教育・総合科学学術院の石井仁司教授が、アメリカ数学会(American Mathematical Society, AMS)初代フェローに選出されました。
今年創設された同学会のフェロープログラムは、数学分野の新領域創造や発展、振興、伝達、活用などに顕著な貢献をしたメンバーを表彰するもので、優秀な数学者の輩出を促進し、社会において数学者がリーダーシップを発揮するサポートをすることなどを目的としています。各フェローには、新たなフェローの選出のほか、卓越した数学者の代表としての公式活動、同会理事長への助言などの責務を果たすことが期待されています。
なお、今回選出されたフェローは、2013年1月に開かれる同学会およびアメリカ数学協会(Mathematical Association of America, MAA)の合同会合の席上で正式に任命される予定です。
石井教授のコメント
今回アメリカ数学会において、フェローという制度が創設され、約1000人程の会員がフェローになり、私もその中の一人としてフェローになることが出来ました。このフェローに招待されるための条件として、ICM(国際数学者会議)あるいはICIAM(工業数学・応用数学国際会議)において招待講演者となっていればよいということで、私の場合には、この条件が満たされていたという幸運に恵まれました。今回、特に私のどの研究が評価されて、フェローに選ばれたという訳ではありませんが、この30年ほどの間、微分方程式の粘性解理論とその応用を研究しており、これが認められてICMやICIAMでの招待講演があったわけで、その延長上でのフェローへの招待と理解しております。フェローの目的からすれば、数学者の役割を学内的にも学外的にもより高めることが期待されております。この点はなかなか個人的には難しいところですが、より努力したいと考えているところです。