も、法学部生が様々な目標をもって日々を送る姿をみてきました。

そこで、私も、夢や目標をもつ皆さんの力になりたいと念じる日々を送っていますが、皆さんの夢や目標はいろいろ。でも、私にできるのは、民法を教えることだけです。

かつては、法学部に入学する学生のなかでは、なんとなく法曹(裁判官、検察官、弁護士)を目指す人が多数派でした。けれども、いまでは、法曹を志望して入学する人は、おそらく少数派です。法学部でも、法曹になりたい人のためだけに授業をしているわけでは、決してありません。法的な素養をもって国内外で活躍する多様な人材を育てることが、法学部の役割だからです。

とはいえ、法曹になりたい人にとっては、法学部しか進路はないわけですよね。それならば、かりに少数派でも、そうした希望にも応える早稲田大学法学部でなければならないと、私は思っています。そういう人が目標に向かって努力する様子をみて、私も、自分にできることくらいは力になりたいと感じてきました。

そのせいか、私は、主専攻法学演習という20~30人規模の授業(「ゼミ」とよばれます)を担当していますが、そこには、司法試験を目指す人が多く集まっています。カリスマ講師でも何でもない私ですが、学生と議論し、雑談などもする日々を送るなかで、多くの学生が、民法の理解を深めて卒業し、夢を叶えるところをみてきました。いろいろな分野で活躍する卒業生の姿は、とても頼もしいですし、私が力になれたことが少しでもあったならば、望外の幸せだなと思います。

そのうえで、願わくは、「試験に合格したい」といった目標の先に、もっと大きな目標をもっていただきたい。昔、ドイツのエライ人が、法学を揶揄して、「パンの学問」、つまり食い扶持を得るための学問だと言ったそうです。それでは淋しいですよ。

法学の目標は、正義を追究することにあり、それは、社会、国家、ひいては人間を理解することにつながるのだという気持ちを、髪の毛の1本分くらいでももってほしいですね。

 

法学部教授 山城 一真(やましろ かずま)

北海道札幌北高等学校卒業
早稲田大学法学部卒業
司法修習生(59期)、早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程修了
[研究分野]  民法

 

※この記事は、2021年7月時点での情報に基づいています。

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