Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

その他

探求心にどこまでも応えてくれる、充実した環境(演劇映像学コース:金山咲恵さん)

私が演劇映像学コースを志望した理由

他大学学部生時、オペラや演劇などが盛んなウィーン(オーストリア)へ1年間留学したことをきっかけに演劇を深く学びたいという思いが強くなり、大学院進学を目指しました。大学では演劇を専門的に学んでいたわけではなかったので、改めて演劇学を体系的に学び直す必要性を感じていました。坪内逍遥の時代から続く演劇研究の歴史をもつ本コースであればそれが可能であると考え、志望しました。

また研究対象としては、作品そのものというよりも、社会と演劇の関係性など芸術社会学、文化政策学の方面に興味がありました。加えて、大学院修了後は学んだことを活かして就職したいとも考えていたので、より現場に近い研究室を探していました。そこで、研究分野として舞台芸術論に加え芸術社会学や文化政策学を掲げていらっしゃる上、戯曲の翻訳など現場に近いお仕事でも活躍していらっしゃる藤井慎太郎先生の研究室を志望しました。

演劇映像学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

本コースには日本演劇、西洋演劇、舞踊学、映画学の4つの異なる領域があり、所属する教員・学生の研究分野は多岐に渡っています。しかし共通しているのは、専門に囚われない幅広い知識と柔軟な思考力を持ち、理論と実践の往還を実現している方ばかりであることではないでしょうか。私は西洋演劇専攻でしたが、他専門の教員・学生と意見を交わす機会も多く、常に最先端の情報と議論に触れることができました。また外部ゲストを招いての講演会・勉強会が頻繁に開催されており、外に開かれた雰囲気のコースであるとも感じていました。

研究にかけた思い

修士課程はたった2年間しかないので、限られた時間の中で貪欲に学ぶことを目標に研究に取り組みました。演劇映像学コースだけでなく、他コースや他研究科の講義を受講することもありました。探求心にどこまでも応えてくれる、充実した環境が整っていました。

他には、修士論文の題材としてウィーン芸術週間という現行のフェスティバル(舞台芸術祭)を扱ったこともあり、現地でのフィールドワークを大切にしたいと考えていました。ウィーン芸術週間はオーストリアの首都ウィーンにて、毎年5~6月に開催されています。私は会期中の1ヶ月間現地に滞在し、作品観劇および関係者への聞き取り調査を行いました。また、フィールドワークの一環として日本のフェスティバル運営事務局でのインターンシップにも参加しました。このような現場重視の研究を尊重し、実現させてくれた本コースの環境に感謝しています。

修了後、修士課程での生活を振り返って

思えば、インプットだけでなく、アウトプットの機会を沢山与えていただきましたね。学内はもちろん、学会や他大学院生との合同合宿など、学外での発表と議論の場も頻繁にありました。その中で得られた情報収集力、分析力やプレゼンテーション能力は仕事でも活かされていると感じています。

ちなみに修了後は、劇場を運営する企業に就職することができました。まだまだ日々の仕事についていくのが精一杯で悩むこともあります。そんな中、大学院で出会った先生方、学生の皆さんには今でも支えていただいています。修士課程での生活で得られた一番の財産は、人との出会いかもしれません。このご縁を大切にしながら、演劇の力を社会に還元する一員となれるよう成長していきたいと思います。

プロフィール

京都府出身。横浜市立大学国際総合科学部国際総合科学科国際教養コース卒業後、早稲田大学大学院文学研究科演劇映像学コースに進学。在学中はオーストリアの文化政策をテーマに研究。修士論文の題目は「都市とフェスティバル ─演劇都市におけるウィーン芸術週間(Wiener Festwochen)の機能─」。修了後は株式会社明治座へ就職。1年間の産休、育休を経て職場復帰し、現在は総務部人事課に所属。劇場で働く人材の育成、働きやすい環境づくりに取り組んでいる。

(2021年2月作成)

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