近代日本文芸の父といわれる坪内逍遙博士の業績をたたえ、文芸・芸術などの幅広い分野で貢献した人物・団体を顕彰する「早稲田大学坪内逍遙大賞」の授賞式が11月16日、リーガロイヤルホテル東京で行われ、大賞の野田秀樹さん、奨励賞の円城塔さんが受賞の喜びを語りました。会場には招待客者ら約200人が集まり、二人の受賞を盛大に祝いました。
授賞式では、鎌田薫総長から両受賞者への表彰状、記念メダルの授与などに続き、受賞者二人があいさつに立ちました。
野田さんは「この歳になってやっと、西洋の演劇の仲間たちと語り、物を作ることに向き合えるようになり、近代に日本に入ってきた『西洋』と闘った先人の思いが少しずつわかってきた。そのような時に、坪内逍遥という名の賞をいただき、ありがたく思っています」と語りました。
円城さんは「現代では、描写しようとしても適切な扱いがわからないものがどんどん増えている。いかにして何をどう書くか、という問いを始めた一人である坪内逍遥の名を冠した賞をいただけたのはうれしい。おかしなことをやり続けているとみなされることの多い私としては、『もっと派手にやってみろ』と背中を押していただきました」と喜びを表現しました。

大賞の野田秀樹さん

奨励賞の円城塔さん
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