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当たり前の先にある、さまざまな可能性(社会学コース:余沐子さん)

当たり前の先にある、さまざまな可能性(社会学コース:余沐子さん)
Posted
Thu, 08 Oct 2026

余 沐子(修士課程(社会学コース)在学生)

 

私が社会学コースを志望した理由

振り返ると、さまざまな方向性を試す中で、最終的に社会学を学ぶことに惹かれるようになったのが、志望した理由だったと思います。

大学4年生になるまで、親が用意してくれた「当たり前」の道に沿って歩んできました。大学では図書館情報学を専攻していましたが、あまり興味を持てず、既定の道を機械的に歩んでいるように感じていました。また、親の時代に合っていた考え方でも、今の時代にはそのまま当てはまらない部分があることに気づき、自分の進路や生き方について迷っていました。

一方で、高校時代から日本への留学を希望していましたが、親の反対もあり実現できませんでした。しかし、大学4年生の頃、これを人生を変える機会にしたいと考え、大学院への進学と共に、日本へ留学することを決意しました。

その後、日本に来て、大学院で専攻する分野を検討していた際、先輩から社会学を紹介され、初めてこの分野に触れました。「当たり前のことは必ず決まっているわけではない」という社会学的考え方は、当時の自分の心境と重なっていたのです。さらに、現在の指導教員の著書を読むことで、「人々の関係性は、個人間の関係だけではなく、社会の規範や変化の中で捉えられる」と気づき、物事の見方が大きく変わりました。その結果、早稲田大学大学院文学研究科社会学コースに進学することにしました。

こうした社会学との出会いは、迷っていた自分にとって軸となる考え方を定めたきっかけとなりました。

社会学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

社会学コースには、さまざまな分野を専門とする13名の教員がいらっしゃるので、常に異なる視点から学ぶことができ、新しい知的な刺激を受けています。研究室を指導の単位とすることが多い一方で、異なる研究室の間でも交流が多く、コース全体で先生方が学生を育てていくような雰囲気があります。先生方は研究に対して真剣に向き合ってくださり、さらに普段は温かく接してくださるので、安心して研究に取り組むことができていると感じます。

また、社会学コースでは、学生同士で研究について意見を交換する機会も多くあります。コースの先生方が参加される論文の報告会だけでなく、コースの学生を中心とした院生研究会も設けられています。そのため、さまざまな考え方に触れることができ、自分だけでは気づかなかったことを知る機会も多くあります。

研究にかける思い

高校時代から長い間、人間関係について考えてきました。そのきっかけの一つは、当時、身の回りで人間関係をめぐる揉め事が多かったことだと思います。そうした状況を見て、「人との関係の中で分断はいかに生まれるのか」「助け合うような関係はいかに築かれるのか」といったことに関心を持つようになりました。こうした関心は大学院に進学した現在も変わっておらず、修士論文では「他者に頼りにくい若者」をテーマに研究しています。

研究を進める中で、一つの問いに対して簡単に結論が出ることはほとんどありません。データ分析の結果が出た後に、予想とは違うことに気づくなど、さまざまな困難も出てきます。一方で、一つ一つの困難を乗り越えたときの嬉しさや、そのためにかけた時間や手間も、頑張り続ける励みになっています。また、文献を読みながら考えたり、リアルな社会で生きている人々と話したりする中で、社会現象に関わるさまざまな可能性について考えることができます。研究を通じて、自分自身の考え方も「再帰的」に更新されていくところに、社会学研究の面白さを感じています。

修了後の予定

修士課程を修了してから、社会学コースの博士後期課程に進学する予定です。修士課程では、社会学コースや研究室の雰囲気に慣れる中で、研究を諦めたくないという気持ちも改めて感じました。

修士課程での学びを通して、「何をもとにそう言われているのか」「なぜ多くの人が同じような行動を取るのか」など、身近な出来事に対しても新しい問いが生まれるようになりました。一つの問いについて考え始めると、さらに別の問いが生まれ、それを明らかにしたいという気持ちも強くなっています。修士論文では「他者に頼りにくい若者」をテーマに研究していますが、研究を進める中で新たに生まれた問いについても、博士後期課程でさらに考えていきたいです。修士課程で得た学びや、人々との交流を生かしながら、人の関係性を中心に研究を続けていきたいと考えています。

プロフィール

中国出身。中国の大学卒業後、早稲田大学大学院文学研究科社会学コースに進学。「他者に頼りにくい若者」をテーマに研究中。

(2026年10月作成)