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自分の「物語」を描くーA ”Tale” of One’s Own(国際日本学コース:小林未來さん)

自分の「物語」を描くーA ”Tale” of One’s Own(国際日本学コース:小林未來さん)
Posted
Thu, 08 Oct 2026

小林未來(修士課程(国際日本学コース)在学生)

私が国際日本学コースを志望した理由

幼少期から平安文学が好きで、専門的に学ぶことが夢でした。早稲田大学文化構想学部国際日本文化論プログラム(JCulP)でその夢は叶いましたが、学びを深めるほど「まだ学び足りない」という想いが膨らんだのです。思い描いていた場所にやっと辿り着いたのに、もう終わってしまうのかと残念に思いました。特に私の世代は、新型コロナウイルスの影響で授業がオンラインになったり行事が中止になったりと、学生生活を制限しなければならないことが度々ありました。そのような度重なる想いから、大学院進学を決意しました。研究の基礎を培う環境があり、日英両言語で国内外に開かれた研究活動ができるという点に心惹かれ、国際日本学コース(Global-J)を志望しました。

国際日本学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

コースの雰囲気は和気藹々としています。人数が少ない分、学生同士の結束力があり、講義後に勉強をしたり休日を一緒に過ごしたりと、学外でも交流があります。公私共に理解し合える良い仲間たちに出会えたことは一生の財産です。また、学生と先生の距離も近く、先生方にはいつも親身になって研究指導をしていただいています。

国際日本学コースにはアメリカ、イタリア、エジプト、カナダ、シンガポール、ジョージア、スペイン、中国、ドイツ、ブラジル、リトアニア、ロシアなどの国や地域から、さまざまな研究テーマを持つ学生や研究者たちが集い、交流も盛んです。年齢も経験も異なる学生が集うので、講義では多種多様な意見が飛び交い、入学当初は圧倒されることもありました。しかし、大学院生の時から幅広い視点を培えることこそ本コースの醍醐味ではないでしょうか。専門分野内外に目を向け、学びという広大な草原を認識し自らの問いに挑むことや、自分の研究が日本だけではなく世界でどのような価値があるのかを、多彩な機会と経験に恵まれたことで考えるようになりました。

研究にかける思い

私は『源氏物語』の古注釈書を研究対象としており、修士論文では慶福院花屋玉栄による『源氏物語』の注釈書類について執筆しています。玉栄は中世末から近世初頭にかけて生きた女性で、他の女性・初心読者のために『花屋抄』や『玉栄集』を著した人物として知られます。『源氏物語』は鎌倉・室町期に学問としての重要性を帯びますが、研究の主幹は男性学者たちが担っていました。このような状況下で、彼女の作品は、数少ない女性による女性のための書として際立つのです。研究は日英両言語での活動を心掛けています。クリストファー・リーブズ先生と由尾瞳先生に指導を受け、日本語日本文学コースの陣野英則先生の演習(陣野ゼミ)にも出席しています。先月、陣野ゼミの夏合宿にて研究発表会を終えたところです。また、日本文学翻訳者として著名なメレディス・マッキニー先生(オーストラリア国立大学名誉准教授)の『源氏物語』読書会に参加するなど、学内外の研究者とも交流を持ち、学術的なご指導をいただいています。今後も女性が『源氏物語』をどのように学び、読み繋いできたのかということに注目し、日英両言語で課題に励むつもりです。

これからも研究を通して自分の「物語」を描き続けたいと思います。

プロフィール

東京都出身。早稲田大学文化構想学部国際日本文化論プログラム(JCulP)卒業後、同大学大学院文学研究科国際日本学コース(Global-J)に進学。慶福院花屋玉栄による『源氏物語』の古注釈書をテーマに研究中。

(2026年10月作成)