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多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス「シュールとリアル」動画作品配信

本動画作品の配信期間は終了いたしました。

 

2020年度多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス「シュールとリアル」をご覧いただきありがとうございます。下の画像をクリックすると動画が再生されます。
※公開期間 1116日(月)18:30  1231日(木)。ただし、予告なく、公開を終了する場合があります。あらかじめご了承ください。
※動画のダウンロードや再配布など著作権を侵害する行為は固く禁じます。

オンライン開催に寄せて

みなさん、こんばんは。本日は「多和田葉子&高瀬アキ パフォーマンス<シュールとリアル>」をご視聴いただき、ありがとうございます。

作家の多和田葉子さんと、ジャズピアニストの高瀬アキさん。ともにベルリン在住のお二人は、約20年前から、朗読と演奏を組み合わせたパフォーマンスを世界中で披露してこられました。やがて、秋に来日されて公演されることが定番となり、早稲田大学でも2009年以来、お二人をお迎えするようになりました。お二人の息の合ったパフォーマンスを見聞きさせていただくだけではなく、学生たちを交えた即興演奏と朗読のワークショップもご担当いただいております。2020年度も、11月16日にパフォーマンス、17日にワークショップを行うという予定が、すでに昨年から決まっておりました。しかし、新型コロナウイルスによる感染拡大のため、今年の春以来、日本とヨーロッパとの往来にも大きな支障が出るようになってしまいました。今年度のパフォーマンスをどのように行うか、お二人とも相談を重ねて参りましたが、今回はベルリンで撮影された動画を送っていただき、オンライン配信することとなりました。

お二人に直接お目にかかれないのは大変残念なことではありますが、送っていただいた動画を拝見して、とてもよかったと思うこともいくつもありました。今年のテーマは<シュールとリアル>で、これについてはさまざまな解釈が可能です。コロナ禍の日常を送らざるを得なかった今年、わたしたちはまるでSF映画のなかに入り込んだかのような、不思議な気持ちになることがあったのではないでしょうか。人との結びつきが失われ、しかしオンラインによる新しいかたちでのつながりの可能性が生まれ……この8か月あまりで、わたしたちの生活スタイルも、価値観も、さまざまに変化したのではないでしょうか。そんななかで、現実を見つめることだけではなく、想像力の大切さや、心を大きく解き放つことの必要性も、また感じさせられてきた気がします。

動画を拝見して、ベルリンでのお二人の日常についても、思いを馳せることができました。さらに今回、お二人はパフォーマンスを創っていく過程を、わたしたちに見せてくださっています。高瀬さんの自宅での打ち合わせ、スタジオでのリハーサル。メキシコの画家で、数多くの印象的な自画像で知られるフリーダ・カーロ(1907〜54)の力強い絵を題材としながら、ディスカッションを重ね、作品を構築していく姿は、とても刺激的で、芸術から新たな(しかもジャンルの違う)芸術が生まれていく現場に立ち合わせていただいている、という興奮を覚えます。お二人の言葉や表情に、ぜひご注目ください。信頼と経験、互いへのリスペクトが伝わってきます。言葉と音楽、どちらかが主でどちらかが従というわけではなく、双方の要素が絡み合い、対話しながらまとまっていく様子は感動的です。

この十年あまりのあいだに早稲田でやっていただいたパフォーマンスを振り返ると、その都度、きっかけとなる芸術作品がありました。カフカの小説、シェイクスピアやハイナー・ミュラーの戯曲、葛飾北斎の浮世絵……。引用されることで、亡くなった芸術家たちの作品に新たな生命が吹き込まれ、そこには朗読とピアノだけではなく、それらの芸術家たちも参加するコラボレーションの空間が生まれていました。今回、動画を通してコラボレーションのプロセスを見せていただけたことは、大変貴重な機会であったと思います。この場を借りて、多和田さん、高瀬さん、そして撮影と編集を担当してくださった川口ゆいさんにも、心からの感謝をお伝えしたいと思います。また、大学の文化企画課やSGU関連のスタッフの方々にも、企画や準備の段階からお世話になりましたことをお礼申し上げます。

松永美穂(早稲田大学文学学術院教授)

略歴紹介

多和田葉子

1960年東京生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学専修を卒業後、1982年からドイツ在住。ハンブルクで働きながら大学にも通い始め、修士号(ハンブルク大学)、博士号(チューリヒ大学)を取得。1987年にドイツで作家デビュー、1993年には「犬婿入り」で芥川賞受賞。日本語とドイツ語で創作を続ける稀有な作家として、世界各地で高い評価を集めている。日本では谷崎潤一郎賞、泉鏡花賞、紫式部文学賞、坪内逍遙大賞、読売文学賞、国際交流基金賞、朝日賞、紫綬褒章などを受賞。ドイツではシャミッソー賞、ゲーテメダル、クライスト賞、アメリカでは全米図書賞を受賞。作品は20以上の言語に翻訳されている。

高瀬アキ

1948年大阪生まれの東京育ち。ピアニスト・作曲家。桐朋学園大学在住より、早稲田大学、理科大、また慶応ジャズ研でのジャムセッションに参加してジャズや即興演奏の活動も開始。70年後半からはしばらくアメリカに住み 多くのミュージシャンとのセッションやレコーデングなどを経て、1981年にベルリンジャズフェステイバルに招かれる1987年からはドイツ在住。アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハとともに、ベルリン・コンテンポラリー・ジャズオーケストラを率いる。ハンス・アイスラー音楽大学で客員教授(19972000年)。多和田葉子とのコラボレーションをはじめ、ダンサーやオペラ歌手とのプロジェクトを通して、新しい創作に挑戦し続けている。ベルリン新聞文化批評家賞(1999年)、SWRラジオ局2002年度最優秀音楽家賞、2004年度ドイツ批評家賞ジャズ部門年間ベスト・レコード賞、ドイツ批評家レコード賞は合計9回受賞している。2018年度にはベルリン・ジャズ賞を受賞。2018年よりノルウエー、ドイツ、フランスに住む若い音楽達を集めた新しいグループJ A P A N I Cを結成し、ブタペストのBMCレーベルからCDTHEMA PRIMA”をリリースすると同時に、欧州を中心に演奏活動を行なっている。

フリーダ・カーロ

1907年メキシコシティ近郊生まれ。父親はドイツ生まれのハンガリー系ユダヤ人で、写真家だった。フリーダは6歳のときにかかったポリオの影響で、右足が細くなり、さらに10代のときの交通事故で長期の入院生活を余儀なくされた。生涯を通じて、体の不調に悩まされるようになる。父やその友人から絵の手ほどきを受け、画家のディエゴ・リベラと結婚。夫に伴ってアメリカでの生活を経験、1938年、海外での大規模な個展をきっかけに、次々と絵の注文が来るようになる。創作の傍ら、スペイン内戦で共和国側を支援したり、ソ連からメキシコに亡命したトロツキー夫妻に住居を提供するなど、政治的な活動も行った。1953年、壊死した右足を切断。1954年、肺炎のため死去。彼女が生涯に描いた200点あまりの絵画は、いまでも注目を集め、フェミニズムの視点からも高く評価されている。

問い合わせ

松永美穂研究室 03-5286-3637
早稲田大学文化企画課 03-5272-4783 (平日 9:00-17:00)

主催

早稲田大学文化企画課
スーパーグローバル大学創成支援事業 国際日本学拠点
早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系 松永美穂研究室

Place

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