月経周期を踏まえた食事介入と、整形外科医、精神科医、アスレチックトレーナー等との協働
本学スポーツ科学学術院の田口素子(たぐちもとこ)准教授がリーダーを務める研究チームが、平成27年度文部科学省・委託事業として、女性アスリートの育成・支援プロジェクト(採択課題:低エネルギー状態が女性アスリートのスポーツ・健康のリスク及びパフォーマンスに及ぼす影響)を開始します。
この研究は、スポーツ科学学術院に属するスポーツ栄養学の研究者、整形外科医、精神科医、アスレチックトレーナー、管理栄養士、わが国を代表する中央競技団体等との協働によって、女性アスリートの健康リスクを最小限にする具体的方法を導き出し、スポーツの現場へ還元することを目的として実施されます。
日本では、IOC医事委員会が新たに提示したスポーツ栄養コンセンサスに示されている低エネルギー状態(相対的エネルギー不足状態)と身体的・精神的コンディションとの関連について、わが国の女性アスリートでは科学的にほとんど検討されてきませんでした。しかしこの研究では、女性アスリート1500名以上の横断的研究、女性の月経周期を踏まえた個別の食事介入による縦断的研究等を通し、低エネルギー状態が女性アスリートのスポーツ・健康のリスク及びパフォーマンスに及ぼす影響を、医科学サポートの専門的立場の教員らが緊密に連携し、科学的に検討します。
そして競技パフォーマンスの向上を実現するエビデンスの獲得と競技現場への提言により、日本人女性アスリートの育成・支援となることを目指します。また、指導者や競技団体関係者、アスリートを支える研究者や専門家にも研究成果の還元が見込まれます。田口准教授は「この研究を通じて早稲田ならではの方法論“早稲田メソッド”を開発したい」と意気込みます。
社会的には、女性アスリートの国際競争力の向上が期待されます。2020年東京オリンピック・パラリンピックはもちろん、その先の発展をも見据えた日本スポーツ界に対し、本学も貢献していきます。
◆問合せ先:田口素子(早稲田大学スポーツ科学学術院・准教授)mtaguchi@waseda.jp