ベント勇亮ヘンリー(修士課程(日本語日本文学コース)在学生)
私が日本語日本文学コースを志望した理由
大学で教鞭をとっている父の影響もあり、研究職に憧れを抱いていた私は、漠然と大学院進学を意識して大学生活を送っていました。そんな中、縁あって逆井聡人先生(現東京大学准教授)のゼミに所属することになり、次第に日本文学研究と占領期研究に関心を持ち、卒業後も「日本文学」と「占領期」を題材とした研究を行いたいと思い始めました。逆井先生の勧めもあり、多くの優れた研究者が所属し、日本文学研究は勿論のこと、占領期に対する研究も盛んな早稲田大学大学院文学研究科の日本語日本文学コースへの進学を志望しました。
日本語日本文学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流
コースの雰囲気は、私のように大学院から早稲田に進学した者にとっても、馴染みやすく、大変和やかです。
近現代文学の領域では、留学生を含め25名前後が在籍しており、演習などには他コースの方や博士後期課程の方が参加することもあります。比較的大所帯ではありますが、異なる視点の意見に触れる機会が多く、自身の研究への理解を深めることができます。幅広い研究テーマを持った学生が集うため、その交流を通して興味の幅が広がるのも大きな魅力です。
近現代文学の領域では、指導教員となる先生を中心に複数の先生方による指導体制がとられているため、学生・教員間の交流も盛んです。多くの先生方に研究を見ていただけることは大変貴重で、何よりも、研究を進めていくうえでこれほど心強いことはありません。また、先生方は、研究についてだけでなく、進路等についても懇切丁寧にご指導くださいますので、心細く思うようなことも全くありませんでした。
研究を行う上で心がけていること
研究を行う上では、従来関心が寄せられてこなかった作品にも目を向けることを心がけています。
私が具体的な研究対象としている探偵小説雑誌『宝石』では、横溝正史の『本陣殺人事件』や高木彬光の『能面殺人事件』など、今日でも多くの読者に親しまれている作品が発表されましたが、その陰には、そのように脚光を浴びずに忘れられていく作品も数多く存在します。そのような作品にも目を向けることで、これまで見えてこなかった新たな発見が生まれます。様々な資料にアクセスしやすくなった現代だからこそ、着目されてこなかった作品にスポットライトを当てる研究に取り組んでいきたいと思っています。自分の研究がそうした作品の再評価に繋がればこの上ない喜びです。
修了後の予定
4月より文学研究科の国際日本学コース博士後期課程へと進学し、修士課程で行った研究を継続する予定です。日本語日本文学コースで得た学びを踏まえ、国内外に向けて新たな問題提起ができる研究者を目指し、日英両言語による研究活動を展開していきたいと思います。
プロフィール
長崎県出身。東京外国語大学言語文化学部卒業後、早稲田大学大学院文学研究科日本語日本文学コースに進学。在学中は占領期の探偵小説雑誌について研究。修士論文の題目は「探偵小説雑誌『宝石』の一九四六年」。
(2023年3月作成)