Graduate School of Law早稲田大学 大学院法学研究科

【学生インタビュー】社会経済の発展の中で「経済法」が果たす役割に魅了され、研究の道へ

社会経済の発展の中で「経済法」が果たす役割に魅了され、研究の道へ

民事法学専攻 博士後期課程 2023年4月入学 堀 隼大さん

巧妙化が進むカルテルへの法規制を研究

学部3年次に履修した必修科目をきっかけに、経済法に関心を持ちました。それまで経済法に対して抱いていた無機質なイメージが覆され、「経済の民主化」の過程の中で経済法が導入されたことを知り、この分野をさらに究めたいと思うようになりました。ゼミの指導教員である青柳由香教授が早稲田の法学研究科のご出身で、先生の勧めもあり早稲田への進学を選択しました。

近年、カルテル等の共同行為の手口が巧妙化し、企業同士が直接的に連絡を取り合うことなくカルテルが形成される実態があり、大きな課題となっています。修士課程では、この問題についてEU競争法を対象に比較法研究に取り組みました。博士後期課程に進んだ現在は、土田和博先生のご指導のもとで、今後より一層問題となるAI・アルゴリズムを介した共同行為に対する最も適切な法規制の在り方を研究しています。

考えを柔軟に持つことで、議論はより実りあるものに

修士課程では基本的に自分の研究だけに専念していたのが、博士課程に進んでからは研究会などでの報告の機会も増え、それらの準備と研究活動とのバランスの取り方に博士1年目は特に苦労しました。一方で、学会や研究会などを通して、研究の大先輩である先生方の報告から、研究の手法や結論の示し方など多くの示唆を得られ、貴重な学びの機会となっています。早稲田の海外ワークショッププログラムに参加してベルギーで研究報告をする機会もいただき、母国語でも容易ではない「人に伝える」ことを、外国語で行う難しさとやりがいを実感しました。

何ごとも決めたらやり抜く私の性格は、長所である半面、融通がきかないという短所でもありました。修士、博士と経験を積む中で、他者の意見に耳を傾けて視野や思考を広げる方が、より豊かで実りある議論ができると学び、考え方や行動に柔軟性が備わってきたと感じます。将来的には大学で教鞭をとりながら研究を続けることが目標です。研究活動を通して間接的に消費者の利益の保護に寄与したいという思いが日々の原動力となっています。

進学を検討する皆さんへのメッセージ

事件の複雑な事実関係を読み込んだり、数ある判例や学説を踏まえた上で自分なりの解を導き出したりと、法学研究は一歩一歩を積み重ねていく地道な作業が続きます。解決したい世の中の課題や、情熱を傾けて取り組める問題関心を自分の内に持っている人なら、このプロセスをポジティブに捉えて研究に打ち込み、やりがいや達成感を味わえるのではないでしょうか。私自身、法で規制できない現状の課題に対し「これはおかしい」「こんなことがあっていいのか」といった疑問や憤りが研究の原点にあります。

 

法学研究科 2024年3月インタビュー
インタビューに答えてくださった堀さん、ありがとうございました。

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