三木卓氏のご逝去をお悔やみ申し上げます
早稲田大学芸術功労者、三木 卓氏が11月18日に逝去されました。
三木 卓氏は本学出身の文学者として、常に戦後の詩壇・文壇に重い位置を占め、詩・小説・童話・翻訳・評論と幅広い分野で活躍されました。
氏は、1959年に早稲田大学第一文学部を卒業後、編集者として働く傍ら、詩や評論を書き続け、1967年には前年度に刊行した詩集「東京午前三時」で詩壇の登竜門であるH氏賞を受賞されました。また、1973年には雑誌「すばる」に発表した短篇『鶸』で第69回芥川賞、その後も芸術選奨文部大臣賞や谷崎潤一郎賞など多くの賞を受賞され、2007年には日本芸術会員にも選ばれています。
本学の文学伝統を継承するとともに、日本の現代文学に独自の重量感ある文学世界を形成してきた氏の功績は本学の誇りであり、本学は、その多大なる功績を称え、2009年4月に早稲田大学芸術功労者として表彰いたしました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

2009年4月1日 本学入業式にて芸術功労者として表彰された際、白井克彦総長(当時)と共に
早稲田大学芸術功労者について
本大学は、創立百周年を記念して、1984年12月14日に芸術功労者表彰規程を制定し、芸術の振興に顕著な功績のあった校友を、芸術功労者として表彰します。芸術功労者は、永年にわたり芸術の分野で多大な貢献をした70歳以上の者であって、文化功労者、日本芸術院賞授賞者、重要無形文化財に指定された者およびこれに準ずる者のいずれかに該当する者の中から選定するものです。芸術功労者には、正賞として表彰状および副賞として記念品の金メダルが贈呈されます。