School of Education早稲田大学 教育学部

【数学科】大学に入ってから学んだ高校とは違う数学の魅力

科目情報

  • 科目名 :位相空間論
  • 科目区分:2年必修
  • 執筆者 :林 萌愛(数学科)

大学に入ってから学んだ高校とは違う数学の魅力

私は特に2年必修の「位相空間論」がとても興味深い科目です。この科目はかなり抽象度が高く、その都度新たな定義と考え方を学びながら課題を解いていく授業でした。この科目を始めたばかりの時は感覚を掴むのに苦戦し、毎週アドバイザー制度という大学院生に質問できる場を使い、イメージや解く時のプロセスを教えていただきました。授業を受けている時にはその課題の多さと難しさがかなり負担だったのですが、一度その壁を登ってしまうと、その掴んだ感覚が次の講義で大いに生かされ、理解の深さが他の数学の分野でも大いに生かされていったのです。また、大学の数学は様々な分野に分かれていますが、私はこの科目を通して、初めて分野を超えて考えがつながっていく数学の姿にも魅力を感じ始めました。今では暇な時間があると、過去の数学者が考えを思いついた根本の発想や、今まで学んできたことをより詳しく学ぼうと数学系の本をひたすらに読んでいます。また数学の教師を目指してもいるので、この数学の魅力を中学生にも伝えられるようにしたいと思い、面白い発想が書いてある参考書を読んたりしています。
私はこの科目を通して、数学の奥深さとともに、それぞれの個性によって違った見え方だったり、違った感覚を掴んだりする数学は、自分の個性を学問にも組み込んでいける、自分の学問に作り上げられるものだと感じています。だからこそ、数学にもっと触れて対話をし、数学世界の中での個性を磨いていくことが本当に楽しいのです。皆さんもこんな数学の世界に一歩踏み入れて、自分の“個性“を磨きながら魅力を感じていただけたらと思います。

オンライン授業の位相空間のノート一部

受験生の皆さんへ:高校での勉強習慣や癖が、大学で大いに反映される

私は一般受験で早稲田大学へ合格しました。高校生の自分は当初、周りの友達よりも勉強の量を増やし、時間的には無理をしてでも作ってひたすら勉強していました。
皆さんに伝えたいことは、大きく2つです。一つ目は、大学では受験勉強の時と同じほどの努力をし続ける必要があるということです。
私は努力の量を増やすことでなんとか合格したため、入ってからついていくことがかなり大変でした。周りは中高一貫の私立出身の方が多く、今まで公立学校で学んできた自分にとってはついていくのに精一杯。高校では数学は得意科目としていたものの、大学ではとても苦手意識を持ってしまいました。だからこそ、課題にかける時間も周りの人より多かったと思います。わからない分授業後に大学院生へ質問へ行ったり、新しく本を買って読んでみたり、とにかく自分はできないから頑張ろうという思いでいっぱいでした。しかし、その経験が生きてより深い学びにつながり、では上記に記したようにむしろ大学数学の魅力を感じられるまでになりました。
二つ目は、一つ目の結果から学べたことですが、大学で苦手なことや嫌なことに時間をかけて正面から取り組むことができれば、必ず他の大きな学びにもつながっていくということです。だからこの受験生の時に、懸命に取り組む癖をつけ、それを大学でもぜひ実践してほしいということです。
私は大学はもっと楽だと思っていましたが、実際は教職を取るとかなり課題が多く忙しくなってしまいました。しかし、今までの努力する癖により、数学の課題などにも必死についていったおかげで「大学で何を学んだのか」「なぜ大学へ来ているのか」という問いに対し、学問分野にとどまることのない、今後の人生に活かせる明確な答えを持つことができるようになりました。大学でできること、それは自分自身に目を向けて、今後の人生にも生かしていけるような自分を伸ばしていく自己投資をすることだと感じます。どの大学へ行っても大きな学びができる機会はたくさんあるので、どこを受験するかを決めたら、後は目の前のことに懸命に取り組む癖をつけておいたらいいかと思います。
もちろん大学に行ってから勉強をしなくなる人もいます。していた人がしなくなるのは簡単ですが、していなかった人がいきなり大学で勉強し始めるのはかなり大変です。だからこそ、今は勉学に懸命に取り組んでみてください。あなたにしかできないあなた自身のための大学ライフが送れることを、心から願っています。

早稲田大学 教育学部 数学科2年
林 萌愛

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