Graduate School of Letters, Arts and Sciences早稲田大学 大学院文学研究科

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少しずつわかることが増えていく(美術史学コース:米本友梨江さん)

米本友梨江(修士課程(美術史学コース)在学生)

 

私が美術史学コースを志望した理由

もともとは創作をすることが好きで美術に関わることを学びたいと思い、学部から 美術史コースに進学しました。学部の間は各時代の日本美術や中国美術、東洋の仏教美術や西洋美術を広く学べてとても楽しかったです。展覧会で作品を見る時もコースで学んだ「もの」を見る視点で作品と向き合うことができるようになりました。美術史で扱うものはどれも人間がその手で創ったものですので、生きている時代も地域も違う制作者と直接交流をしているような感覚が持てます。

学部では相当広い範囲の美術に触れられましたが、同時にあまり目を向けられていない地域があることに気づき、中でも東南アジア、特に自分のルーツでもあるミャンマーに注目しました。ミャンマーは仏教国なのでミャンマーの美術というと仏教美術を指すことがほとんどだと思いますが、ミャンマーの仏教美術史は日本での研究史がとても少なく、東南アジアの美術という大きなくくりで概要的に語られることがほとんどです。今でも国民の大半が仏教を信仰し、インドと中国の間に位置しているミャンマーの仏教美術を知ることは必要なことだと思い、大学院も美術史学コースに進学して自分で研究することにしました。

美術史学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

学生同士はもちろん先生方とも距離が近いので、私自身、学部の時から大学院の先輩方や先生方にたくさんのこと教えていただき、今は院生として学部の方たちと関わらせてもらっています。またコース室は人の出入りが多いので、コース室にいるだけで自ずといろいろな人 と関わることになります。専門が異なる人同士の交流も多くなるため 、視点の異なる意見をもらえます。私はコース室でお昼ご飯を食べたり おやつ休憩をしたりしながら談笑する時間が好きです。

研究にかける思い

ミャンマー仏教美術のなかでも仏像を専門としていますが、研究があまり進んでいない分野であるためどうしても手に入る資料が少ないものの、新しいことを知るたびに着実な一歩を踏めているような気がしています。また、日本より研究の進んだ海外でも学びたいため 留学を予定しています。留学先でより知識を深め、海外での研究状況を認識し、日本でその成果を出したいと考えています。

日本の機関に所蔵されているミャンマーの仏像は東南アジア美術の一環として扱われていて、ミャンマー仏教美術史の中での位置づけはわからないものがほとんどです。私の研究が、多くの民族が混在するミャンマーの仏教がどのような美術を生んできたかについて理解を深めるための足掛かりになったらうれしいです。

修了後の予定

博士後期課程に進み、研究を進めて地盤を固めたいと思っています。同じ分野の研究者は日本では本当に少なく、私が今研究している段階で困難が伴っているので、今後ミャンマーの美術を研究したいと思った人が日本語で論文を読むことができるようするのも目標です。また、ミャンマーの美術史を知ることは自分を知ることにもつながるのでやりがいを感じています。まだまだ半人前ですが、先生方や先輩後輩の力を借りながら立派な研究者として成長していきたいです。

プロフィール

茨城県出身。早稲田大学文学部美術史コース卒業後、早稲田大学大学院文学研究科修士課程美術史学コースに進学。在学中はミャンマーの仏像をテーマに研究。

(2023年3月作成)

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