早稲田大学理工学術院(新宿区大久保、山川宏学術院長)は2014年度から、5年間の一貫制博士課程として、先進理工学研究科に「先進理工学専攻」を設置します。本専攻では物理、化学、生命科学、電気・電子に跨る横断的な研究教育を実施します。複数の課題が複雑に絡むエネルギー問題などグローバルイシューの解決に資する力を身につけ、科学技術に関する卓越した専門能力、国際的な舞台でリーダーとして活躍できる広い視野と実行力を持った博士人材を育成していきます。
本専攻は従来の学術考究型の大学院教育とも、高度専門人材育成のための専門職大学院教育とも異なる高度産業人材を育成する、いわば「第三の大学院教育」のモデルとなる専攻であり、修士課程と博士後期課程に区分しない一貫制ならではの充実した履修・研究計画を立てることが可能です。1年間を4学期に分けるクォーター制を導入することで、企業インターンシップ、海外研究機関との共同研究実習なども3ヶ月ずつテンポ良く履修できるほか、1学年15名という少人数制によって課題設定解決演習など対話型教育を取り入れた特色ある科目が並びます。これらのコースワークや、学生自身の専門を基に世界で競いながら展開するラボワークは、産学協働と海外大学連携によってグローバル環境の中、実施することができます。2年次から3年次への進級の前に実施するQualifying Examination(QE)、欧米副査を交えた世界水準を担保した学位審査によって修了者の質を保証、博士(理学)あるいは博士(工学)の学位を授与し、主として産業界に送り出します。
- 名称:先進理工学研究科 先進理工学専攻
- 学位:博士(理学)、博士(工学)
- 入学定員: 15名(収容定員75名)
- 設置時期:平成26(2014)年4月1日
先進理工学研究科 先進理工学専攻 履修概要

入学から修了までのスケジュール
- 1-2年次は、国際標準の教科書などを用いた講義科目と専門性にかかわる課題をテーマにグループディスカッションや討論する演習科目などから構成される専門科目を主に修得する。
- 2年次に専門科目の演習科目として設置されているミシガン実践的英語演習では、ミシガン大学の協力を得てサマースクールを実施し、欧文専門学術論文誌へ成果発信できる論理構成力やテクニカルライティング技術を徹底的に学ぶ。
- 2年次の終わりにQEを実施し、審査は、専攻主任、主指導教員、副指導教員、企業から参画するコンサルティング教員らにより行われ、専門分野に関する口頭試験及び研究プロポーザルの質により合否判定される。なお、QE受験の要件は36単位の取得と学術論文誌に1報が投稿済または投稿中であることが求められる。
- QE後はラボワークを本格化させ、複数指導体制のもと世界水準の独創的研究に取り組ませて専門力をさらに鍛錬する。
- 進取科目として、原則3年次以降に、テーラーメイド型の実験・実習科目「企業インターンシップ」、「研究機関実習」を必修とする。実習先は海外を含む。
- 俯瞰的視野・知識やスキルを身に付けるためにジャーナリズムコース(政治学研究科)あるいはスーパーテクノロジーオフィサーコース(創造理工学研究科経営デザイン専攻)の俯瞰科目の中から所定単位を修得して、コース資格認定を受けることを推奨する。
- 各年次の終わりの時期に実施する主指導教員、副指導教員、コンサルティング教員らによる個人面談において、ラボワークの進め方や方向性及び将来のキャリアパスの考え方などの指導を受ける。
- 学位審査は英語により行い、コンサルティング教員、欧米大学教員ら同席のもと国際水準で実施する。
- 在籍中に50単位の修得を必須、60単位を推奨する。なお、修士の学位は授与しない。