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早稲田大学国際シンポジウム「ウクライナ現代アート――歴史において芸術は何をなすのか」
Dates
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SUN 2026- Place
- 早稲田大学早稲田キャンパス29号館203教室
- Time
- 13時45分〜16時15分
- Posted
- 2025年12月15日(月)
<概要>
2022年2月のロシアによるウクライナ全面侵攻開始から4年。2014年のクリミア侵攻からは12年が経とうとしています。今、ウクライナの芸術家たちは、何を思い、何を表現しているのでしょうか。ウクライナの芸術家ニキータ・カダンとダナ・カヴェリナは、共に、現在の戦争を主題としながらも、人類の歴史における暴力全体について問いかける作品を制作してきました。戦争が続く現在、あえて歴史に立ち戻り、俯瞰的な視点と未来への展望を得て、時や場所を超えて人類と繋がっていくこと――カダンとカヴェリナの作品は、戦時における芸術の様々な可能性を提示しています。
本シンポジウムでは、芸術と戦争、現代社会における芸術の役割、現代美術におけるユダヤなどの主題について、ウクライナから来日した両作家が自作に基づいて講演を行い、映画研究者・美術研究者等が講演、解説を行います。
また、現在のウクライナにおける人々の境遇、戦争、死と再生を描いたダナ・カヴェリナの短編映画“Such a Landscape”(2024 字幕:梶山祐治)を上映します。ご関心をお持ちの皆様のご来場をお待ちしております。
なお、ニキータ・カダンのキュレーションによるウクライナのアーティストによるグループ展「亀裂を見つめてⅢ」が代官山のアートフロントギャラリーで2026年2月6日(金)〜 3月19日(木)に開催され、2月6日には早稲田大学との共催でトークと上映会が開かれます。ぜひそちらもあわせてご覧ください(アートフロントギャラリーでのトークと上映会は下記のリンクより要予約)。
- 日時:2026年2月8日(日) 13時45分〜16時15分
- 場所:早稲田大学早稲田キャンパス29号館203教室
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1丁目2−5
- 登壇者:ニキータ・カダン(作家)、ダナ・カヴェリナ(作家)、梶山祐治(筑波大学)、鴻野わか菜(早稲田大学)、岡田陽奈(早稲田大学文学部学生)
- 入場無料・予約不要
- 言語:日本語(ウクライナ語・英語からの日本語への逐次通訳を含む)
- 問い合わせ先:鴻野研究室 [email protected]
- シンポジウム登壇者略歴
ニキータ・カダン
1982年キーウ生まれ。2007年に国立美術アカデミー(キーウ)を卒業。キーウ在住。ペインティング、インスタレーションなど様々なジャンルで制作し、PinchukArtCentreなどを受賞。2015年のイスタンブール・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレ、2018年の釜山ビエンナーレ、2024年の大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭2025等で作品を発表してきた。
カダンにとって、歴史と美術史は創作と思索の源泉である。カダンが8歳だった1991年、ソ連は崩壊しウクライナは独立するが、ソ連という歴史、記憶とどのように向き合うかは、作家にとって大きな課題であり続けている。2014年のロシアのクリミア侵攻以来、戦争も創作の主要な主題であるが、カダンは生々しい戦争の状況を、時に象徴的な方法を用い、静謐な作品に昇華させる。ウクライナ現代美術を牽引し、2025年のArtReview Power 100に選出された。
ダナ・カヴェリナ
1995年ウクライナ・メリトポリ生まれ。キーウ工科大学卒業。リヴィウ在住。主にアニメーションや映像を中心に、インスタレーション、絵画、グラフィックスなどの手法も用いる。軍事的暴力や戦争を被害者の立場から捉え、歴史と個人のトラウマ、記憶の齟齬を探求する作品を制作。映画『キジバトへの手紙』(2020)はニューヨーク近代美術館に所蔵され、同館の「シグナルズ:映像が世界を変えた方法」展や、e-flux「戦争と映画」プログラムでも上映された。アニメーション『花と語りあったマーク・チューリップ』(2018)はオデーサ国際映画祭で審査員特別賞、KROK映画祭でグランプリを受賞。The Kyiv Perennial(ウィーン)、第60回ヴェネチア・ビエンナーレ、2024年の大地の芸術祭等に参加。第7回PinchukArtCentre Prizeを受賞。
梶山祐治
筑波大学准教授。ロシア・ウクライナ・中央アジア映画研究。東京外国語大学卒業後、ロシア国立人文大学大学院留学を経て、東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。ウズベキスタンの世界経済外交大学常勤講師などを経て、現職。著書『ウクライナ映画完全ガイド』(パブリブ、2024年)、『中央アジア映画完全ガイド』(パブリブ、2025年)。ウクライナ映画についての論文に、「ウクライナ映画を立体的に見る──オレフ・センツォフとセルゲイ・ロズニツァを軸として」赤尾光春、原田義也編『ウクライナ文化の挑戦:激動の時代を越えて』(幻戯書房、2025年)所収など。
鴻野わか菜
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。東京外国語大学卒業後、東京大学大学院、ロシア人文大学大学院修了。PhD、博士(文学)。著書に『生きのびるためのアート 現代ロシア美術』(五柳書院)、共編著に『カバコフの夢』、『さまよえる星 カバコフの夢II』(現代企画室)、『現代ロシア文学入門』(東洋書店新社)、訳書にマリーナ・モスクヴィナ『てぶくろくんのおはなし』(現代企画室)など。ウクライナ美術についての論文に、「戦時の美術表現――現代ウクライナ作家の軌跡」赤尾光春、原田義也編『ウクライナ文化の挑戦:激動の時代を越えて』(幻戯書房、2025年)所収など。展覧会の企画や監修にも関わる。
岡田陽奈
早稲田大学文学部ロシア語ロシア文学コース4年。卒業論文のテーマは、「トルストイ『戦争と平和』におけるピエールの旅路を追って——人をобразоватьするとはどういうことか」。授業などでダナ・カヴェリナ、ニキータ・カダンの作品を講読。
- キャンパスマップ
https://www.waseda.jp/inst/student/assets/uploads/2020/08/15_campusmap_2020.pdf
- 参考リンク
・ウクライナのアーティストによるグループ展「亀裂を見つめてⅢ」とトーク・上映会(アートフロントギャラリー)
・ニキータ・カダン サイト
・戦争中も文化は続く。ウクライナの作家ニキータ・カダンの軌跡【シリーズ】ウクライナ侵攻から2年、アーティストのいま(1)Tokyo Art Beat
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/nikita-kadan-insight-202402
・全面侵攻から3年、ウクライナのアーティストはいま[前編]:瀬戸内国際芸術祭2025に参加、ニキータ・カダンが示す戦争と芸術 Tokyo Art Beat
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/ukranian-artists-insight-01-202503
・ダナ・カヴェリナ サイト
https://sites.google.com/view/danakavelina/home
・「全面侵攻から3年、ウクライナのアーティストはいま[後編]:ダナ・カヴェリナ/ユーリー・レイデルマン、現代作家が伝える戦争、トラウマ、生と死」Tokyo Art Beat
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/ukranian-artists-insight-02-202503
<配慮が必要な方へ>
文字通訳、手話通訳、場内誘導、座席の確保、お子様連れでの参加等について配慮をご希望の方は、原則として開催日の4週間前までにご希望の内容をお知らせください。ご相談のうえ、できる限りの対応を検討させていただきます。
