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1つ1つの出会いを大切に(東洋史学コース:小川清香さん)

1つ1つの出会いを大切に(東洋史学コース:小川清香さん)
Posted
Thu, 08 Oct 2026

小川清香(修士課程(東洋史学コース)在学生)

 

私が東洋史学コースを志望した理由

私が専門としているのは、朝鮮古代史です。高句麗・百済・新羅といった国々が朝鮮半島に鼎立して勢力を争い、最終的に新羅が朝鮮半島を統一していく時代を扱っています。

中学生の時に見た「善徳女王」というドラマをきっかけにこの時代に関心を持ち、大学入学後でも勉強してきました。そして卒業論文では7世紀に新羅で政変が発生した背景について執筆しました。執筆中、「これはどういうことなんだろう?」「この通説は合っているのか?」といった様々な疑問が湧いてきました。学部時代は日本史専攻の一部として朝鮮半島について学んでいたこと、また卒業論文だけでは扱えない内容もあったことから、大学院に進学して、朝鮮史を専門として研究することを考えるようになりました。

そこで真っ先に頭に浮かんだのが、早稲田大学の文学研究科東洋史学コースでした。現在の指導教員である植田喜兵成智先生をはじめ、李成市先生や橋本繁先生など、これまでに朝鮮古代史の研究者を多く輩出しているコースです。学部時代の指導教員に仲介いただき、学部4年次から植田先生の授業に参加するようになりました。難しい内容もありましたが、中国史や日本史を専門とする学生も参加して活発に議論している様子が印象に残りました。この場所でなら自分の関心を深められると思い、東洋史学コースへの進学を決めました。

東洋史学コースの雰囲気、教員・学生などとの交流

東洋史学コースの特徴は、留学生が多いということだと思います。在籍する大学院生の半数以上が中国や韓国からの留学生です。そのため中国語や韓国語、時にはモンゴル語も聞こえてきます。このように専門とする国も時代も全く違う人たちが集まっていますが、研究する時は集中し、終わったら皆で食事に行きます。ゼミの垣根を越えた交流も多く、互いに高めあうことが出来る環境です。

研究にかける思い

私は三国の争いを制して朝鮮半島を統一した新羅の政治史を専門としています。特に新羅の宰相制度に注目しています。宰相というのは、一般的に君主を輔弼する最高官職のことを指します。新羅にも宰相制度があると考えられてきましたが、その根拠となっている史料を注意深く検討してみると、本当に宰相制度があったのか疑わしいことに気が付きました。そのため、新羅には宰相制度が存在したのか、存在していなかったのであれば、新羅ではどのように政治が運営されていたのかを研究しています。

朝鮮古代史は、残っている史料が限られているためわかっていないことも多く、研究も難しいです。だからといって飛躍した想像で歴史像を描いていいわけではなく、あくまでも史料に基づいた解釈をしなければなりません。私が研究している新羅の宰相制度については、扱う史料の種類が多岐にわたります。しかしそれぞれの史料の特性を踏まえず検討を進めている点が、これまでの研究の大きな問題であると考えています。文献史料だけでなく碑文なども用いながら、史料に基づいて多角的に研究を進めていきたいです。

修了後の予定

修士課程修了後は一度就職したのち、博士後期課程に進学することを考えています。

現在日本で朝鮮古代史を専攻する先生・学生は少ないです。その理由はさまざま考えられますが、朝鮮古代史に関心を持つ人が少ないのが一番の原因ではないでしょうか。朝鮮半島の歴史で有名な時代と言えばやはり朝鮮王朝時代で、ドラマなどの舞台にもよくなっています。その一方、私は朝鮮古代史を舞台にした作品に引き込まれました。俗っぽい言い方かもしれませんが、これは何かの運命ではないかと感じています。

朝鮮古代史という分野に出会えたこと、そしてこの分野を研究する際に出会った多くの方々や経験に感謝して、これからも研究に励んでいきたいと思います。

プロフィール

長野県出身。立教大学文学部史学科卒業後、早稲田大学大学院文学研究科東洋史学コースに進学。主に新羅の政治史を研究。修士論文の題目は「新羅における宰相の実態(予定)」。

(2026年10月作成)