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流鏑馬とみょうがに込められた思い ーMuseumWeek「ミュージアムワードパズル」と「Find the Waseda Bears!」からー

皆さま、今年のミュージアムウィークも楽しんでいただけましたでしょうか?
大隈LIVEやミュージアムコンサートなど、毎年恒例のパフォーマンスは連日大きな盛り上がりを見せました。パフォーマンスサークルの皆さまの熱量も相まって、五月晴れのキャンパスに、賑わいがもたらされました。
1年ぶりの開催となったワセメシスタンプラリーは、過去最多の88店舗に協力していただきました。プレゼントのTシャツもより使いやすいデザインで、コラボメニューの提供もあり、多くの方にご参加いただけました。

また今年は、3つのミュージアムでの文化推進学生アドバイザーによるミュージアムツアーも開催されました。学生視点でのアカデミックな案内により、早稲田が誇るミュージアムの魅力が少しでも伝わっていれば幸いです。

その中で、文化推進学生アドバイザーが企画した「ミュージアムワードパズル」と「Find the Waseda Bears!」も好評を博し、それぞれ700を超える方が参加されました。今回の答えは、「たかだのばばやぶさめ(高田馬場流鏑馬)」、そして「わせだみょうが(早稲田茗荷)」でした。あまり馴染みがない言葉ですが、どちらも深い歴史があります。

高田馬場流鏑馬

今年は午年ということで、ミュージアムワードパズルのキーワードは「たかだのばばやぶさめ」にしました。
皆さんは、戸山キャンパスの向かいに佇む穴八幡宮をお参りしたことはありますか?
商売繁盛・金運上昇のご利益があるとされる「一陽来復御守」で有名な神社ですが、毎年「高田馬場流鏑馬」を開催していることでも知られています。
現在も続く「高田馬場流鏑馬」は、享保13年(1728年)、江戸幕府第8代将軍・徳川吉宗が、世継ぎである家重の疱瘡(天然痘)平癒を祈願したのが始まりとされています。
かつて現在の水稲荷神社周辺には、江戸幕府の弓馬調練場「高田馬場(たかたのばば)」がありました。この地で行われたのが、高田馬場流鏑馬のルーツです。
明治維新や戦禍など時代のうねりの中で幾度も断絶の危機に瀕しましたが、昭和39年(1964年)に水稲荷神社が現在の地へ移ったのを契機に、境内での奉納が復活しました。その後、昭和54年(1979年)に会場を都立戸山公園に移し、昭和63年(1988年)には新宿区指定無形民俗文化財に指定されています。
約200メートルの馬場を疾駆する力強い蹄の音、的を射貫く爽快な響き、そして射手たちの勇ましい掛け声。これらの音はおよそ300年前から現在に至るまで、連綿と早稲田の地にこだましてきました。毎年スポーツの日(10月の第2月曜日)に、穴八幡宮での習礼(しゅりえ)を経て盛大に開催されます。歴史の重みを感じられる迫力満点の流鏑馬、ぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。

穴八幡宮の写真

早稲田みょうが

「Find the Waseda Bears!」のキーワードは「早稲田みょうが」でした。
実は、かつて早稲田の周辺でみょうががさかんに栽培されていたことをご存知でしょうか。
江戸時代、大振りで香り豊かな「早稲田みょうが」は広く庶民に親しまれただけでなく、徳川将軍家もその味に舌鼓を打ったと伝えられています。しかし、明治以降の急速な宅地開発により、その姿はしだいに消え、やがて「幻の野菜」として忘れ去られてしまいました。
そんな早稲田みょうがに転機が訪れたのは、平成23年(2011年)のことです。長らく途絶えていたはずの地下茎が発見され、奇跡の復活を遂げました。
現在、早稲田大学27号館の前には、このみょうがを記念したモニュメントが建てられています。本キャンパスや戸山キャンパスに通う方なら、年度初めの健康診断の際に利用したことがあるかも知れません。モニュメントのプレートには、本学の卒業生であり詩人の相馬御風による文章が刻まれており、かつて一面に広がっていたみょうが畑の様子を今に伝えています。
「ワセダ食堂」さんでは、早稲田みょうがを使用した 「早稲田みょうがジェラート」が販売されており、気軽に早稲田みょうがの香りを堪能することができますので、ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。

27号館前にある、みょうがのモニュメント

ワセダベアの由来

今年も多くの方にご参加いただいた「Find the Waseda Bears!」企画ですが、ワセダベアの由来については御存じでしょうか。

臙脂色のマントをまとった愛らしいクマとして、キャンパス内のショップやイベントなどで多くの学生・卒業生に親しまれています。

本庄早稲田の杜ミュージアムでポーズをとる早稲田ベア

ワセダベアは、早稲田大学創立125周年を記念して誕生しました。デザインを手掛けたのは、『島耕作』シリーズで知られる早稲田大学OBの漫画家・弘兼憲史さんです。創立125周年記念キャラクターの候補募集にあたり、漫画研究会の先輩から声をかけられたことが応募のきっかけでした。
しかし当時の弘兼さんは、連載や原稿に追われる多忙な日々。後のインタビューでは「30分から1時間くらいで描いた」「どうせボツになると思っていた」と振り返っています。ところがそのクマは約60作品の候補の中から選ばれ、早稲田大学の公式マスコットとなったのです。
クマがモチーフとなった背景には、早稲田大学の創設者・大隈重信の名前に含まれる「隈(くま)」の字が由来しているといわれています。
また、ワセダベアの魅力は単なる「かわいさ」だけではありません。弘兼さんは「子ども向けのかわいいキャラクターにはしたくなかった」と語っており、少し自信ありげで”生意気な顔”を意識してデザインしたといいます。よく見ると、どこか誇らしげな表情をしているのもそのためです。
何気なく目にしているワセダベアですが、その裏には創設者への敬意や、早稲田生らしい気概が込められています。次にキャンパスで見かけたときは、ぜひ少し足を止めて眺めてみてください。早稲田の歴史を背負った”小さな人気者”の新たな一面が見えてくるかもしれません。

 

音と香りの早稲田150年

早稲田大学は2032年、創立150年という記念すべき節目を迎えます。これに向けて、現在『早稲田大学百五十年史』の編纂をはじめとする多様な記念事業が進行しています。
今日の早稲田文化の担い手たる私たちは、新たな早稲田文化の創り手としてさらなる飛躍を目指すと同時に、早稲田の歴史を誠意をもって受け継いでいく必要があります。私たちが今回のクイズの答え「高田馬場流鏑馬」と「早稲田みょうが」に込めたのは、「歴史の続きは、今を生きる私たちが担っていかなければならない」という思いです。
歴史は文字だけで語り尽くせるものではありません。「流鏑馬の音」「みょうがの香り」、これらは活きた伝統の中において初めて立ち現れてくる歴史の一部であり、私たちが五感を通じて体感することで、次世代に引き継いでいくべきものです。10年先、50年先、そして100年先…早稲田の町では、いったいどんな音や香りを楽しむことができるようになるのでしょうか。

 

早稲田大学文化推進学生アドバイザー(鹿沼万由子、越後貫暁、青木優奈)

 

問合わせ

早稲田大学文化推進部文化企画課
E-mail: [email protected]

Museum Week 2026-予想外が待っている―

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