山田 太一 氏のご逝去をお悔やみ申し上げます
早稲田大学芸術功労者、山田太一氏が2023年11月29日に逝去されました。
山田太一氏は、1958年に本学教育学部国語国文学科を卒業されたのち、松竹大船撮影所演出部に勤務されました。1964年には映画産業斜陽の中フリーの放送作家となり、日本の放送界を代表する脚本家として長年にわたって活躍し続けてきました。
代表作の『岸辺のアルバム』や『ふぞろいの林檎たち』をはじめとして、数々の名作を世に送り出してこられ、文化庁芸術祭大賞、日本民間放送連盟賞最優秀賞などを次々と受賞されるとともに、個人としても芸術選奨文部大臣賞、日本アカデミー賞最優秀脚本賞など、放送界で受賞し得るほとんどの賞を受賞されました。
氏のこうした活躍は、ドラマ作品として優れていただけでなく、テレビドラマの脚本家の仕事に人びとの目を向けさせ、脚本家の社会的地位を向上させるために大きな役割を果たしました。氏の作品が、現在活躍している後続の脚本家たちに与えた影響の大きさも計り知れないものがあります。
1980年代からはテレビドラマだけでなく、小説や戯曲にも活躍の場を広げられ、日本を代表する脚本家として長年にわたり第一線で活躍されました。
本学は氏の顕著な功績をたたえ、2016年9月に早稲田大学芸術功労者として表彰いたしました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

2016年9月24日 本学入業式にて芸術功労者として表彰された際、鎌田薫総長(当時)と共に
早稲田大学芸術功労者について
本大学は、創立百周年を記念して、1984年12月14日に芸術功労者表彰規程を制定し、芸術の振興に顕著な功績のあった校友を、芸術功労者として表彰します。芸術功労者は、永年にわたり芸術の分野で多大な貢献をした70歳以上の者であって、文化功労者、日本芸術院賞授賞者、重要無形文化財に指定された者およびこれに準ずる者のいずれかに該当する者の中から選定するものです。芸術功労者には、正賞として表彰状および副賞として記念品の金メダルが贈呈されます。