第12代総長西原春夫先生お別れの会を執り行いました

5月2日、早稲田大学第12代総長・西原春夫先生(2023年1月26日逝去、享年94歳)のお別れの会が、大隈記念講堂にてしめやかに執り行われました。

 

ご遺族の方々、多くの来賓・参列者とともに西原先生を偲び、黙祷が捧げられたのち、早稲田大学を代表して田中愛治総長が、次のとおり「追悼の辞」を述べました。

 

田中 愛治 総長「追悼の辞」(一部掲載)

第12代総長であられた西原春夫先生のご遺影を前に、早稲田大学を代表し、謹んで追悼の言葉を申し述べさせていただきます。

先生の生涯は常に早稲田大学と共に在りました。1949年に早稲田大学第一法学部に入学し、その後大学院法学研究科に進み、研究者として法学の道を志されました。『間接正犯の理論』という学位論文により、法学博士の学位を取得し、本学専任講師、助教授、1967年には教授に就任し、刑法学者として、その研究に邁進されました。類い稀な行政手腕をお持ちであった先生は、学部・大学院はもとより、大学全体での活躍も期待され、法学部では教務主任、法学部長を務められた後、清水司総長の下で理事、常任理事となって理事会を支え、1982年には第12代早稲田大学総長に就任して、1990年までその重責を見事に全うされました。また、日本私立大学団体連合会会長、日本私立大学連盟や文部省大学設置・学校法人審議会会長、全私学連合協議会議長、財団法人大学基準協会会長、学校法人国士舘理事長等を歴任し、早稲田だけでなく私立大学全体の発展にも大きく寄与されました。

西原先生のご功績として、決して忘れてはならないのは、何と言っても早稲田大学創立100周年記念事業の完遂であります。創立100周年を迎えるにあたり、記念事業の中核は、新たに所沢にキャンパスを設けて人間科学部を設置すること、そして中央図書館と国際会議場を併設する総合学術情報センターを建設することでした。先生は、全学の教職員から成る「100周年総合計画審議会」を発足させて自ら陣頭指揮を取り、記念事業の構想をまとめ上げました。そしてその壮大な事業を実現させる基盤となる記念募金においても、自ら各業界のリーディングカンパニーに足を運び、寄付の呼び掛けに奔走されました。まさに西原先生以外の方では実現させられなかったことで、早稲田大学の歴史において、燦然と輝く華々しい功績であると思います。

偉大なる教育者でもあった先生に、さらなる薫陶を受けて、導いていただきたかったと感じております。わたし達は今なお、深い悲しみに包まれ、先生が亡くなられたことを受け入れることができずにおりますが、94歳という天寿を全うされ、早稲田人としての天職も見事に果たされたうえで天に召されたのですから、これ以上は望めないものと存じます。

早稲田大学は、9年後の2032年には創立150周年を迎えます。私は「世界で輝くWASEDA」を標榜し、創立150周年の先を見据えるべき世代の者として、2040年、2050年には「日本で、そしてアジアで最も学ぶ価値がある大学」になる、言い換えれば、「社会で活躍するなり、世界人類に貢献しようと思えば、学ぶことが最も効果的な大学は、アジアでは早稲田である、と世界中の人々が思う大学になる」ことを目指しております。西原先生や歴代の総長が脈々と繋いでこられた、早稲田の伝統と教育・研究をしっかり受け継ぎ、今後も早稲田大学が日本の私立大学、そして日本の教育の在り方を牽引していくことを、ここにお誓いして私の弔辞とさせていただきます。

西原春夫先生、本当にありがとうございました。今後は、ごゆっくりお休みいただきたいと存じます。

 

続いて、学校法人国士舘 大澤英雄理事長から追悼のお言葉をいただきました。

 

また、西原先生の研究室出身であり、日本の刑法研究の発展に西原先生と共にご尽力された、高橋則夫早稲田大学名誉教授からも追悼の辞をいただきました。

 

 

この後、ご遺族代表からの挨拶に続き、早稲田大学グリークラブによる「早稲田の栄光」の献奏、続けて、早稲田大学交響楽団演奏による「早稲田大学校歌」を参列者全員で斉唱したのち、献花が行われ、閉会となりました。

略歴

西原先生は、早稲田大学第12代総長として、就任後、早稲田大学創立100周年記念事業の推進、とりわけ総合学術情報センターや所沢キャンパスにおける人間科学部の創設などの実現に向けて尽力し、現在の早稲田大学の礎を築きました。

  • 1951(昭和26)年 早稲田大学第一法学部 卒業
  • 1962(昭和37)年 法学博士(早稲田大学)
  • 1967(昭和42)年 早稲田大学第一・第二法学部教授
  • 1972(昭和47)年 早稲田大学第一・第二法学部長
  • 1978(昭和53)年 早稲田大学理事
  • 1980(昭和55)年 早稲田大学常任理事
  • 1982(昭和57)年 早稲田大学第12代総長
  • 1988(昭和63)年 日本私立大学連盟会長
  • 1988(昭和63)年 日本私立大学団体連合会会長
  • 1989(平成元)年 大学基準協会会長
  • 1998(平成10)年 早稲田大学名誉教授、顧問
  • 1998(平成10)年 学校法人国士舘理事長
  • 2005(平成17)年 学校法人国士舘名誉顧問
  • 2007(平成19)年 瑞宝大綬章
  • 2023(令和5)年 従三位

 

早稲田大学 西原春夫 第12代 総長

 

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