- 学部について
- 学部長挨拶
From the Dean
学部長挨拶

文化構想学部長 小塩 真司
文化構想学部という名前を初めて目にすると、「なぜこのような学部名なのだろう」と感じる人がいるかもしれません。そもそも「文化を学ぶ」ことと、「文化を構想する」ことは、何が違うのでしょうか。
文学部が、それぞれの専門分野を深く掘り下げ、その学問の考え方や方法を体系的に身につけることを重視するのに対し、文化構想学部では、ひとつの問いをさまざまな学問の視点から考えることを大切にしています。これら2つの学部は、学びの組み立て方が異なるのです。現代社会には、一つの専門だけでは答えを見いだせない問いが数多くあります。こうした問いに向き合うためには、多様な学問を往復しながら考えることが必要になります。
ここで重要になるのが、「知を編集する力」です。編集とは、異なる分野の知識や考え方を選び、それらを結びつけ、新しい意味や新しい視点を生み出すことです。文化構想学部には、人文学から社会科学、芸術にわたる幅広い分野の研究者が集まっています。しかしその価値は、選択肢が多いことよりも、多様な知識の中から自らの問いに必要なものを選び、組み合わせ、一つの学びへと組み上げていくことにあります。文化構想学部では、1年次に学びの基礎を固めたうえで、2年次から6つの「論系」のいずれかに所属します。それぞれの論系は、まさに自分なりの知を編集する場となるのです。
ただし、それは容易なことではありません。文化構想学部は「自由なカリキュラム」と紹介されることがあります。文化構想学部と文学部は、多くの授業を「ブリッジ科目」として共有しており、両学部あわせて1,000を超える科目が開かれています。一見それは、好きな授業を好きなだけ選べるように見えますが、目的を持たずに授業を履修すれば、知識は断片的なままです。しかし、「自分は何を知りたいのか」「その問いを考えるためには、どのような知識や方法が必要なのか」を考えながら授業を選べば、一つひとつの学びがつながり、自分だけの知が形づくられていきます。その試行錯誤こそが、文化構想学部で得ることのできる経験です。
文化構想学部が目指す「構想」とは、まだ存在しない未来を思い描くことを意味します。文化とは、人々が新しい価値や表現を生み出し、それが社会に受け入れられることで、絶えず更新されていくものです。新しい文化の可能性は、皆さんの手にかかっています。文化構想学部という名前は、「これからの文化を構想してみませんか」という呼びかけでもあるのです。