Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

その他

開かれた環境で、研究に取り組む。(日本語日本文学コース:大島茉莉さん)

私が日本語日本文学コースを志望した理由

私は上智大学文学部国文学科で近世文学を専攻し、前期読本の代表作とされる上田秋成『雨月物語』をテーマに卒業論文を執筆しました。卒業後は就職してパブリック・リレーションズを中心とした業務に携わっていました。しかし、就職してからも文学への関心は続き大学で学びたい思いが強くなってきたため、出産を機に退職し修士課程の受験を決めました。修士課程では夏目漱石を研究したいと考えていたので、近現代文学の研究環境が充実している早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文学コースを志望しました。

日本語日本文学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

日本語日本文学コースの近現代文学領域の修士課程には20名程が在籍しており、明治から現代までを対象にそれぞれのテーマについて研究をしています。基本的には穏やかな雰囲気ですが、1、2年生合同で行われる演習では互いに忌憚のない意見を出し合い、心地よい緊張感が生まれます。研究テーマによって主となる指導教員が決まりますが、指導教員に加え、専門分野のことなる複数の教授から丁寧な指導を受けることができるのは他大学にない大きな魅力だと思います。また、私の場合は一度就職し会社員等を経ての入学であり、現在は子育てをしながら在学していますが、なんら違和感なく日々の研究に取り組むことができる環境があると思います。

現在取り組んでいる研究

夏目漱石「夢十夜」を対象とした研究を行なっています。「夢十夜」は、明治41年に朝日新聞で連載された作品です。「こんな夢を見た。」という冒頭ではじまり、夢の枠組みの中で物語が展開されますが、現在の研究では漱石が実際にみた夢ではなく、創作として捉えることが一般的になっています。これまで主題についての論考はもちろんのこと、典拠研究、構造分析、文体論、精神分析批評、ポストコロニアル批評など、さまざまなアプローチで論じられてきました。これはいかなる研究・批評方法にもたえうる多面性と奥行きを持った作品であることの証左であり、私が魅力を感じ研究対象とした理由でもあります。私の研究では、形式・技法・生成過程など小説が「どう書かれているか」という側面から分析・考察を行うことにより、作品に新たな価値を見いだすことを目指しています。

修士課程での生活

修士課程1年次においては、日本語日本文学コース近現代文学領域の伝統ある研究誌『繍』への論文執筆が大きな課題となります。1年生はそれぞれ論文を寄稿した上で、自分たちで編集から発行までを担います。昨年度は新型コロナウィルス感染症の影響でオンライン作業が主となりましたが、これを通じて1年生同士の交流が得られましたし、自身の研究テーマを具体的に論文にしていく過程を学ぶことができました。現在は、修士課程2年に在籍していますが、講義や演習で基礎的な力を養いながら修士論文提出に向けた調査・執筆に励む日々を送っています。

プロフィール

埼玉県出身。上智大学文学部国文学科卒業後、就職。会社員等を経て、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文学コースに進学。現在、修士課程に在学し夏目漱石「夢十夜」をテーマに研究。

(2021年5月作成)

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