School of Education早稲田大学 教育学部

「大学は生涯、ニーズに合わせた学びを続けられる場所」 ヤマヒロ株式会社 山口寛士さん

Rising Star 挑戦者たち

学生生活を通して得た視点や能力を生かし、最前線で活躍する学生と校友を紹介します。

今回は文学部4年の井上はるかさんと、ヤマヒロ株式会社の山口寛士さんに、大学での学びや経験、社会とのつながりを語っていただきました。cn224_yamaguchi

ヤマヒロ株式会社 代表取締役社長 山口寛士さん

2000年早稲田大学教育学部卒業。米国ベロイト大学に留学後、富士通株式会社に入社。営業を4年間担当した後、2006年ヤマヒロ株式会社に入社。2013年から現職。休日は家族と過ごしたり、映画鑑賞もするが、休み返上で仕事に励む日も。「忙しいけれど、目標を共有し、一体感のある会社で働けるのは幸せです」

いつまでも夢をもち学び続けることで業界に新風を吹かせたい

ガソリンスタンドを中心に、自動車整備、損害保険代理店業などの事業を展開するヤマヒロ株式会社。父から会社を受け継いだ3代目の山口寛士さんは、社長になってから友人の勧めで早稲田大学大学院の科目等履修生となり、そこでの学びをきっかけに会社の経営を進化させた。「大学を卒業したら大学に行くのは終わり、ではない。大学は生涯、ニーズに合わせた学びを続けられる場所だと知りました」と語る。

部活動に打ち込んだ学生生活を終え、2年の米国留学を経て富士通株式会社に入社。当初は「この会社で成果を出す」と、家業を継ぐことは考えていなかった。ヤマヒロを継ぐきっかけは2005年、日本出版販売株式会社を担当した時だった。同社は「従業員一人ひとりが『自分たちが日本の出版物流を支えるんだ』というミッションの下に一体となり、一生懸命働いていた。こんな雰囲気の会社で仕事をして、経営に携わりたいと思わせてくれました」。家業でそれを実現したいという思いが強まり、ヤマヒロへ転職。店長や採用担当を経て、2013年には社長に就任。「理念を持って、一体感のある会社にしようと目標を掲げました」

しかし、「その価値観を従業員となかなか共有できなかった。自分の考え方も未熟だった」という山口さん。統制をとろうとすればするほど仕事から気持ちが離れていく従業員もおり、悩む日々が続いた。

サービスステーションで従業員と。日々現場で従業員と言葉を交わすことも経営品質向上の一環だ。

サービスステーションで従業員と。日々現場で従業員と言葉を交わすことも経営品質向上の一環だ。

そこで出会ったのが、元三重県知事の北川正恭名誉教授の授業だった。科目等履修生として受けた授業では「お客様本位・独自能力・従業員重視・社会との調和」を重視して経営する「経営品質」という考え方が説かれた。山口さんは、「学生の頃に習っていても、北川先生の授業の内容から気付きは得られなかったでしょう。私たちの業界で、経営品質に価値を置く会社はまだ少ない。ヤマヒロが経営品質の理念の下、新しいガソリンスタンド業を目指そう、と思いましたね」。会社の目標は変えずに、行動指針をその考えに基づき大きく改革。従業員との勉強会で経営方針も徹底して共有した。従業員全員が向かうべき目標を理解したことで業績にも効果が表れ、取り組みから2年が経った現在は、前年比120%の成長を遂げている。さらに、顧客価値による経営革新が社内に浸透してきていることから、「日本経営品質賞」の受賞も目指している。

しかし、賞の受賞ではなく、「会社が追い求める夢はさらに先にある」と山口さん。「経営品質向上に取り組む先駆けとなり、業界の新たな時代を切り開いていきたい。ヤマヒロの従業員が、その過程で得た知見でコンサルタントとして、今後の業界をさらに進化させていくなんて夢がありますよね」。大きな夢に向かい、従業員とひとつとなって進んでいる。

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