Graduate School of Public Management早稲田大学 公共経営大学院

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「農林水産省インターンシップ」体験レポート

公共経営大学院

中村 裕彰

1 インターンシップの志望動機

日ごろから、日本の様々な問題に対し政府がいかに現状を分析し、政策を企画立案しているのかを実際に自分の目で見て、肌で感じてみたいと思っていました。また、省庁セミナーや霞が関オープンゼミに参加し、各省庁が取り組んでいることを知っていくうちに、どのような視点や信念を持ち、政策を立案しているのかということについて、更に強い関心を抱くようになりました。自身の将来を見据えるため、政策立案の現場に足を運び、業務を体験することにより、国家公務員の役割を理解したいと考えたことが、本インターンシップを志望した動機です。

2 実習内容

実 習 先:農林水産省 農村振興局 農村政策部 都市農村交流課

研究課題:都市農村交流を通した移住・定住促進について

<1週目>

9月7日 オリエンテーション、都市農村交流課業務全体説明定住促進班の業務内容について学ぶ
9月8日 総務省や国交省など他府省庁の移住定住に関連する業務について学ぶ参考資料を基に移住定住を促進する方法について検討
9月9日 「UIJターンによる都市部から農山漁村への移住定住の現状」のセミナーに参加。有識者による報告を聴取 @農林水産省政策研究所セミナー室
9月10日 AM:昨日のセミナーの復習と論点について整理・考察PM:「観光と連携したグリーン・ツーリズムの推進事業の研修会」に参加グリーン・ツーリズムの現状や、農家民宿の事故事例をもとにしたリスクマネジメントについて学ぶ
9月11日

AM:「農村における就業機会の拡大に関する検討会」に参加

PM:会議の議事録作成、1週間の総まとめ、最終日の発表にむけた

プレゼンの準備

<2週目>

9月14日 AM:「農山漁村における再生可能エネルギーについて」の業務説明

PM:「食料安全保障業務について」の業務説明9月15日データ入力、資料作成9月16日AM:都市農業をめぐる情勢」についての業務説明

PM:都市農業の現地調査(世田谷区の市民農園)

9月17日プレゼン発表用資料作成(職員の方からアドバイスを受ける)9月18日

成果報告発表会

 

3 実習を通じて得られた成果IMG_4268_JPG

  移住定住に関する知識や今後の課題、地域おこし協力隊の影響とその効果、再生可能エネルギーを活用した移住定住促進、都市農業をきっかけとした移住定住への可能性などについて学びました。

移住定住に関しては、大学院のフィールドワークや事前のレポート課題により予備知識を有していたため、移住定住がなぜ難しいのかという問題意識を持ちながら実習に参加しました。実習中に職員の方から、移住する側には、仕事、住宅、地域コミュニティの問題に加え、例えば、地域おこし協力隊員への補助等の支援後の生計の確保が必要だということを教わりました。また、移住地として選択されやすい地域には、①地域に「移住者」が必要であるという意識が共有されている、②多様な世代・立場の住民が関わる地域活動が断続的に行われている、③地域活動が開放的であり、移住者が移住前後から参加できる、という特徴があることも研修会に参加して理解しました。

地域おこし協力隊には、地域をつなぐコーディネーターとしての役割と、移住の連鎖を創出するという役割もあります。これまでは、行政が決定したことを住民に依頼する垂直的な形であったが、地域おこし協力隊が間に立つことにより、行政と住民が互いにパートナー意識をもつ水平的な形になります。セミナーに参加したことで、地域おこし協力隊の具体的な効果を知りました。

最終成果報告会では、全国の地域が主体性・独自性を発揮し、国の最低限の支援による地域づくりが実現できれば、移住者、定住者は増加していくのではないかと結論づけました。発表後、移住定住促進においては、移住する側と受入側とのマッチング等に高いハードルがあり、一律的な答えを導き出すのは困難であることを教わりました。移住定住に必要なものや取られるべき対策について、本インターンシップで学んだことに加え、大学院での講義や教授とのディスカッションを通じて、自分の考えをさらに深めていきます。

4 プログラムのおすすめポイント

国家公務員を将来の進路として考えている方には非常に有意義な時間を過ごせるインターンシップだと思います。インターンシップに参加するまでは、漠然と国家公務員になることを希望していましたが、実際の業務を体験し、多くの職員の方から今後の日本について熱い思いを拝聴することで、今後の理想の国家像を考えるきっかけを得ることができ、強い意志をもって国家公務員を志望するようになりました。

私は農林水産省でのインターンシップでしたが、他の省庁でも有意義で刺激的な時間が過ごせると思います。将来、国家公務員を志望している、または興味のある学生はぜひ参加してみてください。

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